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11/30 18:59 生え抜き組が猛反発 「反ブッシュ」一掃で改革
世界最強の情報機関・米中央情報局(CIA)が内紛で大揺れだ
。九月に就任したゴス長官が「反ブッシュ大統領派」一掃の形で進
める組織改革に現場の生え抜き組が猛反発、マクローリン副長官ら
高官が相次いで辞任した。米中枢同時テロやイラクの大量破壊兵器
に関する情報収集・分析の不手際で吹き荒れたCIAへの逆風。長
官はこれをはねのけ、対テロ戦争に向けて改革を断行する構えで、
米国の外交・軍事の裏側を支えてきたCIAの激震は当分収まりそ
うもない。
▽宣戦布告
「イラクの大量破壊兵器情報でCIAには重大な過ちがあった。
組織を改善する」
上院の指名公聴会で「改革」の大見えを切った長官は、下院情報
特別委員長当時のスタッフ四人を連れてCIAに乗り込んだ。内紛
は、この長官側近グループと現場生え抜き組との人事をめぐる不協
和音という形で表面化した。
就任早々の十月初め、スタッフの一人をナンバー3の要職である
執行局長に指名すると、このスタッフが二十三年前に万引事件でC
IAを退職していたことがメディアにリークされた。
ニューヨーク・タイムズ紙などによると、イラクの旧アブグレイ
ブ刑務所での収容者虐待の写真がメディアに流出した当時から、C
IA内の「反ブッシュ勢力」の存在に目を光らせていた長官側近グ
ループは「今後、リークの責任は徹底追及する」(マレー長官首席
顧問)と、生え抜き組に〓(始めダブルミニュート)宣戦布告〓(
終わりダブルミニュート)した。
同時にこれまでベールに包まれてきた秘密作戦を同顧問の「直轄
」にすると宣言、長年築き上げてきた情報網をずたずたにされるこ
とへの生え抜き組の不満が爆発した。
▽政権への忠誠
十一月十二日、テネット前長官辞任後に長官代行を務めていた実
力者マクローリン副長官が勇退を表明。三日後の十五日、リビアの
大量破壊兵器放棄で功績を挙げたカッペス作戦担当副長官とスリッ
ク同副長官補がそろって辞任したのに続き、二十五日には秘密作戦
部門の極東、欧州両地区の責任者を務める高官二人の辞任も報じら
れた。
野党民主党からは「放置すれば経験豊富なベテラン職員が大量流
出する」(ハーマン下院議員)と長官側を批判する声が出たが、長
官は組織運営上「政権への忠誠」は不可欠として、「反ブッシュ派
」一掃を目指して人事を刷新する決意を表明した電子メールを全職
員に送ったと伝えられる。
▽野心的計画
こうした政治的背景とは別に、組織改革は対テロ戦争を遂行する
上での情報収集体制の抜本的見直しという観点でも進んでいる。米
メディアによると、ブッシュ大統領は最近、長官に詳細な改革案を
九十日以内に提出するよう命令。秘密作戦要員を50%増員するこ
となどを指示したという。
長官も、イラクの大量破壊兵器情報を亡命イラク人らのあやふや
な証言に頼った反省から、北朝鮮やイランのように米大使館という
〓(始めダブルミニュート)隠れみの〓(終わりダブルミニュート
)が存在しない国にも秘密工作員を派遣し、「人的情報」を直接収
集する野心的な計画を練っている。
しかし、これも「現場を極度の危険にさらす」として、生え抜き
組との対立を招く大きな要因になっている。(ワシントン共同=沢
井俊光)
20041130 1859
[2004-11-30-18:59]