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ウクライナの事変の底辺にも、ユーゴ戦争と同じく、カスピ海周辺の石油資源のパイプライン・ルートの争いがある。
http://www.idcj.or.jp/1DS/11ee_josei040216_5.htm
■最近のエネルギー情勢から■
■ウクライナ:石油パイプラインに関する閣僚会議決定
(2月4日付「コレスポンデント」通信)(2004年2月16日更新)
1.2月4日、閣僚会議は「オデッサ・ブロディ」石油パイプラインの利用方向を“順方向”とする決定を行った。
(1)クリュエフ第1副首相発言
閣僚会議はロシアによる“逆方向”利用案を却下し、“順方向”利用を選択した。これにより石油はオデッサからブロディ方向へ輸送されることとなる。また、閣僚会議は同パイプラインの完全稼働と効果的な利用のための政府委員会を組織した。
(2)イェルミロフ燃料エネルギー相発言
閣僚会議は2004年末までに「オデッサ・ブロディ」石油パイプラインを利用してアゼルバイジャン及びカザフスタンからカスピ海産石油4〜500万トンを輪送することを検討している。同パイプラインの利用方向を決定する際には、経済的論拠が優った。我々は共に2〜3年を生きるのではない。その後のことを考えなければならない。同パイプラインが“逆方向”で利用される2〜3年の間に新たな迂回パイプラインが建設される可能性があり、その場合は、「オデッサ・ブロディ」石油パイプラインは必要なくなるであろう。また、本決定にはボスポラス海峡の石油タンカーの航行をトルコが制限していることも考慮された。
2.「コレスポンデント」通信者の注釈
(1)ウクライナでは同パイプラインをカスピ海石油の欧州向け輸送に利用するの(順方向)か、ロシア産石油の黒海沿岸向け輪送に利用する(逆方向)かの論争が続いていた。また、1月29日にワシントンでユーラシア石油輸送回廊に関するウクライナ・米作業部会第1回会合が開催され、同パイプラインの利用方向に関し、米国側は改めて“順方向”利用を提言していた。
(2)他方、同パイプラインの技術・経済面での分析を担当する米国企業「Energy Solutions」は1月27日、同パイプラインの利用に関する報告を提出しており、同社が最も効率性が高い案と結論付けたのはブロディ方向への輸送であった。また、その際、同社は閣僚会議に対し、3年間に限り(注:同パイプラインのプロツクまでの延長が完了するまで)現存の同パイプラインをロシア産石油の輸送に利用するロシア・英合弁企業「TNK-BP」による提案の採用を勧めていた。
((財)中東調査会 かわら版)
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