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イラク:首相の親族3人誘拐 イラク兵士に大きな衝撃
毎日新聞11月10日
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20041111k0000m030135000c.html
【ベイルート小倉孝保】バグダッドでアラウィ暫定首相の親族が誘拐された事件は、中部ファルージャ攻撃に反対するイスラム原理主義過激派の犯行とみられる。首相の親族までもが拉致されたことで、米軍と暫定政府治安部隊の治安能力が問われるのは確実だ。前線の兵士の士気に影響する可能性もある。
今回のファルージャ制圧作戦前、イラク国民が最も心配したのは、過激派を刺激することで他地域で無差別の人質事件や爆弾テロが続発することだった。そのため、アラウィ首相が北部クルド地区を除く全域に非常事態を宣言し治安体制を強化していた。
過激な武装勢力側はこれまでも暫定政府幹部を暗殺するなど、米軍に追従する政府を攻撃対象としてきた。占領に反対する勢力にとってアラウィ首相は「米国の操り人形」だ。しかも、首相は最近、「テロに屈しない」と強硬な姿勢を強調しており、武装勢力側の最大のターゲットになっていたはずだ。
そのため、首相自身は当然として家族や親類も治安の保護の対象となっていた可能性が高い。それが、非常事態宣言下のバグダッドで誘拐されたことで、国民は「暫定政府や米軍は国民をテロリストから守ることができない」と感じる可能性が高い。
特に、衝撃を受けているのは、政府軍や警察など暫定政府の治安を担当するイラク人たちだ。こうした人々はこれまでも爆弾テロの被害に遭ったり虐殺されたりしている。一般の失業率が極めて高い中、高給が保証されていることから、兵士や警察に志願する者は多いが、常に自分自身や家族の身の安全に不安を持っている。首相の家族でさえ保護できない事態は、イラク人兵士や警察官の不安を高めることになる。
イラク人記者によると、ファルージャで戦うイラク政府軍はイラク人を攻撃対象にしていることから、ただでさえ、士気が落ちる傾向にある。常に「自分は米軍に利用されているだけではないか」と自問自答しながら戦っているというのだ。こうした中、兵士は「家族が拉致されるかも」という不安を抱えて戦うことになる。
毎日新聞 2004年11月10日 23時42分