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By Justin Huggler
10 November 2004
http://news.independent.co.uk/world/middle_east/story.jsp?story=581297
ファルージャから昨日の報告には、耳慣れた何かがあった。ちょうど、昨年の
イラク侵攻の際に映像でドラマを提供したテレビが、信頼得る情報はほとんど
伝えなかった時のように。アメリカの攻撃進捗具合を正確に把握していた
者はいなかった。
街に篭もる市民たちがいまだ米軍の空爆、砲撃に晒されている。市街戦の予測も
昨晩は現実的なものだった。ところがアラブ世界の外からの米軍攻撃への批判は、
予想に反して沈黙した。多くの専門家が、ここ最近のイラクの死闘が不可避で
あるとの感を持っている。
アメリカは自らを窮地に追い込むようにした。昨日の戦闘へ導いた失敗は、
遥か以前のイラク侵攻と続く占領政策の大失策である。アメリカは無政府状態
に落ち込んでゆくイラクを留めることができなかった。
抵抗組織は随意に作戦を遂行できる。西側の人間と西側のために働くイラク人の
斬首は、復興へのかすかな希望を粉砕した。最後に残ったエイド組織も去ろうと
している。もし米軍が負けを認めて出て行かないなら、それはあり得ないだろうが、
抵抗組織に反撃し続けるしかない。ファルージャの服従拒否は抵抗の象徴となり、
それはヨルダンのアルカイダ同盟者であり多くの斬首に関わるとされる
ザルカウィのような外国人戦闘員のベースとなりつつあるようだ。
すべての兆候は、このアメリカの反撃が成功する見込みに大いに反している。
ファルージャの掌握、もしくは破壊に十分な戦略を有する点は明らかだが、
抵抗勢力の芽を摘むべき彼らの目的においてはこれに限らず、よって兆候は
よくない。
抵抗勢力は他所へ逃げることも、潜行しつつ次の攻撃に備えることも可能だ。
サマラ鎮圧を試みた先月もそうだった。戦闘員は土曜日にサマラに戻っていた。
連続車列爆破で少なくとも34名が死亡した。米軍がファルージャ中心に向けて
侵攻していた昨日すら、隣接都市ラマディに到達した戦闘員が地歩を固めつつ
あるとの報告があった。
しかしアメリカはもっと基本的な問題を抱えている。まずはファルージャからの
ニュースがかなり不明確なのは、戦闘員についてのアメリカの情報が表面的な
ものであった点だ。米軍司令官たちは、戦闘員数を”おおよそ3千名の範囲”
としか言うことができなかった。実際は正確な数字も、誰であるかどこにいるの
かも掴んでいなかった。民間人に犠牲が出るリスクの高い大攻撃を展開するに
つれ、イラク人たちはますます背を向けてゆくだろう。
アメリカはザルカウィを重要視したが、彼が数多の戦闘リーダーたちの
ひとりに過ぎないことが露見しつつある。もしアメリカがあっといわせる攻撃
に成功し、ザルカウィ他の外国人戦闘員を殺害するか捕らえるかして、犠牲者
の大量発生を避けられたら。しかしその見込みも危うい。おそらくザルカウィ
シンパは遥か遠くに行ってしまった後だろうから。
もしくは、アメリカの心には他の狙いがあるのかもしれない。西側の人間の
斬首ビデオといったものの悪夢に対する反応。アメリカのプレスの表現を
借りると’ファルージャを焼き尽くせ’という感覚なのかもしれないが、
戦慄には戦慄でお返ししようとの警告を反抗勢力に送るようなものだ。
この戦略はイスラエル・パレスチナの対立で旧知のものだが、そこから導かれた
結果のすべては終わらない殺戮の応酬だ。