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ファルージャ総攻撃 イラク宗教勢力が反発強める
米軍とイラク軍によるイラク中部ファルージャの掃討作戦に対し、国内の宗教勢力が反発を強めている。イスラム教スンニ派主要政党のイラク・イスラム党は9日、暫定政府からの離脱を決め、スンニ派に影響力を持つイスラム宗教者委員会は来年1月の国民議会選挙のボイコットを発表した。シーア派の強硬派勢力も、政府批判を強めている。今後の情勢次第では、反発が全国に広がる可能性もある。
イスラム党は「米軍を助け、イラク人の流血を認める暫定政府の政策は無責任だ」とする声明を出した。AP通信によると、モフセン・アブドルハミド書記長は「ファルージャ攻撃と罪のない市民を苦しめる不正義に抗議する。我々は攻撃する側にとどまることはできない」と語った。
イスラム党は4月の米軍による掃討作戦の際には、戦闘開始直後から米軍と地元代表との仲介に乗り出し、事態の収拾に積極的にかかわった。党から辞任を命じられたハッサーニ工業相は拒否しているとされるが、同党の決定は、アラウィ首相が攻撃開始の許可を与えたことに反発した形だ。
スンニ派宗教者の8割を組織するイスラム宗教者委員会のハリス・ダーリー事務局長も9日、「イラク国民は国を守るために米軍の占領に対して抵抗する権利がある」との声明を発表。さらに同日午後、緊急会議を開いて1月選挙のボイコットを決定した。ダーリー事務局長はイラク国民に、ファルージャに対する食料や医薬品の救援を訴えた。
同委員会が「占領への抵抗権」を強調するのは、アラウィ首相がファルージャ攻撃を「テロリスト排除」と位置づけたことへの反発と見られる。イスラム法学者でつくる同委員会は、バグダッドなどで市民を殺傷する無差別の自爆テロは拒否するが、イラク各地で起きている米軍への攻撃は「合法的な抵抗」と解釈する。
イスラム党も平和的手段を標榜(ひょうぼう)するが、米軍への攻撃を「抵抗」と見る解釈は同じだ。
一方、シーア派強硬派のムクタダ・サドル師の広報担当者は9日、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラで「国家警備隊やイラク軍は、米軍を助けるファルージャ攻撃に参加するな」と呼びかける声明を発表した。
アラウィ首相の攻撃許可は、ファルージャ攻撃を「対テロ戦争」と位置づける米国と同一の立場を表明するものだが、イラク民衆の間にはファルージャの戦闘を「抵抗」と見る空気が強く、今後、首相の「許可」への批判が広まる可能性がある。 (11/09 23:45)
http://www.asahi.com/international/update/1109/014.html