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(回答先: 天皇を「平和の象徴」に 米国機密文書で判明 (共同通信) 投稿者 彗星 日時 2004 年 11 月 07 日 02:45:19)
11/07 02:15 天皇を「平和の象徴」に 開戦直後に米国情報機関 最も早い時期
米国が太平洋戦争開戦からわずか半年後の一九四二年六月、情報
工作の一環として昭和天皇を「平和のシンボル(象徴)として利用
する」との計画を立てていたことが六日までに、CIA(中央情報
局)の前身の情報機関であるOSS(戦略情報局)の機密文書で明
らかとなった。
専門家によると、米国の公文書が天皇を「象徴」と初めて表現し
たのは、これまで確認された中では同年十二月であり、この史料が
最も早い時期に当たるという。
マッカーサー将軍がこの計画を知っていたことを示す文書も併せ
て見つかり、戦後日本の象徴天皇制の起源を解明する上で極めて重
要な手掛かりとなりそうだ。
一橋大の加藤哲郎(かとう・てつろう)教授がワシントンの米国
国立公文書館で、二〇〇一年に解禁されたOSS史料の中から発見
した。
四二年六月三日付で陸軍省心理戦争課の大佐が起草した「日本計
画(最終草稿)」と題する文書で、抜粋が三ページ、本文が三十二
ページ。連合軍の軍事戦略を助けるための、日本に対するプロパガ
ンダ戦略を提言した内容。
抜粋では「日本の軍事作戦を妨害し日本軍の士気をくじく」など
四つの政策目標を設定。それらを達成する十一の宣伝目的の中に「
日本の天皇を、慎重に名前を挙げずに平和のシンボルとして利用す
ること」と明記。
本文では「天皇は西洋の国旗のような名誉あるシンボル」だとし
「軍当局への批判の正当化に用いることは可能であり、和平への復
帰の状況を強めることに用いることもできるだろう」と記されてい
る。
これまでの研究では、四二年十二月、「日本の国民統合の象徴」
と表現した米国務省の覚書が、公文書に登場する最初とされている
。
戦後、日本占領の統治者となるマッカーサー将軍が連合軍の司令
官として、四二年八月五日付で「日本計画」に寄せたメモも見つか
った。天皇に関する意見は述べられていないが、この文書に目を通
していたことは確認できる。
加藤教授の論文は雑誌「世界」(十二月号)に掲載される。
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[2004-11-07-02:15]
11/07 02:20 OSS
OSS 米国の情報機関の一元化を図るため、ルーズベルト大統
領が1941年7月に設置したCOI(情報調整官)が原型。日本
の真珠湾攻撃を予測できなかった反省から、42年6月に誕生した
。長官には同大統領の学生時代からの友人で弁護士のウィリアム・
ドノバンがCOIから横滑りで就任。最盛期、1万3千人の職員を
抱え、心理作戦を含めた秘密工作も担当した。第二次大戦後の45
年秋に廃止され、47年に設立されたCIAに業務が引き継がれた
。
20041107 0220
[2004-11-07-02:20]
11/07 02:20 発案者の特定が次の焦点
【解説】「天皇を平和の象徴として利用する」という考え方は、
紆余(うよ)曲折を経ながらも結果的に戦後日本の象徴天皇制につ
ながることになる。今回の公文書に盛り込んだ際の発案者を特定す
る作業が今後、研究の焦点の一つだ。
「日本計画」の天皇観について、史料発見者の加藤哲郎教授は「
ジョセフ・グルー元駐日大使ら国務省の親日派が抱いたような、日
本への畏敬(いけい)と愛着を含んだものではなく、象徴的側面の
利用価値の強調が目立つ」と指摘する。
直接の起草者は陸軍省だが、国務省や陸海軍、英国情報機関など
に回覧して仕上げるための最終草稿とされ、作成に当たってはOS
Sの前身であるCOI(情報調整官)スタッフの助力を得たことが
明記されている。
米国の情報機関は一九四一年七月に発足するCOIが翌年OSS
に改組、戦後CIAに連なる流れがある。
OSSの「頭脳」といえるのが全米の優秀な学者を結集した調査
分析部(R&A)。その極東課日本班長となる日本政治の専門家チ
ャールズ・ファーズが「日本計画」立案に重要な役割を果たしたの
ではないかと加藤教授は推定している。
「米国の日本占領政策」の著作がある神戸大の五百旗頭真(いお
きべ・まこと)教授は「ファーズか、エドウィン・ライシャワー元
駐日大使の影響を受けている可能性が高い」と話す。
今後は、史料に裏付けられた実証作業が必要となる。
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[2004-11-07-02:20]
11/07 02:06 米の公文書で初めて示す
五百旗頭真(いおきべ・まこと)・神戸大教授(日本政治外交史
)の話 時期的に見て天皇を平和の象徴として利用するという認識
を、米国の公文書で初めて打ち出したものとみてよいだろう。非常
に興味深い。今後は、どういう流れでこの認識が政策本流に受け継
がれていくのかを検証する必要がある。複数の情報機関を競わせる
のがルーズベルト大統領の手法。今回の文書には政策提言的要素も
あり、COI(情報調整官、OSSの前身)のウィリアム・ドノバ
ンのスタッフが意欲を示し、政策分野まで踏み込もうとしたという
見方もできるのではないか。
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[2004-11-07-02:06]
11/07 02:20 クールな分析が印象的
中村政則(なかむら・まさのり)・神奈川大教授(日本近現代史
)の話 象徴天皇制の研究は主に米国務省を対象に進められてきた
。今回、後の政策に似た「天皇を平和の象徴として利用すること」
を太平洋戦争の早い時期に米国が打ち出していたことを突き止めた
功績は大きく、史料価値は高い。真珠湾攻撃で日本に対する米国世
論の怒りが沸騰していた時期に、OSSがクールで的確な分析をし
ていた点が印象的だ。イラク戦争で失点を続けた後身のCIAとは
雲泥の差だ。だが、象徴天皇制に至る道は数段階の紆余(うよ)曲
折した過程があり、今回の文書が戦後の天皇制存続に直結するもの
とまでは言い切れないだろう。
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[2004-11-07-02:20]
11/07 02:20 「日本計画」要旨
天皇に関する「日本計画」の抜粋と本文の主な記述は次の通り。
【抜粋】
「個別的な宣伝目的」
日本の天皇を慎重に名前を挙げずに平和のシンボルとして利用す
ること。
【本文】
「特別に慎重に扱うべき提案」
天皇 天皇ヒロヒトは、ヒロヒトという名前で取り上げるべきで
はない。天皇という肩書で言及されると、彼は平和と立憲主義の不
幸な友人として描写されることになる。
天皇は西洋における国旗のような名誉あるシンボルであり、政治
的軍事的行動の正当化に利用され得る。天皇シンボルを軍当局への
批判の正当化に用いることは可能であり、和平への復帰の状況を強
めることに用いることができるだろう。
もし、そうなれば、天皇の神性や無謬(むびゅう)性についての
懐疑を広める効果をある程度持つことになり、日本の政治的安定に
打撃を与える。
いくつかのプロパガンダの目的に結び付けて天皇を利用すること
は、非常に有効だとみなされるだろう。
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[2004-11-07-02:20]