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バグダッドとファルージャからのメール(ジャーナリスト志葉玲のブログ  新イラク取材日記)
http://www.asyura2.com/0411/war62/msg/408.html
投稿者 Kotetu 日時 2004 年 11 月 05 日 04:00:07:yWKbgBUfNLcrc
 

(回答先: ビンラディン最大のテロ炸裂(ジャーナリスト志葉玲のブログ  新イラク取材日記) 投稿者 Kotetu 日時 2004 年 11 月 05 日 03:57:39)

2004年 11月 05日
バグダッドとファルージャからのメール

 昨日、バグダッドからメールが届いた。友人で、日本のNPO、PEACE ON の現地スタッフであるサラマッドからだ。 メールには、「レイ、日本人の若者が殺されてしまったことを本当に申し訳なく思う。信じてくれ、僕は自分のできることを尽くしたつもりだったけど、状況はあまりに困難だった。本当にごめん」と書かれていた。

 PEACE ON代表の相澤恭行さんと私は、事件発生後、ただちにイラク人の知り合い達に、宗教者やメディアに香田さん解放を働きかけるよう、緊急要請を出した。そして私達はサラマッドから、一度はサジを投げていたスンニ派イスラム聖職者協会が「香田証生さんと(イギリス人NGOスタッフの)マーガレット・ハッサンさんが、自衛隊のために働いていることやスパイである証拠をイラクの人々に提示できないのなら、二人を解放すべきだ」という犯行グループに向けた声明を出すとの連絡を受けていたのだった(関連情報)。

 だが、香田さんは非情にも殺害されてしまい、ハッサンさんも未だ解放されていない。イラクの状況はそれ程せっぱつまったものとなっている。ただ、そのような状況の中でもイラクの人々が、人質解放のために奔走していたことは、伝えたいと思う。

 昨日はネット上で流布されている香田さん殺害場面のビデオ画像も見た。横たわる香田さんの遺体から流れ出る血で星条旗はドス黒く染まっていた。あまりのむごたらしさに吐き気がしてくる。興味本位で死者の尊厳を傷つけることは許されないとは思うが、小泉首相や「香田さんは死んで当たり前」と言わんばかりだったメディア関係者のヒトビトには、是非見ていただきたい。


 長くなるが、もう一つ。ブッシュ大統領が再選したことで、ファルージャやラマディへの総攻撃もカウントダウンに入ってしまったのだろう。今回の攻撃は4月の虐殺の再来となるかもしれない。そんな折、知人がファルージャの住民がアナン国連事務総長にむけたメールを転送してくれたので紹介したい。
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アメリカ軍がイラクで毎日、大量虐殺を続けていることは、証拠を提出するまでもなく明らかです。そして、この手紙を書いている今、アメリカはファルージャの街に対して、この大量虐殺を実施しています。アメリカ軍は自らが保有する中で、最も破壊能力の高い爆弾をファルージャの市民に向け投下し、罪のない多くの人々をを殺傷しているのです。そして地上では、アメリカ軍の戦車が、激しい砲撃で街を破壊しています。
  ご存知のように、ファルージャ市の代表とアラウィ政権との間で交渉が続いているため、現在ファルージャに軍は駐留していません。またここ数週間、抵抗勢力も行動を控えています。

 しかし、新たな爆撃は、イスラム教の断食月ラマダンで、人々が断食をしている時に開始されました。その結果、多くの市民が、瓦礫の中に埋まり、外からの援助も断ち切られている状態です。10月13日の夜、アメリカ軍は爆撃機1機で、民家50件を破壊、多くの人を殺害しました。これは大量虐殺という犯罪行為ではないのでしょうか、それともアメリカ民主主義の教訓なのでしょうか。アメリカ軍は、占領を認めさせるために、ファルージャの人々に対しテロ行為を繰り返しているのです。

 あなた(アナン事務総長)は、アメリカとその同盟国が、大量破壊兵器の脅威を口実に、私たちの国の破壊を続けて来たことをご存知のはずです。彼らは自らの大量破壊兵器を用い、多くの市民を殺害しました。そして今になって、イラクに大量破壊兵器はなかったことを認めています。しかし、彼らは自分たちが犯した罪については口にしようとしません。世界中が沈黙しているのです。イラクの一般市民を殺害することすら非難の対象にならないのです。アメリカは、1991年の戦争の後、イラクに賠償金の支払いを強制しましたが、今回アメリカはイラクに賠償金を支払うでしょうか。

 私たちの住んでいる世界はどうやら、二つの異なった基準があるようです。ファルージャでアメリカとその同盟国はアル・ザルカウィという新しい、正体不明の標的を作り出しました。ザルカウィはアメリカの犯罪行為を正当化する新たな口実です。この新しい人物は一年前に、でっち上げられました。そして、その一年の間、アメリカは民家、モスク、レストランを攻撃し、女性、子供を殺害しました。そして、常に「われわれは、アル・ザルカウィに対する攻撃を成功裡に遂行した。」とだけ言い、決して、ザルカウィを殺したとは言いません。言えない筈です、ザルカウィなど実在しないのですから。

 私たちファルージャの住民は、この人物が市内にいないことを保証します。そして、多分イラク国内にいることもないでしょう。私たちは、これまで何度も、「誰でもいいから、ザルカウィを見かけたら、殺せ」と訴えてきました。しかし、今、ザルカウィはアメリカがでっち上げた幻だということがわかりました。私たちの代表は、これまで繰り返し、市民の誘拐や殺人を非難してきました。私たちは、非人間的なことをしているグループと何のかかわりもありません。ファルージャに対する犯罪行為をやめ、軍をファルージャから撤退させるよう、あなたそして世界の指導者がブッシュ政権に大きな圧力をかけることを要請します。

 ファルージャからアメリカ軍が一時撤退した後、ファルージャは平和で静かな街となっていました。混乱はまったくありませんでした。資金不足にもかかわらず、街の文民行政もうまく機能していました。私たちの唯一の犯した「罪」は、占領軍に来てほしくないと主張したことのようです。しかし、占領に反対するということは、国連憲章そして国際法、また人間としての常識に照らし合わせてみても、私たちが持つ当然の権利のはずです。今、あなた、そして世界の指導者が、新たな惨事を防ぐために早急に介入することを要請します。私たちは、イラクの国連の代表と連絡を取って、このメッセージを伝えようとしましたが、ご存知の通り、国連はバグダッドで一番警備の厳しい、外の社会と遮断されたグリーン地域にあり、立ち入りは許されませんでした。私たちは国連にファルージャの状況に目を向けて欲しいと願っています。

10月14日 ファルージャ住民を代表して、ファルージャイスラム評議会、バー協会、教職員組合、部族指導者会議、ファトワ宗教教育議会のために、人権と民主主義研究センター所長カシム・アブドゥルサタル・アル・ジャマイリが記す。

訳:Stop the War Coalition 荒巻薫さん
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 イラクに外国人武装勢力が流入しているのは確かなのだろうが、私は外部の人間への住民の警戒心が強いファルージャにザルカウィ氏が潜伏しているという米軍の主張には懐疑的だ。7月のファルージャ取材でも、現地宗教指導者は「大量破壊兵器の時と同じ。存在しないものを攻撃の口実にしている」と言っていた。また、最近BBCの記者がファルージャ入りしてたようだが、彼は「99%、ファルージャに外国人はいない」と言っていた。いずれにしても、どんな理由があれ、一般市民を巻き込んでの無差別攻撃を行うことは、イラク情勢をますます混迷させるだけだろう。

by rei_shiva | 2004-11-05 03:10 | イラク/中東 | Trackback(1) | Comments(0)
http://reishiva.exblog.jp/844049/

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