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(回答先: 中国がイランの油田開発に。【BBC】 投稿者 Sちゃん 日時 2004 年 11 月 03 日 04:59:44)
結論から言えば、この背景はイランが核弾付きICBMを作るのを助ける見返りに中国に石油を安定供給するということだと思われます。以下に順を追って見解を述べさせていただきます。
中国にも大慶と勝利という国産の原油の油田があります。BBC報道にも書かれているように国産原油だけでは成長した経済を支えきれないわけです。
去年の前半くらいから中国国内では最大の油田である大慶油田の幹部ががイランに出張している様子が見受けられました。石油関係機材や工事も請け負うような商談が進められています。
大慶油田はワックス分が多いかなり重質な原油で、流動点も30度以上という「豆腐」のような硬い原油です。そのような原油を運搬するには流動点以上に原油の温度を温めなければなりませんから、膨大な量の燃料を使ってタンクやパイプラインを暖めなければなりません。大慶油田は黒龍江省ハルビン市附近にありますが、ほとんどロシアにちかいような場所ですから冬場は大変です。つまりかなりコストが高くつく原油なのです。
こうした事情があって、経済成長の中心である中国の南部では大慶油田原油を敬遠するようになり、揮発分の多い中東原油のほうへ比重が高くなりました。イランの原油の殆どは軽質の燃料の原料としては申し分ない原油です。内陸から運搬する大慶油田の原油のコストとくらべると、イランの原油はタンカーで運搬するわけだから数分の一のコストであろうと思われます。国産原油は高いのです。もちろんそれは生産コストにもひびきますね。
大慶油田は国営企業の杜撰な経営もたたって、かなりのリストラ(下崗といいますが)を行い、昨年あたりには何千人規模での暴動が頻発していました。大慶油田はそろそろ枯渇の可能性も指摘されており、沿海地域での新たな油田開拓も急務となっている。それが中国の石油探査船の日本領海附近での活動の活発化の原因です。
さてイラン当局が中国の石油関係への進出を許す事情としては、絶対に忘れてはならないのが中国からイランへの「武器およびその技術売却や移転」という背景があることを忘れてはならないと思います。イラン国営石油会社と中国国有石油会社ですから政府対政府の交渉ですからね。
イランも以前に北朝鮮製のミサイルを購入してみたら不良品であったりして大きなトラブルになったようです。しかし中国製であれば、有人宇宙ロケットの打ち上げに成功した実績から信用が有る。
同じようにサウジアラビアのICBMも1980年代に購入した中国製で、技術者という名目で1000人近い中国軍人がメンテナンスのためにサウジに常駐しています。
中東産油国において、中国は武器売却のメリットを最大限に活かして原油の安定供給を確保しようとしています。核拡散にもかなり「貢献」していることは間違いない。