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(回答先: 爆発しなくてよかった・・・中国原潜 投稿者 木偶坊宗候 日時 2004 年 11 月 12 日 12:12:20)
→ 「事故説」断定するのは中国の軍事戦略を知らない極めておめでたい奴。
○海洋調査の後に軍艦が出現し、実効支配に乗り出すのが中国軍の行動パターン
1.領有権の主張から始まり、
2.その後、海洋調査によって勢力を伸張。
3.それがひと段落つくと、軍艦派遣や兵員駐留で軍事プレゼンスを高め、
4.最後は実効支配に持ち込む。
(平松茂雄・杏林大学教授)
■原潜の領海侵犯『中国』の狙いは 試される日本の防衛力
<http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20041112/mng_____tokuho__000.shtml>
国籍不明の潜水艦が10日、潜航したまま、沖縄県南部の石垣島と宮古島の
間の日本領海を侵犯後、蛇行しながら北上、11日に針路を西に変えて中国方
面に向かった。これを追尾する海上自衛隊の哨戒機P3Cや護衛艦。中国海軍
の漢(ハン)級原子力潜水艦とみられるが、なぜ国際法に違反する軍事行動を
とったのだろうか。西太平洋の厳しい国際関係をあらためて印象付けた。
■着々と太平洋戦略
「海洋調査の後に軍艦が出現し、実効支配に乗り出すのが中国軍の行動パタ
ーンだ」と、中国軍事に詳しい平松茂雄・杏林大学教授は言う。今回、日本の
領海を侵犯し発見された潜水艦が中国の原子力潜水艦だとすると「中国軍が太
平洋で着々と進めてきた軍事戦略がいよいよ具体化してきたことを見せつけた」
とも。
中国は大陸国だが、海洋進出に乗り出したのは意外に早く、文化大革命中の
一九七〇年代初めのこと。六九年、東シナ海に海底油田があると分かったのが
大きな誘因となった。
七〇年代にパラセル(中国名・西沙)諸島、八〇年代にスプラトリー(同・
南沙)諸島を実質的な支配下に置いてきた中国軍の行動には、一定のパターン
がある。領有権の主張から始まり、その後、海洋調査によって勢力を伸張。そ
れがひと段落つくと、軍艦派遣や兵員駐留で軍事プレゼンスを高め、最後は実
効支配に持ち込む−というわけだ。
西太平洋でも、潜水艦出没の前触れとなる出来事があった。今年四月、中国
の海洋調査船が日本最南端の沖ノ鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内で活
動していたことだ。日本政府が中止を求めたのに対し、中国政府は「沖ノ鳥島
は『島』ではなく、EEZが設定できない『岩』だ」と反論し、活動を続けた。
中国の海洋調査船が所属する国家海洋局は、国務院(内閣)直属の機関で、
海軍とは密接な協力関係がある。調査といっても軍事目的を併せ持つ。船は海
中に向けて音波を発信し、船尾クレーンからはワイヤを曳航(えいこう)して
いた。
「海底の地形や水温分布、海流など潜水艦を展開するために必要なデータを
収集していたとみられる」と霞山会の阿部純一・主任研究員は話す。「沖ノ鳥
島周辺での調査活動が潜水艦展開の目的であることを裏付けるかのように、実
際の潜水艦活動に移ってきた」(阿部氏)とみている。
中国は日本、台湾、フィリピンをつなぐ「第一列島線」を国土防衛の“内堀”
として固め、小笠原諸島からサイパン、グアムに至る「第二列島線」を米国の
攻撃からの防衛ラインとみて進出をもくろんできた。
■“台湾有事”へ米軍けん制
中国が太平洋への軍事進出を目指す狙いは、「台湾有事の際に米軍の介入を
阻止すること」(平松教授)に尽きる。台湾で初めての総統直接選が行われた
九六年、中国軍は台湾近海でミサイル演習を強行した。これに対し、米軍は空
母機動部隊を台湾に急派し、圧力をかけた。中国が太平洋での軍事プレゼンス
を高めようとしている背景には、九六年の前轍(ぜんてつ)を踏んではならな
いという反省がある。
「中国からみれば、太平洋に潜水艦部隊を展開することで、米軍の介入を阻
止し、台湾への軍事侵攻が可能になる。かりに軍事侵攻しなくても、台湾に米
軍が助けてくれないと分からせることができれば、台湾を中台統一のための政
治交渉のテーブルに引き込むことができる」(平松教授)
ただ、現段階で中国海軍が保有する潜水艦の能力は決して高くはない。原子
力潜水艦はミサイル発射管十二基を備えた夏(シア)一隻のほかに、今回発見
された潜水艦とみられる漢級が五隻の計六隻を保有しているものの、いずれも
老朽化しており、中国は新型潜水艦の開発、購入を急いでいる。
潜水艦のスクリュー音は潜水艦を捕捉する最大の手がかりとなるが、「最新
の潜水艦が海底を忍び足で歩くようだとすれば、中国の潜水艦は銅鑼(どら)
を叩(たた)きながら進むようなもの」というほど音が大きく、哨戒機P3C
などに捕捉されやすい。
中国が太平洋進出を進めていくうえで、もう一つの問題は、地上からの航空
支援を得られる範囲でしか潜水艦を展開できないという点にある。中国軍が保
有するスホイ27、30戦闘機など比較的飛行距離が長い戦闘機でも半径千五
百キロ。潜水艦が展開できる範囲は中国大陸から戦闘機が飛んでいける範囲に
限られ、「今のところ中国が進出可能な海域はまだ第一列島線に近いところに
とどまっている」(阿部氏)のが実態だ。
今回、海自のP3Cに中国の原潜が捕捉されたとすれば、中国にとってどの
ような意味をもつのか。
平松教授は「かりに意図的に日本領海を突っきろうとしたとすれば、日本の
反応を見ようとした可能性が高い」と指摘する。
阿部氏は「日本の対潜哨戒能力を把握したという意味では中国軍に収穫もあ
った。しかし、発見されることは、どんな活動をしているのか手の内をさらす
のと同じ。日米はこれをきっかけに太平洋での中国の潜水艦活動にさらに警戒
を高めていくはずで、中国にとって得るものはない。中国海軍幹部の首が飛び
かねないほどの失態だ」とみる。
領海警備は本来、海上保安庁の任務だが、相手が潜水艦の場合、海保で発見
したり、停船命令を出すことは事実上、不可能であるため、自動的に自衛隊が
対応することになっている。
潜水艦艦隊を持ち、哨戒機を多数保有している自衛隊について、軍事評論家
の江畑謙介氏は「東西冷戦時代、海自は太平洋のような広くて深い海で、原子
力潜水艦を対象とした作戦を主流とした。ソ連脅威論を中心として冷戦構造が
完全に終わった九〇年代後半からは、遅ればせながらも浅い海の沿岸部での対
潜水艦作戦が中心だ」とし「軍事力を背景に外洋に出ようとしている中国に対
する抑止が狙い」と言い切る。
■『封じ込め』対ソから対中に
軍事ジャーナリストの神浦元彰氏も「対潜水艦作戦が対象としているのは中
国だけ」としたうえで言う。
「中国が昨年、設定した防衛外線には、米軍再編で最前線に位置づけられて
いるグアム島や、沖縄も入っている。ここ数年、積極的に西太平洋に出ようと
しており、日米側の緊張が高まっているというのが実情」
中国への対応を示すキーワードの一つが「島しょ防衛」だ。首相の私的諮問
機関である「安全保障と防衛力に関する懇談会」は今年十月、海上防衛力につ
いて「島しょ防衛等に重点を移す」との提言を行った。
江畑氏は「海自が潜水艦を発見した経緯を明らかにしない以上、今回、潜水
艦を発見したような深さ百メートル以内の浅い海での対潜水艦作戦の技術をど
れだけ持っているかは分からない。中国が日本の島を占領して東シナ海を支配
下に置こうとすれば、日本の防衛力が問われる」と、沖縄地方の島しょ防衛の
必要性を語る。
「日本は米軍の方針に沿って、中国の潜水艦の監視を強めていた」と神浦氏
は言い「中国の場合、東シナ海から西太平洋に抜ける通路に(1)日本の対馬
海峡−津軽海峡、宗谷岬(2)奄美諸島−南西諸島の二コースがある。今回、
潜水艦が発見された先島諸島は南西諸島の一角。海自にとっては実績になった」
と続ける。
冷戦時代、太平洋進出を狙うソ連海軍の「封じ込め」で一翼を担った自衛隊
は今、米軍とともに、中国海軍の「封じ込め」に動こうとしているようだ。