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2004.11.12
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アラファトの死 [追加]パレスチナ封鎖強化
イスラエルのジャーナリスト、アミーラ・ハスが書いた "Drinking the sea at Gaza "という本のなかに忘れられないシーンがある。
占領されていたガザにオスロ合意の後、自治政府の治安部隊が入ってくるところを描いたシーンだ。ガザの人々は歓喜にむせかえり、公然とパレスチナの旗を振り、通りに溢れる。何万もの人々が治安部隊の到着を待ちこがれる。やっとガザに入ってきた治安部隊を包む熱狂と喜びがそこに描かれていて、私は涙が流れた(本が行方不明となっていて、見直していないが)。
この歓喜が失望に変わるのに、それほど長い時間がかからなかったこともこの本は伝えてくれている。
アラファト氏の死去に対し、私の感慨はあまりない。「冷淡だ」と見えるかもしれない。事実、悲嘆もなければ、喜び──イスラエルのメディアは臆面もなく表している──もないのだけど。
自治政府の腐敗とか、そんなレベルではなくて、どうしようもないオスロ合意を結んだこと、それは単なる占領の継続にしか過ぎなかったことの責任をアラファトが置き去りにしていたことがひっかかっているだけ。そのような人が指導者であり続けたパレスチナの悲しみを感じているだけ。
オスロ合意の前後にラマッラー(正確にはビール・ゼイト)で過ごしたナイジェル・パリーが自分の体験から似たような思いを書いている。
Blaming Arafat for Israel's torpedoing of Oslo
ここにもイスラエルの占領から解かれるという歓喜に満ちあふれ、道路を埋め尽くすラマッラーの人々のありし日の写真が載せられている。
そして、それがすぐに変質していったことも。
(自治政府の腐敗を書いて、ナイジェル・パリーの下宿が破壊された──そこには自治政府治安部隊の人間も加わっていた──というのは初めて知って驚いた)
パレスチナ人なら誰もが味わった失望と苦渋──自治政府はイスラエルの占領を野放しにしただけ……。それどころか、自分たちに反対するものを抑圧した──にも関わらず、多くの人々はアラファトの死を深い悲しみで受け止めている。( Photostory: Ramallah reacts to news of Arafat's death に、ラマッラーでの人々の悲しみの様子が多くの写真によって伝えられている)
これを見ると、アラファトは幸福な人だったと思う。よくも悪くもパレスチナの象徴だったのだと。
その象徴を失い、どこを目指すのか。それが本当にパレスチナの人たちに求められているのだと感じている。
[追加]パレスチナ封鎖強化
アラファト議長の葬儀がカイロでもう行われているのだと思うが、その葬儀に先立ち、イスラエル軍、警察はパレスチナ全土の封鎖を強化しはじめた。イスラエルは「最高度治安警戒」を出しているという。
ヨルダン川西岸地区を兵士が取り囲み、アラファトの埋葬が行われるラマッラーに入るのでさえ、特別の許可と厳重な検査が課されるとのこと。
エルサレムでは投石する少年たちとイスラエル軍との衝突が起こっているようだ。アル・アクサーモスクは45歳以上でないと入れないようになっているが、この付近で少年たちが投石を行い、逮捕者が出ている。
他にも昨日から今日にかけて、多くのパレスチナ人が撃たれている。殺されたのは5人くらい。あとでここ3日間分のニュースをまとめてみたい。(できれば……)
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http://0000000000.net/p-navi/info/column/200411121907.htm