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Falluja, April 2004 - the book
イラク駐留英軍への手紙
『ファルージャ2004年4月』の著者の一人ジョー・ワイルディングが英軍兵士にあてたオープン・レターを、ワイルディングのブログから紹介します。
米国がお仲間の英国に、英軍兵士に、もっともっといろいろやってもらいたい、と注文したことを受けてのことです。自衛隊にも、もっともっといろいろやれ、と言い始めると忠実な日本の首相は「喜んで、つつしんで」と答えるのでしょうか。
2004年10月19日
イラクで兵務についている英軍兵士たちへのオープン・レター
米国は、ファルージャにもう一度攻撃を加えるための兵士を確保するため、英国政府に北部に行ってもらいたい、と英国政府にもとめました。私は、バグダードや現在米軍の統制下にあるあらゆる場所への派遣命令を拒否するよう求めてこの手紙を書いています。
4月のファルージャ包囲の際、私は救急車ボランティアをしました。私がファルージャに行ったのは、私の友人で医者であるサラームが次のように言ったからです。米軍兵士たちが医療品のファルージャ運び込みを妨害し、水道、食料、電気を遮断し、一番大きな病院を閉鎖し、より小さな病院に通じる道を狙撃兵をつかって制圧している、と。
サラームは銃弾の傷を受けて、避難しました。米軍機が発射したミサイルが、彼の前の救急車を破壊したのです。彼と彼のクルーは銃撃に囲まれ、車の中に釘付けにされました。その間に、もう一台の車にいた同僚たちは、中で焼かれたのです。
サラームは、私たちならば、海兵隊は撃たないだろうと考えました。私たちならば、海兵隊員の兄弟姉妹のように見えるからです。その通りでした。昼間、私たちは医療品を運び、第二の病院と前線にある家々から人々を運び出し、病人や怪我人をピックアップしました。
私たちは、米軍制圧下から病気の女性二人を連れ出しに行きました。家の外の路上に、60歳くらいの男性がうつぶせに倒れていました。背中から撃ち抜かれたのです。胸の中が体から飛び出た男性がどのように見えるか、どんな臭いがするか皆さんにお伝えする必要はないと思います。
家々の屋上に海兵隊の戦列が見えました。私たちがそこに行ったときに、ようやく家族が出てきました。叫びながら出てきた息子は、殺された男性は非武装で、妻を診療所に連れていこうと車を取りに行っただけで撃たれたと言いました。安全な場所に家族を連れて行っているとき、娘たちは「バーバ、バーバ」(とおちゃん)とつぶやいていました。
私たちがいた診療所は、狙撃により怪我をした人々を数え切れないほど多く治療していました。米国がこの地域を制圧するために好んで使う方法は次のようなものです:ズボンを濡らした小さな少年の頭を撃つ、白旗を掲げた老女を撃つ、若い女性の顎を撃ち抜く・・・・・・いずれも、米軍制圧下に置かれた自宅から逃げ出そうとした人々です。空軍機がミサイルとクラスター爆弾を街に撃ち込む。米軍はクラスター爆弾を使っていないと言っていますが、爆発音のリズムは誤りようがないと思います。
暗くなった中、米軍制圧下で早産しかけている女性を助け出しに行くよう求められました。灯りも水も医者もいない中で出産しようとしている女性を。夜なので外国人であることがもはやはっきりわからない中、英国式の点滅灯とサイレンとではっきりそれとわかる私が乗った救急車は、米軍海兵隊の狙撃手に撃たれました。女性のところに行きつくことはできませんでした。彼女がそれからどうなったか、私にはわかりません。
家族ですし詰めになった車が何台も街のはずれに列をなしていました。海兵隊は車に向けて発砲していました。ファルージャの街の中にいた米軍兵士たちは住民に明るいうちに立ち退け、さもなくば殺すと脅していました。
私たちがファルージャを離れたとき、私たちをスパイではないかと疑った武装イラク人たちに拘束されました。彼らは、診療所そばの兵士と同様、地元の人で、自分たちの家や家族を守るために闘っていたのです。ファルージャに外国の戦闘員(米軍兵士以外のという意味ですが)が現在いるとすると、それは、これまでの攻撃により、外国の戦闘員を受け入れるスペースが作られてしまったからです。もう一度攻撃するならば、さらに外国の戦闘員が集まってくることでしょう。
匿名の米軍政府関係者は、「とても野蛮で残酷な」戦いになると確約しました。別の政府関係者は、それが「これから数日」のうちに開始される、と(ワシントン・ポスト紙2004年10月16日)。「戦争は地獄だ」といった月並みなことばでは十分ではありません。選択肢はあるのです。共犯者になって、米軍兵士が攻撃を繰り返すことができるようにするかどうかの決断は意識的にされなくてはなりません。皆さんの一人一人が、その役割を受け入れるかどうか、決めなくてはならないのです。
私はたくさんのeメールを米軍と英軍の兵士たちから受け取っています。今起きていることに腹を立てている兵士たちです。彼らそして皆さんは、事態を悪化させるために命の危険を犯して行ったのではありません。
4月、ファルージャが攻撃されたとき、イラク全土で蜂起が起きました。シーア派の地域でも、スンニ派の地域でも。バグダードのシュアラ地区では、何百人ものホームレスが住んでいるスクワッター・キャンプ周辺全域で戦闘が起きました。イラクの組織さえ助けることができず、人々は何も支援供給を受け取れませんでした。
米軍がかつては歓迎にちかいかたちで受け入れられたタウラでさえ、路上で戦闘が起き、ナジャフでもナシリヤでも、ニュースにならなかった何十もの街や村でも戦闘が起きました。ファルージャを再び攻撃することは、決して選挙に向けてイラクをより安全にはしません。
バグダードに行けば、英軍兵士は南部でよりも大きな犠牲を出し、米国の判断ミスと残虐行為が引き起こす蜂起の矛先を向けられるでしょう。皆さんが殺されたとき、手足を失ったとき、劣化ウラン兵器の毒で汚染されたとき、英国政府が皆さんや皆さんの家族を助けはしないでしょう。
皆さんは、行かないで下さい。ファルージャに暮らすイラクの普通の人々に対して確実に犯されることになる残虐行為の共犯者にはならないで下さい。事態を悪化させるだけの出鱈目な攻撃のために、自分の身をさらなる危険にさらさないで下さい。
ジョー・ワイルディング
投稿者:益岡