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10月19日付・読売社説(1)
[大量破壊兵器]「関連物資“禁輸網”へ連携が急務」
北朝鮮など問題国が大量破壊兵器の開発・製造のための物資を手に入れられないように、強力な包囲網を敷く――。
日米中などアジア太平洋の八か国・地域が、関連物資の輸出管理について局長級による政策対話会合を開き、厳格な管理体制整備、運用へ足並みをそろえることで合意した。
合意の柱は〈1〉国際的な核、生物、化学兵器の不拡散条約に従い、制裁措置を伴う輸出管理の法制度、実施体制の導入〈2〉迂回(うかい)輸出の阻止へ緊密な情報交換など協調行動〈3〉政策対話参加国以外の国々への啓蒙(けいもう)活動の強化、などだ。
政策対話は、日本が議長国となって昨年秋に初会合が開かれ、関連物資の厳格な輸出管理が大量破壊兵器の拡散防止のカギとなる、との認識で一致し、協力推進を申し合わせていた。今回の合意で、各国連携した輸出管理体制の整備と実施へ、さらに歩を進めることになる。
大量破壊兵器関連物資の輸出管理強化は世界的な流れだ。アジア太平洋経済協力会議(APEC)が昨秋の首脳会議で効果的な輸出管理の実施で合意したのに続いて、国連安全保障理事会も今春、罰則付きの厳格な関連物資輸出管理の確立を全加盟国に求める決議をしている。
日本にとっては、アジア太平洋地域における輸出管理体制の確立が急務だ。
北朝鮮などの関連物資入手の手口は、第三国経由の迂回輸入など巧妙化しており、一国で厳しい管理体制をとっても阻止することが年々難しくなっている。
経済産業省は、核兵器の開発・製造に使われる恐れの強い直流安定化電源装置などを、タイと中国経由で北朝鮮に輸出していたとして今春、国内の専門商社二社に輸出業務禁止の制裁を実施した。
北朝鮮に対しては、化学兵器に転用可能なシアン化ナトリウムを、韓国企業がタイと中国経由で輸出したことも明らかになっている。九月には、日本製の精密測定機がマレーシアの業者の手でリビアに輸出されていたことも、発覚した。
八か国・地域で、十分な輸出管理体制をもつのは日米豪と香港、シンガポールだ。中国、韓国は法制度は出来たが執行体制は整備中、タイは法制度の準備段階という。体制整備を急いでほしい。
日本は、アジア太平洋諸国の法制度や執行体制の整備を支援するため、数年前から各国担当者を東京に招いてセミナーを開いている。政策対話の機会に開く今回のセミナーには、マレーシアなど十三か国に、新たにパキスタンとドバイが加わることになった。
輸出管理の輪をアジア太平洋地域以外に広げる努力も、さらに重ねたい。
(2004/10/19/01:17 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041018ig90.htm