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http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200410122223232より
【東京12日=齊藤力二朗】イラクの抵抗勢力は既に、全土解放後の具体的な政治体制を構想している。バース党員歴46年で抵抗勢力の考えを代弁すると考えられているイラクの元外交官で著名な政治研究家サラーフ・モフ タール氏が解説する新イラク政治構想と恒久憲法の骨子を11日付のバスラ・ネットが報じた。
その内容は、以下の通り。
解放後のイラクの政治体制がどのような ものになるかを知るには、10月初めに発表されたバース党の極めて重要な声明文の第7節と、抵抗勢力が発表した政治プログラムを精読する必要がある。すると抵抗勢力の中央司令部は、次のような解放後のイラクの姿を描いていることが読み取れる。
1)イラクのムカーワマ(抵抗勢力)は、イラク人民の唯一、正当な代表機関である。よって、イラク人民を代表すると主張するものが、正当性を獲得するにはムカーワマの旗の下に結集しなければならない。そうせずにイラク人民の名で語るものは、己自身だけか、何の重要性もない一握りの個人を代表するに過ぎない。
2)解放直後、あるいは恐らく占領の最終的崩壊の前に、占領軍と交渉せず占領に反対して来たすべの愛国者、民族主義者、イスラム主義者、およびイラク人民各層からなるムカーワマの全集団を代表する連立政府が樹立される。
3)この政府が真っ先に取り掛かる仕事は、治安安定の回復、食糧、水、電気、保健医療、運輸、教育、その他暮らしに欠かせない基本的な行政サービスの充実である。侵略、植民支配された期間に悪人どもによって破壊されたものを復興する大号令が発せられる。
4)住民の基本的サービスが回復した後の最重要任務は、自由な総選挙の再実施である。それには国連やアラブ連盟からの監視団や世界中の報道記者を呼び、国民評議会(議会)の選挙の公正さを確認する。剣か筆で、あるいは武装ムカーワマに対する明確な支持を表明することで、占領に反対したすべてのイラク人、政党、組織 は、国民評議会に立候補する権利を有す。
5)選挙で選ばれた国民評議会は、複数政党制、占領に反対した愛国者集団による政権の交代制を柱とする恒久憲法を制定する。他には、報道の自由、イラクの統一、またいかなる基準によっても差別されない統一イラクの中で、全イラク人は文化的、宗教的、民族的権利を認められる条項も含まれる。本憲法は法の支配、人権と真の民主主義の尊重を確認する。さらに、1970、80年代の20年間にイラクが経験した豊かさを回復するために、資源を模範的な方法で国が開発する条項も含まれる。言い残した大事なことは、大統領の選出規定の制定がある。
6)本憲法は、イラクはアラブ共同体から切り離せない一部であり、パレスチナ問題はこれまでも、これからもパレスチナが解放されるまでアラブの第一義の問題であり続けることを再確認する。
このような基本原則を研究すれば、イラク・ムカーワマの各集団は必ずやこれに同意するだろう。明らかになったことは、1985年以来絶えることなく続いている流血の政治闘争とは無縁の新生イラクの基礎を、今からムカーワマが築いていることだ。
その最重要の特徴は、政権を(これまでのような1党永久独裁でなく)自由選挙を通じて交代し、イラク政治における暴力を根絶するする新しい文化を創り始めることだ。
この重要な点を説明するには、これまでの流血の闘争の2大原因を指摘して置かねばなるまい。一つは、例外なく全ての主要ナショナリズムグループは、政権を独裁するという文化を持っていたこと。個人的に思うに、その結果、信頼関係が喪失あるいは減少し、相互不信が定着した。もう一つは、ひとたび流血の闘争が起きると、さらに流血を呼び、悪循環となったことだ。
イラク・ムカーワマの目に見えない最大の功績の一つに、全構成組織の相互信頼の構築に成功したことと、政権交代の原則を受け入れるようにしたことが挙げられる。イラクを解放するために共同作戦を遂行し相互に支え合い生死を共にしたことで、相互信頼が蘇り、他を撲滅し排除する文化に汚されていない世代が現れるようになったのだ。
このように宗派、民族、主義、思想の異なるもの同士が、戦うようになり連帯感が生まれた。血の栄誉(祖国のために命を犠牲にすること)が語られると、二次的な問題は消え失せ、共に聖戦を遂行する同朋意識が芽生えた。従って、解放後のイラクは、政治的多様性があり、政権が(選挙で)交代するイラクになると確信している。
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