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高精度工作機械、イラクから消失 核兵器製造に転用可能
国際原子力機関(IAEA)が11日、国連安全保障理事会に提出した報告書によると、イラクの核関連施設から、核兵器製造にも使用可能な高精度の工作機械が持ち去られていることがわかった。エルバラダイ事務局長は「核拡散上、深刻な問題となりうる」と警告した。
イラクで戦後、核関連物資の管理のずさんさが指摘されてきたが、核兵器製造に転用可能な物資の紛失が明らかになったのは初めて。
ロイター通信などによると、IAEAが衛星写真で確認したところ、イラク戦争前の査察で、高精度工作機械を保管・封印していた施設の建物が解体されて姿を消していた。別の場所では、軍事用に転用可能なアルミニウムの集積所も姿を消していた。
エルバラダイ事務局長によると、施設の解体や物資の紛失は「広範囲で組織的」に起きているという。安保理メンバー国の外交官は匿名で「盗まれたとすれば、核兵器入手を狙う国やテロリストの手に渡る可能性もある」と懸念を表明した。
米国はイラク戦争後も、IAEAの査察官の復帰を拒否。管理責任は米当局やイラク暫定政権にある。
これまでのIAEAの調査でも、放射性廃棄物が周辺住民の略奪でまき散らされたり、貯蔵施設からなくなったミサイルエンジンを含む軍事用物資が中東や欧州の廃棄物処理場で見つかったりしたことが報告されている。
(10/12 19:23)
http://www.asahi.com/international/update/1012/004.html