現在地 HOME > 掲示板 > 戦争61 > 297.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu80.htm
--------------------------------------------------------------------------------
米軍の負け戦は必至、奈落の底に突き進むイラク
米有力紙WSJのバグダッド特派員の手紙
2004年10月11日 月曜日
◆ホテルにロケット弾、火災 バグダッド、治安一層悪化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041008-00000066-kyodo-int
【バグダッド8日共同】イラクの首都バグダッド中心部で七日夜(日本時間八日未明)、旧シェラトンホテルなどへロケット弾による攻撃があり、同ホテルが被弾、敷地内で火災も発生した。
同ホテルに隣接するパレスチナホテルには今年八月にも、迫撃砲とみられる砲弾一発が撃ち込まれる事件が発生。高さ数メートルの防護壁で囲まれ最も厳重な警戒が敷かれている一角で起きた攻撃は、首都の治安情勢悪化に歯止めがかからない現状を見せつけた。
米軍や外国報道機関の関係者らが多数宿泊する両ホテルは、“米国支配のシンボル”として武装勢力から狙われているという。
パレスチナホテルにはNHKや朝日新聞など外国報道機関が拠点を置き、共同通信バグダッド支局も近くのホテルにあるが、在イラク日本大使館によると、日本人の被害者はいなかった。イラク内務省報道官は、攻撃による死傷者はいないと言明した。
(共同通信) - 10月8日12時10分更新
◆米軍の負け戦は必至、奈落の底に突き進むイラク 10月10日 日刊ベリタ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200410101310540
イラク情勢は、マスコミが伝える「治安の悪化」などという表現とは程遠い、奈落の底に突き進んでいっているようだ。米国の有力紙ウォールストリート・ジャーナルのバグダッド特派員は、缶詰状態のホテルの一室から友人にあてて書いた手紙で、米軍の敗戦を確実視するとともに、米国の間違った侵略によって揺り起こされた混乱とテロの大魔神を元のビンに戻すことはもはや不可能だと悲観的なことばを連ねている。この手紙は、チェーンメールとして世界中のネットをかけめぐっているという。(TUP速報=ベリタ通信)
☆バグダッドから友へ☆
ファルナーツ・ファッシーヒ
バグダッドにて 9月29日
このごろ、外国人特派員としてバグダッドに駐在するということは、ホテルの一室に自宅軟禁されているようなものだ。私がジャーナリストになりたかった理由は、「世界をめぐり、異国の人々と交わり、特ダネを報じて社会に貢献したかった・・・」なんてことなんだが、今はもうそんなことはどうでもいい。
ここの状況は、日に日にひどくなっていくばかりだ。ホテルの外は危なすぎて歩けない。友人の家をたずねて行けないどころか、コンビニで買い物も、レストランで食事もできやしないんだ。取材にも行けないし、人とも話せないし、英語もご法度だし、ダメダメダメ、できないことだらけだ。
バグダッドに来て以来、危機一髪で命びろいをしたことが、もう何度もある。この前などは、車両爆弾がホテルのすぐそばで爆発して、私の部屋の窓がすべて割れたくらいだ。
だから、いまの私の望みといえば、あっと驚く特ダネをゲットすることではなく、ただただじっとしていて、自分とイラク人の助手が生き延びることなんだ。命があってのものだねだ、記事なんて二の次だ。
バグダッド市内だけで、この4日間に110人が殺され、300人が負傷した。イラク厚生省はそのガラス張りの公正さを印象づけるために、今まで暴力による死傷者数を発表してきたが、近ごろはその数がショックを受けるくらいに多いので、公表を止めたくらいだ。武装勢力による米軍への攻撃は、一日に87回にものぼるのだ。
友人がサドル・シティーをドライブしてきたのだが、そこでは、若者たちが我が物顔で、自家製爆弾を道に埋めていたという。彼らはアスファルトを掘り起こし、爆弾を隠したあとに土をかけ、その上に古タイヤなどを置いて、そこに罠が仕掛けられていることを隣人に報せているそうだ。
また、サドル・シティーの大通りには10メートルごとに10個以上の地雷が仕掛けられており、友人はそれら地雷を避けながらヘビのようにくねくねと運転しなくてはならなかったという。
大通りに面した壁の裏側では、怒ったイラク人たちが、米軍車両が近づいてきたら地雷を爆発させてやろうと手ぐすねをひいて待っている。その辺はシーア派住民が住む地域だ。シーア派の人々は、イラクを開放してくれた米軍に感謝しているはずだったのに・・・。
われわれジャーナリストにとって、連続して起こる誘拐事件はもはや人事ではなくなっている。特に誘拐された米技術者が二人とも首を切られて殺されたのには参った。
彼らは高級住宅地に住んでいて、イラク人たちの好感を買うために、自分の家の動力発電機で起こした電気を無料で近所の人々に流していたという。その日も朝6時、米国人の一人が発電機のスイッチをいれようと外に出たところ誘拐犯に連れ去られた。
そして数日後、彼らのばらばら死体は、その家の近所に投げ捨てられていたのだ。
私は米国大使館と米軍と外国人特派員とが誘拐について話しあうミーティングに参加した。そこでは、背筋が寒くなるような「誘拐の3ステップ」という話を聞かされた。
ステップ(1) 犯罪者があなたを誘拐する。
ステップ(2) 犯罪者があなたをファルージャにいる元バース党員に売る。
ステップ(3) 元バース党員はあなたをアル・カイダに売る。
・・・そのかわりに、アル・カイダから大量の武器とお金が元バース党員に渡り、またその一部が犯罪者たちに渡るという。
友人のフランス人ジャーナリスト、ジョージは一ヶ月前に、ナジャフに行く途中で誘拐されたが、いまだにその生死も分からない。
米軍が手際よくこの国から撤退できるとしたら、イラク国防軍や警察がその切り札になるって? そう、米政府は何百億円というお金を彼らの訓練に費やしたものね。
しかし毎週、イラク人警察官が数十人単位で襲われ傷ついていて、すでに700人が殺されてしまっているのだ。さらに、武装勢力側のスパイが、軍や警察の内部に深く浸透している。味方だと思って雇った人間の多くが、実はゲリラ側の兵士だったという問題は非常に深刻だ。米軍は訓練したばかりの三万人のイラク人
警官たちに、六億円を分配して密かに解雇していたくらいだからだ。
こんな戦争、誰の得になっているというのだろう? 戦う価値なんてあったのだろうか? イラクでは、サダムは逮捕されたけど、アル・カイダが暴れまわるようになった。そんな状況で、アメリカがより安全になったなんて言えるのだろうか?
今日、教養のあるイラク人が私にこう言った。
「もしサダム・フセインが次の選挙に出馬することが許されたなら、彼は大多数の票を得るだろうね」・・・これは、本当に悲しいことではなかろうか?
「アメリカはすでに救いようがないほどこの戦争に負けている・・・」と言う人がいる。この奈落の底に落ちていく暴力の連鎖から、何かを救い出そうとするのは、もうとうてい無理のような気がする。
米国による間違った侵略が、混乱と重罪とテロの大魔神を揺り起こしてしまった。そしてその大魔神はもう、元のビンの中へは戻せないのだ。
28歳のイラク人技術者に、「この国で初めての選挙が来年あるけど、君は投票するのかい?」と聞いてみた。そして彼のこの答えが、イラクの現状のすべてを物語っているように思えた。
「選挙に行きたいやつがいるなら行くがいいさ。投票所に仕掛けられた爆弾に吹き飛ばされるか、さもなきゃあ、武装勢力に追いかけられて、米軍支援者だとののしられて殺されるのがおちだ。そんなリスクなんてとれないよ。えっ、何のためにだって?
民主主義のため? 冗談がきついよ」
・・・友へ、ファルナーツより
(抄訳・パンタ笛吹、TUPメンバー)
◆写真は8月バグダッドで、燃える米戦車の上を飛行する米軍ヘリ
(私のコメント)
日本のテレビニュースがイラクの戦況をほとんど報道しない結果、最近のイラクの状況が良く分からない。しかし通信社のニュースを並べてみると、外国人はバクダッドでは外を歩けないほどの状況らしい。いったい米軍の治安維持活動はどうなっているのだろうか。首都のバクダッドですらこのような状況では、地方都市は無政府状態に近いだろう。
13万人もの米軍は何をしているのかというと、砂漠の真ん中の基地で引篭もり状態でじっとしている。海兵隊の一部を除けば米軍のほとんどは戦闘能力を失い、治安活動を行っていないようだ。米軍のパトロールしている車両が近づくと仕掛けられた爆弾が爆発して米兵の犠牲者が増加する。戦闘活動を行っているのは米国空軍でジェット機から爆弾を落として「大本営発表」を行っている。
ベトナム戦争の頃だって首都のサイゴンはこれほど酷い状況にはならなかった。ところがバクダッドではムジャヒディンが外人の拠点となっているホテルにまでロケット弾を打ち込むまでの状況になっている。キッシンジャーが「イラクはベトナムのようなジャングルでは無いからゲリラは大丈夫」といった自信はどこへ行ったのだろう。
アメリカのラムズフェルド国防長官までイラクからの撤退を仄めかすまでになっているが、どこまで本当かわからない。ネオコンたちはイラクに10年でも20年でも留まってイラクを支配するつもりらしいが、そのような事がはたして可能なのか。少なくとも軍事的には不可能で、戦争兵器がいくら進歩したところで、最終的に占領支配するためには歩兵が地域を掃討しないと支配は出来ない。
その点でアメリカが一番上手く占領支配できた国が日本であり、僅か4万人の米軍が駐屯して1億3千万人の日本を支配している。天皇および政治家や官僚などの日本の支配層を完全に丸め込んで、国民をも安保条約の名の下に誤魔化されているのだ。日本人はなぜイラク人のように自爆テロまでしてアメリカ軍に抵抗しなかったのだろうか。
7年間にも及ぶアメリカ軍の日本占領は異常に長期間にわたった。その間に憲法から教育に到るまで完全に日本は作り変えられ、戦前の日本の良いところも完全に失われてしまった。ベトナムやイラクで出来た事がなぜ日本では出来なかったのだろう。それは広島、長崎への原爆を投下できたからであり、その頃は核兵器使用に対するアメリカ政府の罪悪感は存在していなかった。
実際には朝鮮戦争やベトナム戦争にも原爆の使用は検討されたが、現実には使用できなかった。広島、長崎と朝鮮戦争の間に何が起きたのだろうか。もし実際に原爆を使用した場合、戦争が拡大していった場合に全面核戦争が起きたら、アメリカといえども核戦争に無傷であることはありえず、地球上の全人類を20回殺せるほどの威力を持つ事がわかっているからだ。
その意味で日本が二発の原爆をアメリカに落とされた意味は大きい。その精神的ダメージがいまだに癒えずアメリカの軍事占領を許してしまっている。TVタックルでもハマコー先生が三発目の原爆をアメリカは日本に落とすだろうと脅迫している。それほど日本の支配層はアメリカの力に脅えている。国民もなぜアメリカ軍が日本に駐留していることに対して何も不思議に思わなくなっている。
多くの日本人は、なぜイラク人があれほど激しくアメリカ軍に抵抗しているのか理解できないのかもしれない。むしろアメリカと共に民主国家を建設したほうが、はるかに豊かな生活が出来るのにと思っていることだろう。しかしイラク人は、アメリカの言いなりになっている日本を見て、イラクは日本のようにはなりたくないと思っていることだろう。