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イラクで進退窮まった観のある米軍は、イスラエルの軍事力に頼るしか方法が無くなったのか?5日付のヨルダンのアッサビール紙は、イラクとイスラエルの関係正常化実現に躍起となるイラク首相と国防相や、裏で糸を操るアメリカの姿を伝えた。
国連総会でイラク暫定首相アラウィとイスラエル外相が結んだ握手でイラクとイスラエルの関係が近づいてきた。その後、イラク国防相ハーゼム・シャーラーンが「イスラエルとの完全な関係樹立を支持する」との声明を出した。
情報によると、イスラム法学者機構(スンナ派最高権威団体)とムクタダ・サドル派(シーア派)、ジャワード・ハーリシー(シーア派でイラク独立と一体化を唱える旗手)のメンバーが、イラクとイスラエル関係正常化の動きを阻止するために頻繁に協議している。
イスラム法学者機構の代表ハーリス・ダーリー師は、「首都バグダード中心部の堅固なグリーン・ゾーン内には、シオニストの大使館があることを示す情報を掴んでいる」と明かした。「イラク政府は、イスラエルの対外諜報機関、モサドと上層部で協調し続けているし、イスラエルに対して責務を負っている。モサドはイラク侵攻とイラク抵抗勢力叩きの主要当事者である」
ハーリシー事務所は、シャーラーン国防相を「悪辣極まりない考えの持ち主で、イスラエルとの関係緊密化を最も強く支持する一人だ。ナジャフやファッルージャが危機的状況に陥った時に、シオニストたちと完全な関係樹立に柔軟な態度を示し歓迎した」と痛罵した。
複数の政治報告書によるとシャーラーン国防相は、国防省内で開かれた秘密会議で、「対イラク抵抗勢力闘争にイスラエルから軍事、治安援助を要請する」提案をした。同報告書は、「抵抗勢力は、シオニストとの関係と協調志向のためシャーラーンを、アラウィ暫定首相に次ぐ第二の標的と見なしている」と指摘している。
複数のイラク人政治家は、「アラウィはイラクの治安安定に必要とあらば、悪魔とも手を組む。治安状況が悪化した後、イスラエルとの関係樹立は優先課題になっている」と語る。
パレスチナを支援する民族主義的姿勢が原因で、最近バグダード大学のパレスチナ研究センター所長の職を解かれたホダー・ヌエイミー女史は、イラクとイスラエルの接近を、「大中東構想建設のための、地域環境の運備工作の一部」と喝破する。
バグダード大学の国際関係学科所長ナビール・サリーム氏は、「アメリカ人はイラク政府にイスラエルとの関係緊密化を急ぐよう圧力を加えている。イラク人は両国の関係正常化を絶対認めない」と米国を非難した。
イラクとイスラエルの関係緊密化の目的は、米国がイランとシリアに、それぞれ核問題とパレスチナ抵抗勢力支援の問題で、圧力を掛けることにあるとする見方がバグダードで支配的である。一方ある大政党内では、「イラク政府の検討課題になっているイラクとイスラエルの関係緊密化は、イラクと、それぞれシリア、イランとの関係を後退させ、国境治安警備での相互協力の弱体化につながる」とする見方が強い。
更に恐るべきことは、「暫定国民評議会(議会)のフアード・マースーム議長は、『大統領は名誉職で首相が実権を有するという点で、考えられているイラクの政治形態はイスラエルの政治形態と似通っている故、来るイラクの総選挙でイスラエルの援助を求める』とイスラエルの研究機関に書簡を出した」と漏れ聞こえることだ。
イラクの戦略研究者たちは、次のように予測している。「イラクがイスラエルと接近を図れば、アラウィは支持者を失うことで立場を弱め、イラク抵抗勢力の強勢につながる」イラクの民衆は、アラウィとシャーラーンの最近のやり方を見て、イラクにイスラエル人が存在しているとの情報の信憑性を確信するようになり、ますます抵抗勢力への支持を強め始めた。
http://www.assabeel.net/article.asp?version=561&newsid=8173§ion=80
アラブの声ML 齊藤力二朗
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/