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「不実な」選挙人が勝手に投票?
米大統領選まで5日 ブッシュ―エドワーズ当選の可能性?
2004.10.30
Web posted at: 17:13 JST
- CNN/REUTERS
ワシントン――11月2日の米大統領選が目前に迫るなか、ロイター通信は共和党現職のブッシュ―チェイニー両氏と、民主党候補のケリー―エドワーズ両氏が現在のようにほぼ互角のままどちらも必要な票数を得られなかった場合、かなりとんでもない状態がホワイトハウスに生じる可能性を指摘した。
とんでもない状態とは、民主・共和両陣営ともに万が一、全米の選挙人538人のうち必要な過半数270人を獲得できなかった場合のことだ。その場合、大統領は下院が、副大統領は上院が選出する決まり。
現在の下院は229対205の共和党多数。大統領選と合わせて行われる下院選でもこの状態が変わらなければ、下院がブッシュ氏を選ぶのは自明だ。しかしもし同時に行われる上院の改選で民主党が多数党に返り咲けば、副大統領には民主党候補のエドワーズ氏が選ばれることになりかねない(現在の上院は51対48で共和党多数。うち民主党は19議席、共和党は15議席が改選対象)。
ロイター通信によると、オハイオ州ヤングスタウン州立大の数学者ネイサン・リッチーさんが、世論調査結果などをもとにこの可能性を試算。両陣営の獲得選挙人数が269対269の同数で並んでしまう確率は3.25%だと、リッチーさんは計算している。8月末の試算では確率は1.4%だったので、投票日が近づくに連れ、同数タイの可能性は高まっているという。
また大統領選は間接選挙のため、11月2日の開票結果で選挙人を何人獲得しても、その当の選挙人が12月13日の選挙人集会で、実際にどの候補に投票するかの確証はない。獲得した選挙人数に大差がついていれば、数人の選挙人が自由に投票したとしても結果に影響はないし、歴史上、「不実な」選挙人による「反乱」が選挙結果を動かした事例はない。しかし、獲得人数が僅差だった場合は、数人の動向が結果を大きく左右する可能性は、ゼロではない。
ロイター通信によると、現にウエストバージニア州代表の選挙人を務めるサウスチャールストンのリッチー・ロッブ市長(共和党)は、どちらの候補が同州で最多得票しても(そして同州の選挙人5人を全部獲得しても)、自分はブッシュ氏に投票しないかもしれないと話している。
ロッブ氏は「さあ、どうしよう。まだ決めてないんだ」と言う。ロッブ氏は、ブッシュ氏の父親のブッシュ元大統領は尊敬しているが、ブッシュ氏のイラクや税金への態度に反対している。さらにベトナム帰還兵のひとりとして、ケリー氏のベトナムでの戦歴が批判されたことに、強く憤っているという。
自分が「不実な選挙人」になるかもしれないと公言しているのは、全米538人中ロッブ氏だけだ。
過去の大統領選で、両候補が獲得した選挙人数が同数で並んでしまった例は、米国独立から24年後の1800年にあったトマス・ジェファーソン対アーロン・バーの選挙が最後。両者とも選挙人73人を獲得して並んでしまったため、当時の憲法上の決まりに従い、下院はジェファーソンを第3代大統領に、バーを副大統領に選出した。
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http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200410300012.html