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イラク邦人人質:
「ビザなし、100ドル」の旅行計画?
【アンマン山科武司】イラク日本人人質事件で、誘拐された香田証生さん(24)がイラクのビザを取得しないままイラク入りした可能性が強いことが28日、分かった。香田さんはイラク入り直前、アンマンのホテルで100ドル紙幣1枚を示し、「これでバグダッド行きは十分か」とホテル従業員に尋ねていた。従業員は「100ドルでイラク旅行する計画だと思った」と話しており、香田さんが「気軽」にイラクに向かった状況が改めて浮かび上がった。
在アンマン日本大使館によると、香田さんがヨルダン入りした後、イラク大使館を訪問した痕跡はないという。ヨルダン入りする前、香田さんはイスラエルに滞在しており、同国でビザを取得した可能性はない。同館は「恐らくビザを得ずにイラク入りしたのではないか」としている。
今年8月にイラクではビザ制度が復活し、入国者はビザの取得が義務付けられた。しかし、特にヨルダンやシリア、サウジアラビアなどから陸路で国境を越える場合は依然、審査が比較的ルーズで、ビザなしで入国できる可能性はあるという。
また、イラクに向かう当日の今月20日、香田さんは宿泊先のアンマン・クリフホテルでマネジャーのサーメル・アルハミリさん(31)に100ドル札を示し、「これでバグダッドに行くのに十分か」と尋ねたと言う。
香田さんは24日にアンマンに戻ろうとして所持金が足りず、長距離バスへの乗車を断られたとの未確認情報もあり、香田さんが最小限の所持金で旅行をしていた可能性もある。
毎日新聞 2004年10月29日 10時26分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20041029k0000e040035000c.html