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社説:日本人人質事件 政府は無事救出に全力を
またイラクで日本人の人質事件が発生した。
イラクの国内でテロ攻撃や外国人人質事件を指揮するザルカウィ氏率いる「イラクの聖戦アルカイダ組織」が福岡県出身の香田証生(こうだしょうせい)さんを誘拐し、サマワに駐留する陸上自衛隊を48時間以内に撤退させないと、香田さんを殺害するとの声明を出した。
卑劣極まりない犯行だ。国際テロ組織の度重なる犯罪行為には、強い憤りを覚える。
小泉純一郎首相は、ただちに自衛隊の撤退要求を拒否する考えを表明した。テロ組織の要求をのむわけにはいかない。首相の判断は当然である。
香田さんは「旅行のため」イラク入りしたようだ。イラクでは各地で米軍などと武装勢力が激しい戦闘を展開している。治安は極度に悪化している。米国をはじめ、英国、イタリア、トルコ、パキスタンなどの外国の民間人100人以上が人質となり、このうち30人が殺害されたという。
日本人では、昨年11月に奥克彦さんら外交官2人が殺害され、今年5月には橋田信介さんらフリージャーナリスト2人が武装勢力に襲われ命を落とした。4月にはボランティアの高遠菜穂子さんら3人とフリージャーナリストの安田純平さんら2人が相次いで人質になった。
もちろん外務省は邦人の身の安全に神経をとがらせている。外務省はイラクからの退避勧告と渡航延期を継続して呼びかけている。イラクが危険なことは、みんながよく知っているはずだ。
香田さんは数カ月前に日本を離れたというから、イラクの状況を十分認識していなかったのかもしれないが、ヨルダンでイラクは危険だから行かない方がいい、と忠告を受けていたという。
にもかかわらず、イラク入りしたとしたら、軽率のそしりを免れない。無謀な行動であると批判されても仕方がない。
それでも、政府は香田さんを無事救出するように全力を挙げねばならない。小泉首相もそう指示した。政府には国民の生命を守る責任があるのだ。
高遠さんらが人質になった際、自衛隊派遣をめぐる賛否の議論を背景に、派遣に否定的だった高遠さんらに対して「自己責任だ」として批判する声も出た。が、政府は現地の有力者を介して犯人側に働きかけ、高遠さんら3人を無事に救出した。
今回の犯行グループは、高遠さんらを拘束したグループより強硬派で、すでに外国人を殺害した可能性があるとみられる。香田さんがどう扱われるかが心配だ。政府はイラク暫定政府や米国などと緊密に連携をとり、香田さんの救出に全力を尽くしてほしい。
今回の事件を、香田さん個人にふりかかった問題と片づけてはいけない。国際テロ組織アルカイダは日本を「米国の手先」であるとして攻撃目標にしていることを忘れてはならない。
テロに対しては、国内でも常に強い警戒心を持ち続けたい。
毎日新聞 2004年10月28日 0時09分
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/shasetsu/news/20041028k0000m070147000c.html