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10月25日 ◎ パウエル長官の訪日報道の裏を読む ◎ サマワ陸自への砲撃から目をそらすな ◎ 東京国際映画祭の開会式に出席していた小泉首相
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□★□ 天木直人10月25日 メディア裏読み □
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◎ パウエル長官の訪日報道の裏を読む
◎ サマワ陸自への砲撃から目をそらすな
◎ 東京国際映画祭の開会式に出席していた小泉首相
◇◆ パウエル長官の訪日報道の裏を読む ◆◇
パウエル米国務長官が訪日して日本側と何が話し合われたのか。外務省のブリーフィングやパウエル国務長官の記者会見をそのまま記事にする25日の各紙は、どの新聞も同じような内容の報道をしている。その共通項は二つである。極東条項の見直しを行う必要はないということと閣僚級の戦略対話を行うということである。
しかしこれだけを読んでも実は何も分からないのである。どう裏読みすれば正解か。米軍再編(トランスフォーメーション)に日本が全面的に協力する事はどう考えても安保条約、極東条項の改定、見直しが必要である。しかしそれを議論し出すと面倒な事になる。これ以上米軍再編の作業を遅らせるわけには行かない。だから「米軍再編に対する日本の協力」は安保条約や極東条項を修正しなくても出来るということで押し切ろうと日米が結託したのである。
それはあたかも1951年に安保条約を締結した時、本来はその時に憲法9条を改正すべきであったにもかかわらず、日本国民の反発やソ連、中国の反対という面倒な事態をおそれたマッカーサーが、憲法論議を迂回して日本の安保政策を根本的に変えてしまったことと同じ手法だ。この悪知恵は、今度は日本の外務省から提起されたフシがある。国内の反発をおそれる外務省は、米国の要求を呑むにはこれしかないと判断したのだ。そして米側にこれで言葉尻をあわせてくれと頼んだのだ。米国にとってはどうでもいいことである。とにかく早く要求を受け入れて米軍再編に協力してくれればいいだけのことだ。
日本国内の憲法論議の馬鹿馬鹿しさには辟易しているが、日本国内の政治的問題は知っている。だから日本政府が考えついたいかさまでも協力してやろう、日本政府を助けて、これからも米国の要求を呑み続けてもらおうということに過ぎないだ。
もう一つは共通戦略という理念をつくる協議から始めようということである。すなわち米軍基地の日本国内受け入れや普天間基地の沖縄県外移転といった具体的な話を先に進めると、利害関係が目だって地元の反発を招く、そして話が動かなくなる。そこで「情勢認識、戦略目標、日米間の役割と任務などといった基本的な問題」について議論を進め、それら日米同盟の理念について合意した後に個々の具体案について議論を進めていくという戦略で日本国民を煙に巻こうということである。これは、先日訪問したアーミテージ国務副長官がすでに「基地の移転の話から始めたのは(すかさず地元住民の反発を招いた為)失敗であった」と白状したことからも明らかである。米国側から出てきたアイディアであるかもしれない。
いずれにしても外務省のやっていることは米国に頼み込んで、あるいは米国と結託して、いかに国民をごまかして日米同盟関係を「世界の平和と安定」のために強化して行こうとしているのである。その結果日本はいっそう米国従属に追いやられ、米国の「テロとの戦い」の巻き添えになって日本国民は犠牲を強いられることになるのである。
◇◆ サマワ陸自への砲撃から目をそらすな ◆◇
新潟地震がなければ間違いなく「サマワの自衛隊宿営地への砲撃」事件は大きく報道されていたであろう。25日の新聞は地震の記事一色で、サマワ事件の報道が驚くほど少ない。
12月14日の任期切れを前にして早々と小泉首相は自衛隊派遣の任期延長の意向を内外に繰り返し明らかにしている。そんな最中にこの事件が起こったのである。細田官房長官は25日の記者会見で「自衛隊への威嚇であったと思われる」旨述べている。これは戦闘状態に入ったことではないのか。今のイラク特措法では非戦闘地域しか自衛隊は派遣できないのではなかったか。だから政府は緊急閣議を開いて自衛隊の撤退を決定しなければいけないのではないか。少なくともクウェートや湾岸諸国に一時退避させるべきではないのか。
関連記事を掲載している25日の大手紙は朝日新聞だけである。それによれば既に陸自宿営地付近はこれまで計6回砲撃されている。そのうち5回は迫撃砲で、1回が8月のロケット砲であるという。今回が7回目で二度目のロケット砲である。攻撃を受けた地点は宿営地に徐々に近づいてきていた。そしてついに今回隊員が寝泊りするコンテナが並ぶ一角のすぐ近くに着弾した。武装勢力側が宿営地内部の配置を知った可能性があるとの見方もあり、防衛庁は警戒を強めているという。使われた107ミリのロケット弾は最大射程8―10キロでイラク軍にも配備されていたという。フセイン政権崩壊後、武装勢力に流出したらしい。ロケット弾は宿営地の北方から発車されたが防衛庁によると対米強硬派のムクタダ・サドル師の支持者の多く居住する所だと言う。
砲弾による攻撃は防ぐ手立てがないらしい。今後のイラク派遣に備えている陸自隊員には不安や戸惑いが広がっている。「訓練をしてもどうこうなるものではない」(名古屋陸自第10師団)、「着弾については何の指示も受けていない」(山形県東根市第6師団)。
ムサンナ州警察のカリーム・ミナヘル本部長は時事通信のインタビューに「宿営地の警戒や事件捜査には今の警察力では限界がある」と言明したという(24日時事)。陸自と交流のある有力部族長は「ハッサン知事の訪日が報道され(小泉首相や町村外相へのインフラ整備への支援要請をしたことに)反発したのではないか」とも指摘しているという。
政府、防衛庁はこの際国民に対し情報をすべて公開して自衛隊派遣継続の大義を国会で説明すべきである。さもなければ自衛隊員をいたずらに危険にさらすだけだ。あまりにも無責任だ。
◇◆ 東京国際映画祭の開会式に出席していた小泉首相 ◆◇
10月26日付の日刊ゲンダイは新潟県中越地震が起きたときの小泉首相の行動について検証している。これが実に面白い。
「・・・地震が発生した23日午後5時56分、小泉首相は東京の六本木ヒルズにいた。東京国際映画祭の開会式に出席し、山田洋次監督の『隠し剣 鬼の爪』を見るためだ。地震の余波(震度4)で照明灯が揺らいでいるのにも気付かず、6時に壇上に上がってこんな軽口をたたいている。“首相になって映画に行くと『なんでこんな忙しい時に映画を見るんだ』と批判される。なかなか行けないのが残念だ”
挨拶を終え秘書官から地震発生のメモを手渡されると首相専用車に戻った。ところが官邸には向かわず、車の中でテレビを見たり、首相官邸に電話。現地では2度目の強い揺れがあったのに「(山田監督の)挨拶を聞かないと悪いから行こう」と、再び映画館に戻っている。
被害状況や負傷者の報告が刻々と入り、6時40分に3回目の地震と新幹線脱線の報が飛び込むが、「戻ろうかなあ」と、言いながら山田監督の挨拶が終わった7時8分にようやく腰を上げた。上映が始まる映画館を未練たらしく後にしたのは、地震発生から1時間あまりたってからである。ところが小泉首相は陣頭指揮を執る官邸ではなく自宅の公邸に帰ってしまったのである。結局この夜、非常災害対策本部は設置されず・・・担当大臣に任せっぱなしだった。国民の命よりも趣味の映画・・・」
こんなことをやっていたのかと改めて驚くのであるが、その後のゲンダイの記事を読むと苦笑してしまった。
「風水学、人相学に詳しい黒川兼好さん(どんな人か私はさっぱり知りませんが)が言う。『今年は風水学で言う五黄土星の年にあたり過去に阪神大震災や関東大震災、太平洋戦争、第一次世界大戦が起きています。この危険な年に小泉首相が総理大臣であることは国民にとって不幸です。イラク戦争に加担してからの小泉首相は、明らかに貧相な人相になり、運気が下がっています。悪い年に貧相な首相が政権を担当していることが厄年に拍車をかけているのです』」
小泉さんは貧乏神、疫病神だったのか。それで合点がいく。
http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm