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中東欧諸国:首相交代相次ぐ 支持率低下の与党が人心一新
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20041026k0000m030131000c.html
【ウィーン会川晴之】ハンガリー、チェコ、ポーランドなど欧州連合(EU)加盟を果たしたばかりの中東欧諸国で首相交代が相次いでいる。支持率低下に悩む与党が、05〜06年に予定される総選挙をにらみ、政権の枠組みを変えずに首相交代で人心一新を図るのが狙いだ。だが、今月初旬のスロベニアの総選挙では与党が敗北、初めて政権交代の形で首相が交代する予定で、ドミノ倒しはまだまだ続く勢いだ。EU加盟を果たした立役者たちの相次ぐ退場の背景を探ると、共通項が浮かんでくる。
中東欧ではポーランドで5月にミレル首相が汚職続発などによる支持率急落の責任をとって退陣、経済通のベルカ首相が就任した。6月の欧州議会選挙敗北の責任論が浮上したチェコでは8月に欧州最年少のグロス新首相(34)が誕生、同じく欧州議会選で惨敗したハンガリーでも実業家出身のジュルチャーニ首相(43)が9月下旬に就任した。
ハンガリーのジュルチャーニ首相は毎日新聞との会見で「企業でもそうだが、新たな挑戦に臨む時には指導者を代えた方がうまくいく。EU新規加盟国には挑戦すべき課題があり、しかも早急に解決して適合しなくてはならない。それには新しい指導者が必要だ」と、企業経営になぞらえながら首相交代が相次ぐ理由を説明した。
ウィーン大学のハインリッヒ教授(政治学)は「背景にある構図は各国とも共通している」と指摘する。中東欧各国はEU加盟に続く目標として「欧州の一流国の条件」である欧州単一通貨・ユーロの早期導入を掲げている。ユーロ導入には財政赤字の削減や物価上昇率の抑制、政策金利の切り下げなど複合的な政策が必要となるが、財政再建は一番の課題となる。そのためには、年金医療保険制度見直しによる社会保障費削減や公共投資の削減など国民に痛みを求める政策を採用する必要がある。不人気な政策は政府や与党支持率の低下につながり、欧州議会選での敗北を受けて「首相交代に踏み切らざるを得なかった」と同教授は分析する。
6月13日投開票の欧州議会選挙では国民の不満が噴出。チェコ(定数24)では、最大与党の社会民主党が2議席と惨敗、連立を組む3党全体で4議席にとどまった。ポーランド(54議席)でも与党・民主左翼連合(SLD)が5議席しか取れず、第5党に落ち込んだ。ハンガリーでも野党が躍進している。
ただ各国とも野党が積極的に政権奪取を目指していないため、いずれも政権トップのすげ替えにとどまり、総選挙を実施したスロベニア以外では政権の枠組み変更には至っていない。
これは、大衆迎合路線を掲げるポーランドの自衛などの政党や、チェコ共産党などを除けば、各野党も与党と同様にユーロの早期導入を掲げており、仮に政権を取った場合でも、大枠では与党と同様の政策を採用せざるを得ないためだ。各国とも2年以内に総選挙が迫っており、不人気策は現与党に任せ続け、選挙後の政権獲得を確実にしたいとの思惑が働いているためだ。
毎日新聞 2004年10月25日 22時08分