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(回答先: NHK番組改変問題、東大教授ら14人が究明求める声明 投稿者 外野 日時 2005 年 1 月 24 日 22:20:35)
NHK番組への政治介入についての声明
東京大学教員有志
2001年にNHK教育テレビで放送されたETV 2001 シリーズ「戦争をどう裁くか」第2回「問われる戦時性暴力」(2001年1月30日放映)に関して、政治家の介入によって番組が改変されたという報道が本年1月12日付「朝日新聞」朝刊に掲載され、翌13日には当該番組の担当プロデューサーが内部告発の記者会見を行った。その後の各種メディア報道および当事者たちの弁明からも、政治的な圧力を背景に、番組の内容を放送前に知った政治家と事前説明に赴いたNHK幹部のあいだで番組内容に関わるやりとりが交わされ大幅な改変に至ったという、ジャーナリズムの独立の根幹をゆるがす事件の存在を否定し得ない。
私たちは放送に対する政治権力の介入が言論・報道の自由、表現の自由を著しく侵害し、この国の民主主義を危機に陥れるものであることを、深く憂慮する。また、今回対象となった番組が学問的視点から構想された教育テレビの教養番組であり、東京大学の教員を含む世界の研究者の参加をもって企画されたシリーズであったことを考えるとき、この出来事が、学問の自由、思想信条の自由を侵害する「検閲」に相当することを強く危惧する。
私たちは、国会に対して、憲法および放送法に抵触する、公共放送に対する政治家の介入の有無について徹底的な究明を求める。
私たちはNHKに対して、事件当事者である幹部たちの弁明を公共メディアを使って流すのではなく、当事者からは独立した公正で中立な第三者機関を設置し、番組改変の正確な経緯およびその背景について事実関係の厳密な調査をおこない、国民に対して透明で、疑惑の入り込む余地のない説明の責任を果たすことを求める。
私たちは、真実を語る人びとに対する抑圧や圧力がいかなる意味でもあってはならないことを強調する。とくに今回内部告発に踏み切ったNHK担当プロデューサー長井暁氏を始め、当該番組の制作に携わったジャーナリストたち・放送人たちにいかなる不利益も生じることがないよう市民社会が注意深く見守るように訴える。
私たちはまた、本事件を報道するマスメディア機関においても、政治家の「弁明」発言のみを一方的に報道することなく、それらの発言に関する厳密な事実検証をおこない、当該番組の改変過程において事実上の「検閲」被害を受け、さらにいま政治家発言により一方的な決めつけと事実歪曲を受けている、「女性国際戦犯法廷」などの組織団体および個人の応答可能性を報道において保障することを求める。
今回の出来事は、民主主義社会の根本的価値に触れる重大な問題をはらんでおり、あらゆる論点の逸脱や矮小化を排して、私たちの国の公共メディアと政治との関係について、世論は重大な関心をもって監視するよう訴える。
2005年1月24日
呼びかけ人
石田英敬(情報学環教授) 伊藤正直(経済学研究科教授)
上野千鶴子(人文社会系研究科教授) 大沢真理(社会科学研究所教授)
瀬地山角(総合文化研究科助教授) 醍醐 聰(経済学研究科教授)
野村剛史(総合文化研究科教授) 原田純孝(社会科学研究所教授)
廣井 脩(情報学環教授) 廣渡清吾(社会科学研究所教授)
船曳建夫(総合文化研究科教授) 水越 伸(情報学環助教授)
横山伊徳(史料編纂所教授) 吉見俊哉(情報学環教授)
http://www.nulptyx.com/nhk_seimei.html