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NHK特番問題:
朝日報道にNHK反撃 録音の有無もカギ
NHKの特集番組をめぐる問題は、最初に報じた朝日新聞とNHKが互いに提訴をちらつかせながら「謝罪と訂正」を要求し合う異例の展開となっている。朝日がテレビニュースを意識して記者会見を開いて「正確な報道だ」と訴えたのに対し、NHKは朝日の取材手法を問題視する主張を打ち出している。NHKの元放送総局長が朝日記者の取材を受けたと名乗り出て「取材内容がわい曲された」と証言し、取材の際に録音テープがあったかどうかにも関心が集まっている。
◇「取材源」が記者会見
NHKと朝日新聞の応酬が続く中の19日、NHKの当時の放送総局長だった松尾武NHK出版社長が記者会見に登場した。松尾氏は「朝日新聞に書かれているNHK幹部というのは私」と、9日に取材を受けたことを明らかにしたうえで「発言をねじ曲げて記事を作っている」と訴えた。さらに「朝日の記者は最初から終わりまで何度もしつこく『政治的圧力を感じたでしょう』と決めつけるような質問を繰り返し、『政治的圧力は感じていません』と答えたが、記事は逆の内容になっている」と非難した。
取材源が名乗り出るのは極めて珍しいケースだが、朝日新聞は20日朝刊で「元総局長会見、発言翻す」の見出しで松尾氏を逆に批判する記事を掲載し、泥仕合の様相が濃くなった。
朝日によると、松尾氏に取材した記者は2人。このうち1人は00年12月の「女性国際戦犯法廷」を取材し、朝日新聞の01年3月2日朝刊では「検証 NHK、直前に大改変」というタイトルで、今回の特集番組の内容が変わったことをいち早く報道していた。この時はNHKに右翼の抗議があったことなどを指摘したが、政治家の存在には触れていない。
◇「取材倫理」で激しい応酬
NHKは21日、朝日新聞に公開質問状を送付した。その中で、松尾氏が会見前日の18日、朝日の記者に電話すると、記者は「NHKにはもう話してしまいましたか」「腹を割って調整しませんか」「擦り合わせができるでしょうから」などと取引を提案するかのような事実があったと指摘した。さらに取材の際、松尾氏から注意を受けて以降、記者はメモを取らず、取材でのやり取りを録音する許可も得ていなかったと強調した。
朝日では昨年8月、記者が取材中のやり取りを取材相手との約束に反して録音し、別の取材先に渡していたとして、記者を退社処分にした。8月7日朝刊は「改めて記者倫理を徹底します」と題する記事を掲載し、「取材内容の録音は相手の了解を得るのが原則であり、取材相手との信頼関係を損なうことがあってはならないと指導しています」との見解を示していた。
NHKの公開質問状はこの点を突き、「仮に録音テープがあるのであれば、見解に照らした場合、取材倫理に反する行為にあたると考えるが、どうか」と問いただした。
朝日は事前の取引疑惑や録音テープの有無について明言を避けているが、「取材過程を明かすように迫るなど、同じジャーナリズムに携わるものとして信じられない思いだ」と反発している。
◇ニュースと紙面で論戦
朝日新聞が東京・築地の本社で記者会見したのは21日。この問題の一報を報じた12日以来、会見は初めてだった。会見を設定した理由について本沢義雄取締役広報担当らは「報道機関として記事の上で事実を立証し、取材で得た事柄を報道するという立場で臨んできたが、我々が原則的な立場だけで対応できる限界を超えた」と説明した。
実際、朝日の最初の報道以降、NHK側の反撃は徹底している。連日のようにNHK側の記者会見の様子や見解を「ニュース7」や「ニュース10」で報じ、朝日の報道を否定する安倍晋三、中川昭一両氏の会見映像も繰り返し取り込んだ。
朝日は18日朝刊でほぼ1ページを使い「NHK番組改変 本社の取材・報道」と題する検証記事を掲載した。朝日新聞の取材に応じた「NHK幹部」が「自民党に呼ばれた」と認識し、「圧力と感じた」と証言したと明らかにした。21日の記者会見の様子などは22日朝刊の1面で報じたうえ、社会面の1ページのほぼ3分の2を使って特集した。会見の日、NHKは朝日に公開質問状を送ったが、その事実はこの特集の中では19行のベタ記事扱いだった。
毎日新聞 2005年1月24日 23時52分
http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/tv/news/20050125k0000m040140000c.html