現在地 HOME > 掲示板 > 政治・選挙7 > 873.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: Re: 「日刊ベリタの報道」は何を意味するのだろうか? 投稿者 鷹眼乃見物 日時 2005 年 1 月 24 日 06:26:44)
続々続NHKとBBC
BBCラジオ(2003年5月29日)に「トウデイ」という早朝番組がある。ことのおこりはアンドリュ・ギリガン記者がこのラジオ番組に電話で出演して「ブレア政権はいわゆる“45分情報”が間違いだと知りながら、それを2002年9月の政府報告書に盛り込んだ」とスクープした。「45分情報」とは「イラクは45分以内に大量破壊兵器(生物、化学兵器)を実戦配備出来る」という内容で、イラク参戦に反対の強かった英国議会と世論を参戦へとリードする重要な情報であった。
このスクープで窮地に立ったブレア政権は「イラクの脅威をでっち上げて戦争を強行した」とのBBC報道の情報源は英国防省顧問のケリー博士だと明らかにした。そのあと博士は自殺した。この自殺をめぐって独立調査委員会がもうけられた。2004年1月28日、同委員会が提出した最終報告書が通称「ハットン報告書」である。
同報告書 の要旨は「(1)アンドリュ・ギリガンBBC記者の「政府に対する極めて重大な批判」は根拠が無い。 (2)BBCニュースの編集体制には欠陥がある。(3)BBCの経営委員会は適切な調査を行わなかった。(4)政府にはケリー博士名前を明らかにする裏工作めいたことは無かった 。(5)ケリー博士の死は自殺と断定した上、BBC報道に非がある」と結論をくだした。そのため、首相の責任は否定され、ブレアは窮地を脱した。同月29日、BBCはデービス経営委員長が辞任、ダイク会長は罷免された。30日、ギリガン記者はBBCを辞職した。BBCは大きなダメージを受け、メディア史に残る大事件となった。ブレア首相の窮地を救ったのが他ならぬこの「ハットン報告書」であたった。しかし、英国民はこの報告書を疑問視して、世論の70%はBBCを支持した。
同じ頃(同月28日)アメリカでは米大量破壊兵器調査団前団長のデビッド・ケイ氏が上院軍事委員会公聴会で証言して、「開戦時に、イラクが大量破壊兵器を保有していた証拠はなかった」と断言した。「米国や英国の情報機関の分析は誤っていた」と明言、イラク戦争をめぐる正統性への疑問は、確定的になり、米英両政府の報告がずさんなものだったことが明らかになった。
ギリガン記者の報道は結果的に正しかったのだ。今、英国民はBBCに深い信頼を寄せている。
NHKのように政府が番組に介入しようとした場合、BBCはどうするか、 BBC労組役員は次のように語った。「私たちは、政府が財政を支出しているからといって政府の意向にそって報道することはありません。それは報道ではなくて宣伝になる。だからNHKがやったように政府あるいは与党と協議して番組内容を変更するようなことはありません。出来上がった番組内容に政府が干渉することはありません。そうなれば労組は徹底的にたたかうでしょう。チーフプロデューサーが記者会見を開いて不正を訴えるようなことがあれば、労組はストライキを行って抗議するでしょう。少なくとも国民に対して何が起きているか明らかにしようとするでしょう。国民も支持を寄せると思います。ハットン報告のときは大きな支持を得ました。国民は、BBCが清潔で政府の宣伝機関ではないと信じています」
現在、NHKの視聴料不払いは11万人をこえる。これは職員の不正行為に反発しただけではなく、NHKが報道を忘れ、政府や与党の宣伝機関のような体質になって、信用できないからではないだろうか。
いかにNHKが公平を装うとも視聴者100万の目はごまかせないのだ。政府や与党の宣伝のためにNHK料金を払うのは、誰だって「ちょっと待てよ」と考える。
海老沢会長の辞任がリークされた。独裁者は記者に「一寸先は闇」と政界用語で答えていた。後任は橋本専務理事とささやかれている。闇の中で、人事はだれがきめているのか、そのうち底が見えてくるだろう。
さて、本題にはいろう。
NHK(年間1万6000円),BBC(年間約2万3000円)の財源はともに国民の視聴料によって成り立っている公共放送である。写真はBBC労組(NUJ)の会長と議長がテッサ・ジョウエル文化メディアスポーツ大臣宛の嘆願書を投函しているところ。
BBCは10年ごとに政府と契約を更新することになっていて現在政府と交渉がはじまっている。この契約更新で視聴料が決まり、BBCの予算が決まるのでBBCと政府の間でプレッシャーが生まれる。
後に説明するが「ハットン報告」のために両者のあつれきは激しくなっている。そこで、BBC労組は契約更新の嘆願署名を視聴者から集めて文化大臣に送っているのである。組合ニュースのタイトルは「Thousands support the beeb」ーー the beeb=bbc----と国民多数がBBCを支持していることをアッピールしている。しんぶん赤旗の取材にBBC労組の在職専従役員はこう答えた。「BBCは国民が財源を提供しているわけで国民のものです。政府のものではありません。私たちジャーナリストは、国民がどこからも独立しバランスのとれた情報を得るためのかがり火のようなものです。私は独立を守るため一生懸命働かねばならないと思っている。それがなければ独裁になるからです。何でも批判し、疑問を投げかける自由を守るためにたたかわねばならないのです。国民が公平で包括的な情報を受け取れるようにするのがジャーナリズムの仕事です」
発見の同好会
http://daisukepro.exblog.jp/