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1月19日(水)
エビジョンイルとアベジョンイルの結託による放送内容の改ざん
昨日、ジャーナリストなどメディア関係者が集まって集会を開き、NHKの番組への政治介入を糾弾したそうです。あわせて、第3者機関を設置して真相解明にあたるべきことを要求しました。
私も、第3者機関の設置と真相解明は必要だと思います。しかし、今回のNHKの問題の核心ははっきりしています。
エビジョンイルことNHKの海老沢会長と、アベジョンイルこと安倍晋三元官房副長官が結託して、放送予定だった番組の内容を改ざんしたというのが、今回の問題の本質です。呼びつけたとか、呼びつけなかったとかというのは、本質的な問題ではありません。
NHKの上層部は、初めからこの番組の内容に懸念を持っていたものと思われます。放送直前に右翼団体が抗議行動を強めたため、この懸念は増大しました。
同時に、番組に批判的な政治家達(例えば議連「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」のメンバーなど)にそれとなく内容を伝えて反応を探ったところ、芳しくない反応が返ってきたのでしょう。この時、議連のメンバーなどは番組の内容を知り、自民党内で話題になったものと思われます。
番組作りは着々と進み、反対論を考慮した多少の手直しも行われます。それでも心配だったエビジョンイルは、強く反対する可能性のある議連の主だったメンバーを回って説得するよう指示を出したにちがいありません。
こうして、国会対策を担当する野島直樹局長が中心になって根回しをし、放送の最高責任者である松尾武放送総局長を伴って説明に回りました。その相手は、当時議連の会長だった中川さん、事務局長だった安倍さん、その後会長になる古矢さん、会長代理の平沢さん、事務局長を引き継ぐことになる下村さんなど、いずれも議連の幹部達です。
しかし、議員達の反応は厳しいものでした。特に、当時議連の事務局長で官房副長官の安倍さんの「公正公平に」という注文は衝撃的でした。すでに手を入れて「公正公平に」なったと思っていたのに、「それでは駄目だ」といわれたに等しかったからです。
すでに一定の手を入れ、この線で何とか放送したいと思っていたNHKの幹部たちは慌てました。「どうも、このままでは駄目みたいだ。放送した後から文句を付けられてはたまらない」と考えたのでしょう。
放送前日の夕方、局に帰ったNHK幹部たちは異例の試写を繰り返しながら鳩首協議し、善後策を相談します。その結果、問題になりそうな箇所を削ったり差し替えたりして、44分の番組を43分にしてしまいました。
恐らく、「それで大丈夫なのか」と、さらにエビジョンイルから念を押されたのでしょう。心配になった幹部達は放送の自由よりも保身を優先し、さらに番組をずたずたに切り刻んでしまいました。それが放送の直前であったために差し替えや編集もならず、結局、43分の番組は40分のまま放送されます。
この放送を見た松井やよりさんなど制作協力者達は驚愕し、外部からの何らかの干渉や介入があったのではないかと疑います。だからこそ、その真相を明らかにするために、番組作成に協力したこれらの人々は裁判で真相を明らかにするという手段に訴えました。
NHK内部でこのような工作や番組の変更にかかわった人々がその真相を知っていたのは当然です。そのような一人であった長井さんは、4年の間、良心の呵責に苦しみ、人知れず呻吟を繰り返しました。そしてとうとう、真相を明らかにすることを決意されNHK内部に新設されたコンプライアンス(法令遵守)推進室に訴えます。
しかし、上層部と通じている推進室は問題を放置してうやむやにしようとしました。やむにやまれず、長井さんは名前を公表して記者会見し、真相を明らかにしたというのが、ことの経過であったように思われます。
これに対して、名前が出た中川さんは当初の証言を覆して全面否定に回り、安倍さんは前日に会って当該番組についての説明を聞き、「公正公平に」という注文をつけたことを認めたにもかかわらず、「それがどうして問題なの?」と、自己の責任を全く認めず居直ってしまいました。
安倍さんと会った後に、急遽、番組が変更されていますから、これは安倍さんの注文に応えようとしたものであったことは明らかでしょう。このような干渉や介入があったから、番組は無惨に切り刻まれ、4分も短くなってしまったのです。
このような特定の番組に対する事前の説明や自主規制は、恐らく日常茶飯事だと思われます。だから、説明に回ったNHK側も説明を受けた安倍さんも、何が問題なのか良く分からないのでしょう。「今までと同じことをしただけなのに、どうしてそんなに騒ぐの?」と……。
それでも、世論の厳しい反応を見て、「これはまずい」と思ったのでしょう。NHKや安倍さん、中川さんなどは弁明に躍起となり、些末な問題をとりあげては抗議や訂正要求を出しています。
とりわけ見苦しいのはNHKです。NHKは二つの点で明確に嘘を付いています。私にだってすぐに見破ることが出きるような稚拙な嘘を……。
一つは、これらの議員に会ったのは「予算」や「事業」について説明するためだったという嘘です。「予算」の説明であれば、それにふさわしい相手のところに、それにふさわしい役職者が行くでしょう。なぜ、総務委員会のメンバーではない安倍さんのもとに、予算との関わりを持たない放送総局長が出かけたのでしょうか。
もう一つは、番組の再編集が自主的なもの、つまり外部からの干渉や介入によるものではなかったという嘘です。通常の編集作業であれば、何も直前になってから、しかも4分間も放送時間を短くするようなことをするはずがありません。
大あわてで、急遽、再編集せざるを得なかったような新たな事情が生じたと考えざるを得ないでしょう。ここには何らかの外部の力が働いた痕跡が、否定しがたいほど明瞭に刻印されています。どのように弁明しようとも、この痕跡を消すことはできません。
NHKはこんな嘘をいつまでつくつもりなのでしょうか。すでに、昨年の『週刊新潮』2月22日号で、次のように書かれていたというのに……。
「そればかりか、実は同じ頃、NHKの番組製作の責任者である伊藤律子・番組制作局長が自民の大物議員に呼び出されクギを刺された、という噂が局内でささやかれているんです。慰安婦問題は政治的に微妙な問題ですから、そのくらいの圧力があっても当然ではある」
もしNHKが "外圧"に屈して番組内容を差し替えたとしたら、公共放送として大変な汚点だ、NHK経営広報部はそんな疑念を否定しようともせず、
「NHKの番組は放送法に則り、NHKの判断と責任で製作し報道しています」
という的はずれなコメントでお茶を濁すばかり。