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2005.1.16
2005年森田実政治日誌[16](1月16日)
感情的反中国ナショナリズムを排す
――中国との関係改善が日本を救う
「我が身を抓って人の痛さを知れ」(日本の諺)
二カ月ほど前、イギリス人記者と懇談したことがありました。彼は、私に向かってこう言いました。
「ヨーロッパでは、小泉首相は、反中国ナショナリズムを煽り、それによって人気を高め権力を強大化しようとしている、と見られています。靖国参拝にこだわるのは、中国国民を挑発し、中国と政治的対立を引き起こし、日本の世論を反中国に導き、それによって自らの政治権力を強化し、憲法改正につなげようとしている、と見られているのです。これによって、日本は戦前のような軍国主義国家に生まれ変わる。戦前と違うのは、新しい日本軍国主義のリーダーが米国政府だという点です」
私は「小泉首相にそのような意図はあるかもしれないが、小泉首相の力量では、それはできないと思う。それに日本国民はそんな馬鹿ばかりではないですよ」と答えました。
もっとも、産経新聞や月刊誌『諸君!』(文藝春秋刊)などの右翼ナショナリズムの出版物を読んでいると、反中国ナショナリズムの運動にはかなり根深いものがあることを感じざるを得ません。しかも、この動きをブッシュ政権が応援している……。日本人は再び反アジアの感情で走り始めるのでしょうか――心配にはなります。
1月13日の産経新聞朝刊は、1月12日に早稲田大学で行われた王毅中国大使の講演を詳しく伝えています。他紙に比べると大きな扱いです。靖国神社参拝について王毅中国大使はこう言っています。
「『A級戦犯』は国際的に裁かれたものだ。(靖国に)まつられている『戦犯』はほとんど中国と関係がある。だから(小泉首相に)『A級戦犯』を正当化する言動があれば、戦争被害国の国民の心が傷つく。(日本は)国際的な常識、コンセンサスでやることが利益になる」
おそらく、今後、産経新聞系出版物と文藝春秋系出版物が、反中国キャンペーンを展開することになるでしょう。その際、この王大使の発言が取り上げられることになるかもしれません。しかし、冷静に考えれば、この王毅中国大使の発言に反発するのは誤りです。
「わが身を抓って人の痛さを知れ」という日本の諺があります。日本軍に家族を殺害された中国人のみになって考えてみましょう。「A級戦犯」が祀られている靖国神社に日本の首相が公式に参拝する光景を見て、被害者である中国の人々はどう感ずるでしょうか。「日本はまだあの中国侵略を反省していないのか」と怒るでしょう。中国の人々の心は傷つくでしょう。被害を受けた中国国民の身になってみると、小泉首相の靖国参拝に関する言動は乱暴でした。被害を受けた中国の人々への同情心は必要です。
小泉首相は広い同情の心をもって、中国国民と付き合わなければいけないのです。
われわれ日本人は王毅大使の発言を素直に受け入れなければいけないのです。
これによって、日中の友好関係は前進します。正常化します。これは日本にとって大変よいことなのです。