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【主張】NHK慰安婦番組 内容自体も検証すべきだ
戦時中の慰安婦問題を扱ったNHKの番組をめぐり、政治家の“介入”があったかどうか問題になっている。
問題の番組は四年前の平成十三年一月三十日、NHK教育テレビで放送された「問われる戦時性暴力」と題する特集番組である。前年暮れ、都内で開かれた民間団体主催の「女性国際戦犯法廷」を取り上げた内容だ。
番組を担当したチーフプロデューサーによると、放送前にNHKの国会対策担当職員が中川昭一衆院議員らに呼ばれて放送中止を要請され、さらに、NHKの担当局長が安倍晋三官房副長官(当時)と中川氏を訪ね、「放送させてほしい」と頼んだという。プロデューサーは「政治的圧力で番組内容が改変された」と主張している。
これに対し、NHKは「中川氏とNHK幹部が面会したのは放送後だ」などとプロデューサーの証言を否定し、圧力があったかのように報じた朝日新聞に抗議し、訂正を求めた。安倍、中川両氏も圧力を否定している。朝日新聞とNHKは、さらに詳しく真相を調査すべきである。
番組で放送された女性国際戦犯法廷は、元朝日新聞女性記者が代表を務めたNGOが主催し、元慰安婦や各国の女性活動家を集めて開かれた。慰安婦を「戦時性暴力」の犠牲者ととらえ、昭和天皇やいわゆる「A級戦犯」を裁いた模擬裁判だ。法廷は女性を中心とする判事団と検事団で構成されていたが、弁護団はいなかった。
これがNHKで放送されることが事前に知れわたり、そのまま教育番組として放送すべきかどうか、視聴者の間でも議論があった。NHK内部で映像を再検討した結果、極端な部分を削除し、元慰安婦証言の信憑(しんぴょう)性に疑問をもつ学者の談話を添えたとされる。
それでも、「主催者側に偏っている」「教育番組としてふさわしくない」という批判があった。まず何より、番組が公正で中立的な内容だったか否かの再検証が必要だ。
「政治的圧力が働いた」とするNHKのプロデューサーは記者会見で涙を浮かべ、圧力に屈したとする上層部の非を訴えた。事は言論の自由と公共放送のあり方にかかわる重大問題である。視聴者を含め、男の涙などに惑わされない冷静な判断が求められる。
http://www.sankei.co.jp/news/050115/morning/editoria.htm
産経新聞 産経抄 平成17(2005)年1月15日[土]
番組内容に政治的圧力を受けた、というNHKチーフプロデューサーの涙の会見なるものを見た。某紙が火をつけたこの問題、本当に圧力があったのかいささか根拠がぐらついてきたようにも見えるが、それより何より、肝心なことが置き去りにされている。
▼告発の趣旨は、自分たちは立派な番組を作ったのに政治家の圧力で改悪されてしまった、ということらしい。本当にそうなのか。番組は日本のNGOが開いた「女性国際戦犯法廷」を紹介したもので、韓国などの元慰安婦と名乗る女性が登場し、「強制連行によって性奴隷とされた」と日本政府や日本軍を訴追する。
▼そうした女性を日本軍が強制的に集めたという根拠はなく、戦地での接客業というべきものではということはさて置いても、「法廷」には弁護人はおらず、反対尋問もない。なおかつ趣旨に賛同しない者の傍聴は認めないという「裁判」だったのである。
▼結果、慰安婦問題は「人道に対する罪」にあたり、天皇有罪と日本政府に謝罪と賠償を求める「判決」が下されている。これをそのまま報道することが、それほど立派なことだったのか。どうにも理解できないので、教えてほしい。
▼とくに問題とされているのが、その判決部分や元慰安婦の証言が削られ、批判的な識者コメントが増やされたことだそうだ。己の信じるところに従い報道するのは、ジャーナリストの良心である。しかし、それが公正か、偏向していないかの判断は別問題だ。
▼番組がどういう内容だったか、「法廷」にかかわったのはどんな人たちだったのか。むろん、圧力があったのかどうかも含めて、徹底的に明らかにし、検証したらいい。誰が偏向していたか、おのずと明らかになるはずだ。
http://www.sankei.co.jp/news/050115/morning/colu
産経新聞 産経抄 平成17(2005)年1月16日[日]
「慰安婦番組」改変の問題は、NHKが改変に政治家の関与を報じた朝日新聞に謝罪と訂正を求める事態となった。メディア同士の対立はさておくとして、今少しこの問題にこだわりたい。前によく似た事件があったことを思い出したからである。
▼昭和五十七年六月、各新聞はその年の教科書検定の中身を報じた。中に高校の世界史で「日本軍が華北に侵略」とあったのを、検定により「進出」に書き換えさせられたというのがあった。このことを含めて「戦前の復権だ」と、検定批判を書きたてた新聞もある。
▼この「侵略」↓「進出」が実は全くの誤報だったのである。その教科書は最初から「進出」としていた。詳細は省くが、当時の文部省記者クラブの一記者の間違った指摘をみんなが信じてしまったミスである。当然、文部省は国会などで書き換えの事実を否定した。
▼だが誤報を認めはっきりと「謝罪と訂正」をしたのは小紙だけで、大半は知らぬ顔を決めこんだ。このため一部では「検定による書き換え」が独り歩きを始め、いまだにこれを信じている人も多い。しかも問題はそれだけで終わらなかった。
▼中国が待ってましたと日本政府に抗議してきた。「歴史の改竄(かいざん)だ」というのだ。今よりもっと中国に弱腰だった政府は「近隣諸国の批判に耳を傾け…」というとんでもない談話を発表、外国による教科書介入への道を開いてしまった。教育界における痛恨事である。
▼今回のNHK問題でも、事の真相よりも早く「政治家の圧力による改変」が独り歩きしている。中国や韓国でも関心を呼んでいるといい、何らかの反応があるのは、時間の問題かもしれない。その原因を作ったのは、推測と伝聞だけの軽々しい「内部告発」だった。
http://www.sankei.co.jp/news/050116/morning/column.htm