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◆ 政府支援あわてて増額
◆ 介護問題の深刻さを思う
◆ 読者のみなさんへ
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◇◆ 政府支援あわてて増額 ◆◇
不幸な事件についてあれこれ評論するとお叱りを受ける。昨日の裏読みで援助を巡る米欧の対立について書いたら読者の一人から「常に弱者の立場にたって発言すると言っている天木さんにしては残念だ。高みの見物からの感想では他の報道記事と変わらないではないか」とのコメントが寄せられた。
それでも私は敢えて災害関係の記事について書きたい。それは5日付の読売新聞「インド洋津波 何ができるか」からの次のエピソードについてである。
「・・・地震発生三日目の12月28日、外務省は3000万ドルの無償援助を行うと発表した。・・・その直後、米国が3億5000万ドル、中国が6000万ドルの支援を発表すると、日本政府内に激震が走った。・・・年が明けた1月1日、外務省のアジア大洋州局長室に藪中局長、審議官、課長らが顔を揃えた。『地震はアジアで起きているのに米国より下回るわけにはいかない。日本とASEANとの関係を考えれば1や2や3ではもたない』。出席者らの発言を受け、藪中局長は『5でいこう』と頷いた。藪中局長から電話で連絡を受けた町村外相は谷垣財務相と折衝。その日のうちに『5億ドル支援』を盛り込んだ首相談話が出来上がった。3000万ドル発表からわずか4日後のことだった・・・」
日本が巨額の援助をするのは当然といってしまえばそれまでである。しかしこの程度の判断で5億ドルもの援助が決められてはたまらない気がする。5億ドルといえば世銀の2億5000万ドル、米国の3億5000万ドルをはるかに上回り国際社会の支援総額の四分の一を占める巨額である。かつて湾岸戦争のとき、日本は約140億ドルもの援助をしながら小出しに応じたから、小さすぎる、遅すぎると評価されなかった。その悪夢から早く、大きく打ち出すのなら誰でもできる。しかもその決定プロセスが小泉首相の談話にあわせ官僚の一言で決まる、政治決着には誰も反対は出来ないかのようだ。
かつて私がアフリカ担当の課長の時、某国の大統領の来日に合わせて1億円の農業開発復興援助を行おうとしたことがあった。いくらその援助がその国にとって有益であっても、予算がないという一言で経済協力局の担当官から一蹴された。あのときの悔しさが、かつての同僚の「5でいこう」という一言とともに蘇った。
◇◆ 介護問題の深刻さを思う ◆◇
5日付の毎日新聞にやりきれない記事があった。年も押し詰まった昨年12月29日、70歳の長男が90歳の母親を殴って死なせたという事件である。7歳の時に戦争で生き別れ10年前に探しあてて一緒に暮らしていた母親をなぜ殺さねばならなかったのか。そこには病弱な妻を抱えて介護に疲れた長男の苦悩があった。
それで思い出したのが3日付のしんぶん赤旗の「介護施設費負担増」の記事である。86歳の母親を介護保険施設に入れている56歳の難病患者の男性が、「支払いできずに母親を引き取るようになったら、もう共倒れやね」と嘆いていた。」
政府は通常国会に提出する予定の介護保険改正案で、今年10月から介護保険施設の食費や居住費を利用者に全額負担させようとしている。国がやることはいつも弱者にしわ寄せだ。郵政民営化を年頭所感の真っ先に訴えるピンとはずれの小泉首相には介護問題など官僚にまかせっきりに違いない。高齢化社会のために消費税引き上げやむなしと政府は言う。しかし税を本当に必要なところから使っているのか。
実は私もこの4日から89歳の母を老人介護施設に入れざるを得なくなった。介護問題を抱えている人達の悩みを身近に感じることになった。
◇◆ 読者のみなさんへ ◆◇
昨日池田勇人元首相のことを書いたことについて読者の一人から、病名は咽頭ガンであること、そして池田内閣は死ぬ前年の11月に総辞職しているから、「死にたくない」と言ったことが権力への未練と解するのは当を得ていないのではないか、という意見をいただきました。
そういえば咽頭癌でした。舌癌と書いたのは私の完全な思い違いで訂正させていただきます。確かに池田氏は氏の直前まで自分がガンである事を知らされなかったことや、彼が亡くなったのは11月に総辞職をした翌年の8月であるということを私が知っていれば、書き方も変わっていたかもしれません。しかしそれでもやはり私は同じ事を書いたかもしれません。
「メディア裏読み」を書くときは、時間的制約もあり、うろ覚えで書いたり、調査が必要と思いつつその記事を読んだ時点での私の知識と印象で書いてしまったりすることが多くあります。従って単純な間違いや思い込みによる見当違いの記事もでてきます。そのリスクを承知の上書いています。
かつても申し上げたとおり、この「メディア裏読み」に私は自分の全人格をぶつける覚悟で書いていますので如何なる批判や叱責も甘受します。
そして建設的な意見や有益な情報に感謝します。出来るだけその一つ一つに対してお礼を伝える事にしていますが、そのすべてに答えることは時間的にできません。もし私からの返答がない場合は、「貴重なご助言を感謝しつつ読ませていただきました」との申し上げているとご理解ください。
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