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「望郷の念」を、やはりお持ちでしたか。私は東京人ではないのですが、先祖が居たせいもあってか、あの街が大好きで「性に合う」のですね。肌にピッタリと来るのです。嫌がる人も多いのですが私は日本の街の中で最も好きな街と言ってもよいほどです。
私的な事はさておき、
日本の「技術立国」について少し。その破壊の遠因についても。
「政府の長期的視点に立った教育政策」については、成果をあげたと思います。
「階級差別」が無い事も諸外国の例を見れば、立国の要因をなした事は解かる事と思います。
「宗教的規制が無い事」も要因であったと思います。
これらは、戦後の経済と技術の発展をもたらしたものであるのです。
しかし、戦後の経済と技術は、実は戦前のそれの遺産の上に咲いたものであるのです。
戦前のベースがあったので、戦後の発展が起きたのです。
戦前の経済では、欧米のように市場が発達しておらず、一方で軍需が経済の大きな部分を占めていました。昭和に入ってから戦争が頻発したので、軍需主導の経済になってゆきました。従って、軍事技術の方に有能な技術者が育つ事となり、軍事技術と軍事技術者の育成を政府は進めました。
軍事は戦略思考を必要とします。従って、軍事技術の進化にも戦略思考が必要とされるのです。つまり、「先を見ての、長い目で見ての思考」が必要とされるのです。
一例を挙げると、飛行機の発達により、「海戦」においては軍艦による戦いから、飛行機を使って軍艦を攻撃するというスタイルに進んでゆくと考える事により、艦載機と航空母艦の開発を進めてゆくということになるのです。総てがこのように進められてゆくのです。戦前の日本の軍事技術は最先端のものでした。敗戦となったので、このことは技術に詳しい人は知っていますが、一般的には知られていません。
造船技術は勿論世界一でした。飛行機設計と製作についても、日米開戦の時点では、日本と英国が世界でもっとも進んでいました。ドイツでも米国でもなかったのです。
つまり、戦前の経済を主導した軍事経済の軍事技術の蓄積(技術と技術者)が戦後の商品経済の基盤になったのです。
例を挙げると、自動車メーカーのいくつかは戦前には航空機メーカーだったのです。戦前からの自動車メーカーだって、戦前には主に軍用車を作っていたのです。カメラメーカーだって軍事用のレンズの製作技術があったから大きく伸びたのです。
戦後は軍事国家ではなくなったので、技術は民生用に使われ、戦後経済は大いに発展したのです。
教育も戦後経済が発展し続ける間は「目的」が自然に生まれてきますから、目的に向って長期的計画を設定して行われる事になります。
しかし、日本ではそもそも経済戦略を持った上での経済活動ではありませんでしたから、敗戦の成り行きに任せての事であったので、世界的に「市場の飽和と行き詰まり」が到来すると「どうしてよいかわからない」ことになったのです。漫然と生きてきたのでその様になってしまったわけです。
世界的な経済の行き詰まりから必然的に米国から「マネー・ゲームとバブル経済」が発生する事になり、「経済の転換」を「市場の枠組みの解体と再編」と「新技術革新」を招いて乗り切る方法は放棄され、今に至っても其の侭になっているのです。
何故それが出来ないかと言えば、そのためには「帝国主義国家の覇権の放棄による世界の平準化」がなされないとそれは実現不可能であるからです。今は帝国主義国家群の没落過程の時代なのです。
その中で、日本は「戦後国家像を明確化する務め」を怠って、胃袋より下の半身だけで生きてきたので、「バブル経済への扇動」に乗ってしまい、「新技術革新」なんかは出来なかったのです。出来る力は世界的に最も大きく持っているにも関わらずこのような有様を招いているのです。頭を使わずに怠けているからこの様になるのです。
ちなみに、ドイツのBMW社が出している車で、水素を燃料にするピストンエンジンで走るものがあるのですが、これなんかは、日本で開発する気さえあれば十年以上前に作ることが出来たでしょう。今では日本でも作ったのかも知れません。ガソリンでも水素でも切り替えで走るものが出たということをたしか聞きましたが…。
それで居ながら、自動車生産に技術の配分を過大にしたために設備過剰となり、メーカーの幾つかを外資に差し出すという愚かさを演じてしまいました。
戦略無き愚行の結末の一つでありますね。
私は、元々が技術者志向の人間でした。途中で社会情勢のあおりを受けて、それが果たせなくなりましたが、それでも「技能者」(自分では「技術者の一人」と言っていました)として働いていました。今では、かなり前に「技術と技能の重要性を理解できない日本の経済社会に愛想をつかした」ことにより、気楽な職業人として生活しています。
東京音頭さんは「移民」であるとのことですが、日本の国が美しく蘇ったら(時間がかかるでしょうが)戻ってきては如何ですか。
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