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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041229it11.htm
1908年の制定以来、約100年ぶりに監獄法が抜本改正されることになり、来年1月からの通常国会に法案が提出される。
これまで改正を阻んできたのは、「代用監獄」を巡る法務省と日本弁護士連合会との対立だった。長年の確執はどのように克服されたのか――。
受刑者が刑務所に収容されるのに対し、刑が確定する前の容疑者や被告(未決拘禁者)は拘置所への収容が原則だ。しかし、実際には、拘置所の収容能力に限界があることから、警察の留置場が代用監獄として使われ、日弁連から「自白強要の温床となっている」と強い批判を受けてきた。
法務省が1982年、同法改正を試み、「刑事施設法案」を提出した際も、代用監獄を使用する内容だったため、日弁連が猛反発、廃案となった経緯がある。
今回、改正論議が再燃したきっかけは、2002年に発覚した名古屋刑務所の受刑者死傷事件だった。刑務所での人権意識の欠如が問題となり、法相の私的諮問機関「行刑改革会議」が設置された。昨年12月、受刑者の権利義務を明確にし、きめ細やかな処遇を求める提言がまとまった。
提言を受け、今年7月から、法務省、警察庁、日弁連の3者協議が始まったが、日弁連のスタンスは、80年代と変化していた。従来のような「代用監獄廃止」一辺倒ではなく、段階的な廃止と、代用監獄収容者を含む未決拘禁者の処遇改善を求める現実路線に転じたのだ。
背景には、行刑改革会議のメンバーに元日弁連会長が名を連ねたことがある。同省幹部は「日弁連は行刑改革会議の議論に加わったことで、当事者意識が強くなった」と指摘。同省では「受刑者だけでなく、未決拘禁者についても法改正の議論をする土俵ができた」と受け止めた。
3者協議の過程では当初、法務省が受刑者と未決拘禁者の処遇を一気に見直す方向を模索。一方、日弁連は「未決拘禁者については行刑改革会議でも検討されておらず、本格的な議論が必要」とし、当面の改正は受刑者に関する部分にとどめるよう主張していた。
行刑改革会議が速やかな法改正を求めていたこともあり、最終的に同省は今月15日の3者協議で、来年の通常国会では受刑者の処遇に関する法改正を先行し、未決拘禁者に関しては再来年に改正を図る2段階方式に切り替えた。今度は同省が日弁連に歩み寄った形だった。
ただ、再来年の改正については予断を許さない。日弁連は法律に少なくとも代用監獄を減らす方向を明示することを求めているが、過剰収容問題を抱える同省が受け入れるか不透明だ。日弁連刑事拘禁制度改革実現本部の小池振一郎事務局長は「法律家以外も加わった審議機関を設置して議論すべきだ」と話している。
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代用監獄制度が残れば全然、改「正」ではない。今後の展開に注目。