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(回答先: 最近目に付いた教育関連記事(読売、朝日、毎日) 投稿者 ネオファイト 日時 2004 年 12 月 25 日 19:38:33)
国立大授業料、1万5千円目安に値上げへ調整 文科省(朝日)
http://www.asahi.com/edu/nyushi/TKY200412140381.html
文部科学、財務両省は14日、国立大学の年間授業料の目安となる「標準額」を来年4月、現行の52万800円から1万5000円引き上げ、53万5800円とする方向で調整に入った。国立大は今年4月の法人化で、各大学が自由に授業料を設定できる。だが、値上げしないと大学の自主財源が減る仕組みのため、大半は標準額まで引き上げる見込みだ。ただ、一部の大学は学生離れへの懸念から値上げに慎重で、同一金額だった国立大の授業料に初めて格差が出そうだ。
入学料の標準額については、現行の28万2000円に据え置く。今年4月に設定された法科大学院の授業料と入学料も据え置く予定。
現行の標準額は、全国一律の授業料と同額に設定されている。だが、法人化後は、標準額が引き上げられても、各大学は授業料を現行のまま据え置いたり、引き下げたりしてもよい。標準額の10%増まで値上げすることもできる。
ただ、授業料を標準額より低くすると、大学の自主財源が減ることにつながるため、大半の大学は値上げする見通しだ。
教育費や研究費の充実を目指して、標準額以上の値上げを検討する大学がある一方、授業料増額は学生離れを招くとして、国立大学協会(会長・佐々木毅東大学長)は値上げに反対してきた。 (12/15)
http://www.janjan.jp/government/0412/0412221879/1.php
国立大学の授業料値上げを文科省が押しつけ 2004/12/26(JANJAN)
国立大学が法人化されてまだ1年もたたないのに、来年からの授業料の値上げが、文科省によって押しつけられようとしている。法人化によって、国立の大学ではなくなった「国立大学法人」は、授業料は自分たちで決められるはずであった。
しかし、大学の運営に必要なお金「運営交付金」を、来年から学生の授業料を値上げして増益した分を減額するというやり方で、まだ値上げを決めてもいない大学に値上げを押しつけようとしている。法人化によって、文科省のコントロールから独立したはずの「国立大学」だが、実際には、運営交付金を減らすと言うだけで、授業料の値上げをせざるを得ない状態に追い込まれてしまう。そして、政府が国立大学に交付してきた金を減らした分だけ、学生に負担させようということなのだ。
学生よ。もっとこの政府のやり方に怒るべきだ。それともお金を払うのは親だから、私達は知らないよ、というのだろうか。
肝心の国立大学協会では、12月8日に総会を開いてその問題も含めて審議した。授業料の値上げは容認できないという意見が多くの大学から出され、文科省への要望書を提出した。しかし、政府予算案では、国大協の要望は一顧だにされず、授業料の値上げを前提とした運営交付金の減額が行われてしまった。これは、授業料を決めるのは国立大学法人ではなく、実質的には、法人化したにもかかわらず政府が決めるということの強い意志(脅し)を表したのであろう。国大協も法人化にきちんと反対しなかったため、なめられたものだ。
(山路比呂志)
◇
関連リンク
「国立大授業料、1万5千円目安に値上げへ調整 文科省 」(『朝日新聞』04年12月15日)【投稿者注:この投稿の最初の記事】
声明文 「国立大学授業料の値上げについて再考を」(中国・四国地区国立大学法人)【投稿者注:JANJANではリンクを間違えているので正しいurlに直してます。本文をこの投稿の最後に転載します】
「国立大学等の法人化について」(文部科学省ホームページ)
[5943] もう一つの見逃せない問題 名前:澤崎一幸
日時:2004/12/26 22:34
やはり実質的な決定権を持つのは国ということがはっきりしましたね。
学生や学費支払者(同一の場合を含め)の怒りは当然で、カネがないと学問も満足にできなくなる傾向は強まるばかりですが、もうひとつ、大学が教育の場としての側面を強めたことも問題だと私は思います。運営交付金が減らされた分を学費で穴埋めするということは、教育としての側面ばかり取り上げられがちな大学がますます教育の場としての性格を強めるということです。大学は研究と教育の場であり、私大より実学志向の弱い国立大学法人で学問の自由を守ることを文部科学省にはもっと考えてほしいです。
文部科学・財務両省は14日、国立大学の年間授業料の目安となる「標準額」を 来年4月、現行の52万800円から1万5000円引き上げ、53万5800 円とする方向で調整に入った、という突然のインターネット上の情報に、私たち 学長は仰天していると同時に、学生やその保護者に対して誠に申し訳ないと思っ ている。
8日、国立大学長の集まりである国立大学協会が、臨時総会を東京で開いて、文 部科学省の授業料値上げや老朽校舎整備のための施設整備費補助金の大幅カット の動きについて意見を交わし、こうした事態が現実化しないよう、要請文「国立 大学関連予算の充実について」を全員一致で決議し、中山成彬文部科学大臣に提 出したところである。その主要な要請内容は次のとおりである。
平成17年度予算等における要請
(1) 運営費交付金の確保・充実
教育・人材立国、科学技術創造立国の重要な拠点である国立大学が、意欲的な特色ある取り組みを継続して推進し、法人化のメリットを活かすことができるよう、運営費交付金の確実な確保を図ること。
(2) 学生納付金標準額の据え置き
学生が、経済状況に左右されることなく、能力・適性に応じて進学できる機会を確保するという国立大学の役割を果たすため、中期計画期間における学生納付金の値上げは容認できないこと。
(3) 施設整備費の大幅増
「国立大学等施設緊急整備5か年計画」の達成、特に、老朽施設の着実な整備は、より高い教育研究の成果を実現するために欠かせない緊急な課題であり、施設整備費補助金などの大幅な増額を図ること。
私たちの願いとは反対に、国立大学の学生納付金が法人化前と同様に、授業料と 入学料の値上げが隔年で交互に実施されれば、国立大学法人の使命である、国民 が能力に応じて高等教育を受ける機会を保障しにくくなる。特に、中国・四国地 域の国立大学にあっては、経済状況に左右されることなく、地域から幅広く能力 のある学生を集め、地域社会の中核となる人材を育成して、地域社会のあらゆる 分野に大きく貢献してきた。しかし、世界一高い国立大学の授業料であるにもか かわらず、さらに値上げが続けば、地域における「知のサイクル」が壊れ、地方 と中央の格差はますます拡大し、地域の発展は期待しがたいこととなる。
教育・科学技術創造立国を目指すわが国としては、その拠点となる国立大学の教 育研究基盤の充実を図れるよう、国が予算面からも支援して、安易に授業料の値 上げをしないよう強く訴える。
平成16年12月16日
中国・四国地区国立大学法人
鳥取大学長 道上 正規
島根大学長 本田 雄一
岡山大学長 河野 伊一郎
広島大学長 牟田 泰三
山口大学長 加藤 紘
徳島大学長 青野 敏博
鳴門教育大学長 高橋 啓
香川大学長 木村 好次
愛媛大学長 小松 正幸
高知大学長 相良 祐輔