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【奇っ怪ニッポン】
2004年12月9日 掲載
平成の市町村合併バブルに異議あり!
http://www.gendai.net/contents.asp?c=025&id=17132
700兆円もの借金を抱える日本は、小泉純一郎内閣誕生以降、更に160兆円も負債が増えているのです。高額紙幣も単なる紙切れと化すデフォルトが、日本に限っては到来しない、などと誰が胸を張って言い切れるでしょうか。
にも拘(かかわ)らず、「自治体の経営効率化」なる御旗を掲げて、来年3月までに合併する自治体には総額20兆円もの特例債をプレゼントしちゃう大盤振る舞いが全国で展開されています。無論、起債ですからハコモノと道路にしか使えません。手元不如意だが訪問介護を充実させたい、といった良心的施策には適用不可です。財政再建どころか財政悪化の為の問題解決先送り。平成の市町村合併バブルと言われる所以(ゆえん)です。
岐阜県中津川市への「越県」合併を、県境に位置する山口村長と村議会が申請しています。県土の姿が変わるのですから、同一県内での市町村合併とは異なり、県民の民意が問われるべきです。即ち地域住民の意向とは、村民のみならず長野県民も含まれるのです。その上で、県議会での議決と総務大臣への申請が必要とされるのです。
僕は9月県議会に、1万人規模の県民意向調査を行う予算案を提出しました。が、その必要性を残念ながら県議会は認めず、他の予算からの流用も行うべきでない、との“付帯意見”と共に否決されました。そもそも、今回の越県合併に反対の立場を表明している県知事の僕は、問題提起も議論もない儘(まま)、如何(いか)なる根拠に基づいて合併議案の提出を行い得るというのでしょう? この点に関し、腹蔵無き議論を闘わせたい、と先週末に開会された12月議会で述べた僕は併せて、以下の問い掛けを議員諸氏に対して議場で行っています。
仮に山口村の一件を認めるなら、例えば今後、都心へと新幹線通勤する住民が急増している軽井沢町が東京都へと飛び地合併したい、と望んだ時。上高地を擁する安曇村が安房トンネルで直結している岐阜県高山市との合併を望んだ時。将又(はたまた)、志賀高原が位置する山ノ内町が一体的観光行政を実現すべく群馬県草津町との合併を望んだ時。何(いず)れの場合も、地元町村民の意向を尊重して県議会諸氏は越県合併を認めるのでしょうか、と。
斯(か)くて県境に位置する共有財産である馬籠、軽井沢、上高地、志賀高原が他都県へと離脱し、信州、信濃、長野県が溶解していく事を容認するだけの覚悟と想像力を抱いた上での越県合併賛成ですか、と。その整合性を持ち合わせず、県庁所在地から遠く離れた山口村だから今回は致し方ない、的な発想で認めようとするなら、それは憐憫(れんびん)という名の無関心と侮蔑ではあるまいか、と。
のみならず、人口比を考えるに、合併後の移行期間を経たなら、山口村地域から選出の中津川市会議員は皆無、の可能性大なのです。それでも長い物に巻かれたい。総務省が主導する市町村合併は、集落や地域の活力を崩壊させる由々しき事態なのです。【田中康夫】