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北海道警全部署を対象に9カ月間に及んだ道監査委員の特別監査が3日、高橋はるみ知事に報告された。現場の捜査員から生の声を聞いた各監査委員は、会見で語気を強めながら「私的流用と考えられる」「階級組織の中で生まれた不正」など、道警が否定してきた見解と真っ向から異なる発言を繰り返した。【道警不正経理取材班】
◇正規支出以外は私的流用 監査委員の会見
監査には4人の監査委員と69人の道職員が当たった。各署に出向く実地監査は延べ2770日。その中で感じたのが警察独特の階級社会だった。
徳永光孝・代表監査委員は「上司の指示に服従しなければならないという環境でやむなく(不正を)行っていた」と推測。「幹部は同じ道をたどってきた立場から、不正を十分認識していた。責任を重く受け止めるべきだ」と糾弾した。
道警は最終報告の中で「組織の立場を離れた個人的な利得の事実はなかった」と私的流用を否定した。これに対し、徳永代表監査委員は「公金として正規支出したもの以外は私的流用だ」と断じた。高橋はるみ知事も3日の記者会見で、「一つの考え方だと思う」と支持した。
一方、「自らの懐に入れたケースはあるのか」との報道陣の問いに、監査委員は「そういった証言はない」と述べた。
徳永代表監査委員は「道民の安全、安心を守る現場職員が働きやすくなるよう改善に取り組むことを切に望む」と語った。監査結果の報告書では、職員の意識改革のほか、捜査経費が使いやすくなるよう改善を求めている。
捜査員との聴取で、不正を指摘できる職員養成のため知事部局との人事交流を求める声も出た。
また、徳永代表監査委員はこれまでの定期監査で不正経理の実態を見抜けず改善要求できなかったことについて、「誠に痛恨の極み。道民におわびしたい」と語った。
◇約3億円の使途確認は難航が予想 道警
不適正額(特別監査約5億800万円、道警内部調査の道費分約4億1300万円)に約9500万円の差が生じたことについて、「今後の確認的監査で大半の差異は解消されるのではないか」(幹部)と冷静に受け止めている。しかし、道警が返還から除外した不適正額(裏金)には特別監査で使途が確認できていない捜査経費への流用分約2億円などが含まれ、総額約3億円の使途の確認は難航が予想される。
約9500万円の内訳は▽捜査用報償費約1200万円▽道費旅費約8000万円▽食糧費約270万円▽交際費約18万円。
旅費について道警は「宿泊先に宿泊名簿が保存されておらず、未確認になった事例が多いのではないか」(内部調査担当者)とみる。こうした例は今年の定期監査でも約800万円分が指摘され、特別監査ではうち約500万円が適正と判断された。
交際費や食糧費について道警は内部調査の中で「贈答品の交付先や会食相手の記憶があいまいな例があった」と説明したが、会合と物品購入の事実は確認できたため、適正と判断したという。
捜査用報償費は特別監査が98〜00年度分の不適正額を約1400万円少なく指摘。01〜03年度分については約2600万円多く算出するなど、道警の内部調査と相互に違いが出た。特別監査は会計文書の確認が中心で、捜査協力者などの関係人調査ができなかったためとみられる。
捜査協力者情報の開示について道警は「個別、具体的に検討したい」(芦刈勝治本部長)と言うのみで消極的。確認的監査でも確認できなかった場合、非開示とした経費全額を返還せざるを得なくなる可能性もある。
◇「ピンハネ」指摘の日額旅費、改善を要望 監査委
特別監査で「ピンハネ」が指摘された日額旅費は警察官が近距離(50キロ以上)の巡回や取り締まりをした際に支払われる。特別監査では3988件、約4560万円が一線の警察官に適切に支払われていなかったと指摘した。
日額旅費は通常、資金前途員(副署長ら)から代理受領人(課長ら)、代理受領人から警察官に渡る。しかし、実際には副署長らの指示で課長らが月々の支給限度額を設けたり、宿泊しても1日分しか支給せず、残金は副署長らに戻るシステムになっていた。
「旅行の事実」に沿って支払われているため、道の損害にはあたらない。しかし、道監査委員は多くの警察官が「受け取っていない」と窮状を訴えたことを明らかにし、改善に取り組むよう要望した。
「ピンハネ」の指摘に対し、道警の中塚幸男総務部長は「実際には各所属のお茶代などの厚生費として職員が持ち寄っていた」と反論した。
毎日新聞 2004年12月4日 1時47分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20041204k0000m040159000c.html