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自衛隊派遣延長/なぜ堂々と議論しない(神戸新聞社説)
イラクへの自衛隊の派遣期限が来月十四日に迫る中、第百六十一臨時国会は今週末で閉幕する。小泉純一郎首相はいまだに派遣延長問題について明言せず、国会は首相説明がないまま終了しそうだ。
政府内では、すでに一年間の派遣延長で固まっているとされるが、首相は表向き「直前の情勢を判断して決める」との答弁を繰り返している。
国民の間では派遣延長に対する反対論が強い。国会開会中に閣議決定すれば、野党の厳しい批判や追及は必至で、こうした展開を避けたいとの思惑が透けてみえる。
国会閉幕後に閣議決定すれば、国会への報告義務は来年の通常国会まで先送り出来る。既成事実をつくってしまえば、そのころには、ほとぼりも冷めると思っているのだろうか。
あまりにも国民を愚弄(ぐろう)した話だ。首相には強く再考を求めたい。
来日したオランダのカンプ国防相は二十九日、大野功防衛庁長官に来年三月で自衛隊が駐留する南部サマワから軍を撤退させる方針を正式に伝達した。その後は英軍が治安維持の任務を継承するとみられているが、米英軍に対する武装勢力の強い反発をみれば、治安悪化は避けられないのではないか、との懸念がぬぐえない。
だが、首相は「関係国と十分協議する」と述べるにとどまっている。陸上自衛隊の宿営地にロケット弾が撃ちこまれるような現状でも「自衛隊に対して組織的、計画的な攻撃はない」と強弁している。
陸上自衛隊の主な任務は給水活動で、これまでに約四万一千トンを給水した、という。しかし、この活動も来年早々には、日本政府が提供した浄水装置や貯水タンクを使って、イラク国民による給水が可能になるという。しかも、その給水量は陸自の十倍に上るとされていることを考えれば、自衛隊でなければできない任務との説明にも疑問が残る。
それでも自衛隊派遣を延長するというならば、首相は国会に対して、今後の治安情勢の見通しを含め、延長の理由を明らかにすべきである。併せて、どのような状況が整えば自衛隊の任務が終了するのか、撤退の道筋も明示しなければならない。
野党は、臨時国会の会期延長を求めている。自衛隊派遣延長の是非は、国会の場で、国民にみえる形で議論すべき重大な問題である。首相は真摯(しんし)に、この要求にこたえ、説明責任を果たすべきだ。逃げるような姿勢では、国民にも自衛隊員にも理解は得られない。
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu04/1130ja29540.html