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社説:東アジア・サミット 日本外交の主体性が問われる [毎日新聞]【米国高官の反応を受けて】
http://www.asyura2.com/0411/senkyo6/msg/937.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 12 月 01 日 02:18:27:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 「東アジア首脳会議」に米国務省局長が懸念…米排除と [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 12 月 01 日 02:17:41)


 東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟の10カ国に日本、中国、韓国を加えた13カ国による東アジア・サミットの創設が、ラオスのビエンチャンで開かれたASEAN首脳会議で合意された。世界的に進む地域統合の波に対抗してアジアも結束しようという動きとして注目したい。

 日本とASEANは緊密な関係を築いてきた。ASEANにとって日本は最大の政府開発援助(ODA)供与国であり、貿易額も米国と並ぶ最大のパートナーだ。

 ところが、97年のアジア通貨危機を契機に高まったASEAN諸国内の地域統合への機運に対し、日本は常に慎重な態度をとり続けてきた。米国への過度の配慮と中国への対抗意識が日本のイニシアチブにブレーキをかけてきたことは否めない。

 中国は02年にASEANとの協定に署名し、関税の削減・撤廃へ急ピッチで作業を進めている。

 これに対し、日本は今回ようやくフィリピンと経済連携協定の締結で合意したほか、ASEANとの自由貿易協定(FTA)交渉を来年開始することを決めた段階にとどまっている。急速な経済発展を遂げている中国の、この地域への関与に対する強い意欲を軽視してきたツケが回ってきているといえる。

 対アジア外交での腰の引け方は経済面ばかりではない。ASEANの基本条約であり政治、安全保障の国際合意である東南アジア友好協力条約(TAC)への加入問題でも昨年、いったんは加入を断り、中国とインドに先を越された不手際があった。

 過去をさかのぼれば、マレーシアのマハティール首相(当時)が提唱した東アジア経済会議(EAEC)構想が日本の反対で頓挫した例もある。これも、米国への配慮が原因だった。

 昨年12月の日本・ASEAN特別首脳会議で採択された東京宣言に小泉純一郎首相が提唱した「東アジアコミュニティー」構想が盛り込まれた。しかし、この構想は豪州とニュージーランドの参加も念頭に置いたもので、具体性にも欠けるものだった。

 合意によれば、最初のサミットは来年、マレーシアのクアラルンプールで開催することになった。当面は2年ごとの開催で、初回は日本が共同議長国に名乗りを上げ、2回目は中国が開催に意欲を示しているという。

 しかし、ASEAN内も米国への対抗意識が強いマレーシアと、中国への警戒感を抱くインドネシアの思惑が食い違うなど一枚岩ではない。米国はさっそく、米国抜きのサミット開催に懸念を表明した。日中関係の方も、30日の小泉首相と温家宝首相の会談が靖国神社参拝問題の影響で、温首相の来年の訪日に合意できず溝は埋まらなかった。

 東アジア・サミットを将来の東アジア共同体に発展させるには日本の主体的な関与が必要だ。積極的な中国と消極的な米国をにらみ、長期的視野に立った総合的な外交戦略が不可欠だ。

毎日新聞 2004年12月1日 0時11分

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20041201k0000m070153000c.html

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