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11月17日 ◎国際政治学者の役割 ◎アジアの分断こそ米国の戦略だ ◎飯島愛と小泉首相
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□★□ 天木直人11月17日 メディア裏読み □
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◎国際政治学者の役割
◎アジアの分断こそ米国の戦略だ
◎飯島愛と小泉首相
◇◆ 国際政治学者の役割 ◆◇
11月17日の朝日新聞、「私の視点」というコラムに、平岩俊司という静岡県立大学教授の意見が載っていた。なんでも現代朝鮮論の専門家らしい。その教授が今回の日朝協議の評価を次のように述べている。
「・・・(今回の協議は)もちろん十分に評価することはできないとはいえ、9月に開催された前回の協議と比べれば北朝鮮側の積極性が見て取れたことも事実である。・・・小泉首相は『日本側として納得できる内容でない点もある』と北朝鮮側の説明に不満を表明しながらも、『北朝鮮の努力のあとはうかがえる』として一定の評価を与えた。・・・(六者協議についても)金桂寛外務次官はその一方で(早期に協議を再開させる環境にはないと否定的な姿勢を示した一方で)、『引き続き努力はしていきたい』と述べ、六者協議の枠組みそれ自体は維持する意向を表明したという。それを前提とする時、日本側の呼びかけに応じて北朝鮮側が安全保障問題を話し合う姿勢をみせたことの意味は大きい。・・・これまで北朝鮮は、安全保障は米国から、経済協力は日本から、という姿勢を堅持してきた。しかし、米国からの譲歩が難しいとの判断があるとすれば、安全保障についても日本を交渉の軸にすえようとする可能性は十分にあり、その意味からも日本の役割は大きくなりうるのである・・・」
この教授は、いかなる情報に基づいてここまで北朝鮮に好意的な評価をしているのであろうか。どういう根拠に基づいて核問題についての日本の役割をこんなに持ち上げているのか。小泉首相を喜ばせる論評であることは明らかだ。彼は17日の党首討論でも北朝鮮へ米の援助を継続するといい、経済制裁をすれば交渉が途絶えると力説していた。「子供の使い」と酷評されている外務官僚の仕事を、世論一般の受け止め方に反して「よくやっている」と励ましているのである。
それが我々の知らない情報に基づいて判断しているのならいい。外務省から極秘の情報をもらってそれに基づいて政府の代弁をしているのなら納得がいく。しかしそれが既に報道されているような情報から判断して彼の個人的意見を述べているとすれば無責任だ。これまでの北朝鮮の態度から見て北朝鮮が本気になって拉致不明者の安否を明らかにしているとは思えないし、核廃棄について日本に米国との仲介を期待するとは思えない。ましてや日本の言う事を聞いて核開発を断念するはずはない。
国際政治学者の役割とは何であろうか。かつて米国のイラク攻撃をめぐって国内で議論が噴出した時、外務省OBの岡崎久彦氏が、東大の北岡伸一、田中明彦両教授が「米国を支持するしかない」という趣旨の発言をしたのを見て、「論争はこれで終わりだ。東大の教授がそういえば昔は、ああそうなのかと世間は従ったものだ」と言い放った。
時代遅れ、ここに極まれりである。一般国民の知的レベル、情報収集能力、分析力は、もはや官僚や御用学者のそれに決してひけをとらないレベルに達しているのだ。そうだとすると国際政治学者の役割とは何か。よほどしっかりと勉強をして正しい事を発言しない限り、政府や官僚を喜ばす事はできても一般国民を説得する事は難しい。そんな授業を聞かされる生徒は気の毒だ。
◇◆ アジアの分断こそ米国の戦略だ ◆◇
11月17日の日経新聞に、日本として「東アジア共同体」構想にどう取り組むべきかという記事が載っていた。その見出しも「排他的色彩に批判の声」である。中国嫌いの古森義久という記者が書いた記事であるから、日本と中国が協力することに否定的な論調であることは当然としても、この期に及んでも米国がここまで「東アジア共同体」構想に反対しているのを見ると、米国は自分抜きでアジアが結束する事がよほど許せないと見える。
その記事によればこうである。米国民間のアジア研究機関「米国アジア太平洋評議会」が最近ワシントンで「米国とアジア太平洋―次期政権の課題」と題する討論会を開いた。その討論会で米国外交評議会のエドワード・リンカーン上級研究員が次のように発言したというのだ。
・・・東アジア共同体という構想が排他的方向に動くと、この地域の平和と安全に悪影響が出て、米国としても座視できない。
(この構想は)@「アジア通貨基金」が誕生しなかったように(筆者註:誕生しなかったのではない。宮沢蔵相の提案をカンカンになって米国が潰したのだ)、経済・金融圏としてのアジアには中央銀行的な機軸がないAアジアは人口、政治、文化などの面で非常に多様性が高く共通項が少ないB米国、オーストラリア、ニュージーランド、台湾を排除しており、経済共同体としてはゆがんでしまうC東アジア共同体構想に最も近い現存のアセアン+3(日・韓・中)についても米国が入らない限り中国のパワーに圧倒されてしまう。・・・。
1990年にマレーシアのマハティール首相が東アジア共同体構想をはじめて提唱した時、米国のベーカー国務長官(当時)は日本に猛烈な圧力をかけて反対しろと迫った。そのときマハティール首相は「米国は日本が中国と一緒になってアジアの発展に貢献することを恐れているのだ」と内輪の席で喝破していた。
全くその通りなのである。それから十数年たって中国の経済も発展し、日本と中国の経済関係も米国のそれを凌ぐようになった。経済関係の進展は防ぎようがないとしても、政治的に日本と中国が近づく事は米国にとっては悪夢なのだ。経済さえも米国は日本を出し抜こうとしている。そんな米国の戦略は見え見えなのに、知ってか知らずか日本の対米従属は進む一方である。日本はもっと戦略的に外交を進めなければならないというのに、外交不在はますます酷くなる。日本は米国に命じられることに自虐的快感を覚えていると思いたくもなる。ああ、気色悪い。
◇◆ 飯島愛と小泉首相 ◆◇
小泉純一郎という政治家が首相になるまで、彼に関する私の唯一の印象は、「なんと軽薄な政治家であるか」ということであった。もうずいぶん前のことになるが、ある夜TVを観ていたら、政治家小泉がAV女優らしき女の子の番組に出演しやに下がってイチャついていたのである。「焼餅を焼いていたんだろう」と言われるかもしれないがそれは違う。政治家たるもの、いくら売名行為といってもこんな番組に出る暇があるなら、政策の一つでも勉強しろと本気で不愉快に思っていたのだ。
その政治家が、それから何年か経って、どうまちがったか総裁選挙に勝った時、世間の受け止め方とは逆に、私は「とんでもない事になった、こんな男が日本の総理になったら大変なことになる」と直感的に思った事を覚えている。テレビで小泉首相の顔を見るたびにあの番組の場面を思い出し、あの時の女優は誰だったか、自分の勘違いであの時の政治家はひょっとして小泉首相ではなかったのかもしれない、いくらなんでも首相になる政治家だからそこまでは軽薄なことはしなかったのではないかなどと、殆ど思い出せない昔の記憶をたどることがたびたびであった。
その気がかりが突然氷解した。11月17日の日刊現代を読んでいた時、思わず「アッ!」と声をあげてしまった。飯島愛というタレントが外交特派員協会に呼ばれて講演をしたという記事にでくわした。そして彼女のこういう発言が載っていたのだ。
「・・・小泉が厚生大臣の時に食事した事があるけど、トンボの交尾の話をしてた。まさか首相になるなんて、ファーストレデイになり損ねましたあ〜」
やっぱりそうだったか。どうもそうではないかと思っていたのであるが、あのタレントは飯島愛だったのか。因みに私は飯島愛が嫌いなわけではないので、こんどこそ焼餅で、小泉のバカヤローという気分である。
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