現在地 HOME > 掲示板 > 政治・選挙6 > 694.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu82.htm
--------------------------------------------------------------------------------
日本政府は中国海軍の潜水艦がかねてから日本の
領海内を潜航航行してきたが、これを黙認してきた。
2004年11月15日 月曜日
◆SSN 攻撃型原子力潜水艦 Type091 漢型(HAN) (中国)
http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams05/s_han.html
◆「中国原潜」沖縄海域を侵犯
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041111-00000000-san-pol
海上警備行動発令 政府、厳重抗議へ
政府は十日午前、中国海軍のものとみられる潜水艦が同日早朝から、先島諸島の石垣島と宮古島の間の日本の領海内を潜航していることを確認し、大野功統防衛庁長官は同八時四十五分、小泉純一郎首相の承認を得て、自衛隊法八二条に基づき海上警備行動を発令した。海上警備行動の発令は、平成十一年三月、能登半島沖の北朝鮮工作船二隻による領海侵犯以来、二度目だが、潜水艦に対しては初の発令となる。政府は船籍が正式に特定されしだい、厳重に抗議する方針だ。(中略)
海上警備行動 自衛隊法82条は、防衛庁長官は海上での人命、財産保護、治安維持のため、特別の必要がある場合に、首相の承認を得て自衛隊に海上警備行動を発令できる、と規定。海上の治安維持は、一義的に海上保安庁が担当しており、海保での対処が「不可能、もしくは著しく困難」な場合に発令されるため、「海の治安出動」とも呼ばれる。過去に1回だけ、平成11年の能登半島沖の北朝鮮工作船事件で発令されたことがある。
漢(ハン)級原潜 旧ソ連の技術を基礎に中国海軍が1960年代に初めて自力設計した攻撃型原子力潜水艦。水中排水量5500トン、水中速力25ノット、乗員75人とされ、安定潜航深度は最大300メートルとみられる。しかし、スクリュー音が極めて大きいなど近代戦における実用兵器としての有効性は低い。
●=てへんに施のつくり
(産経新聞) - 11月11日3時15分更新
◆<第三国潜水艦の領海侵犯(その4)> 太田述正コラム#533(2004.11.14)
http://www.ohtan.net/column/200411/20041114.html#0
ク 私の見解
私自身は、二つの可能性があると考えています。
一つは、中国海軍の潜水艦がかねてから日本の領海内を潜航航行してきた
が日本政府がこれを黙認してきたところ、今回初めて海上自衛隊に追尾させ
たという可能性です。
こんな可能性は考えたくもないけれど、日本政府には前科があります。
北朝鮮の不審船への対応です。
海上保安庁と海上自衛隊は、不審船に対してそれまでは何の措置もとらず
に放置してきたにもかかわらず、1999年3月に初めて、日本の領海を侵犯し
た北朝鮮の不審船(2隻)を、北朝鮮の沿岸まで追跡しました。
米軍からの通報があったために、何らかの措置をとらざるをえなくなった
ためです。
今回も米軍からの通報が発端であったことは、ちらほらと報道がなされて
きましたが、具体性のある日経の下掲の報道でそれが決定的になりました。
「米軍の偵察衛星が先月下旬、中国の寧波とみられる海軍基地近くで浮上
している中国原潜を捕捉。間もなくその原潜が潜行したため動向を探ってい
た。しばらく後、米軍が東シナ海の周辺海域に大量に敷設している海底ケーブ
ルの音響探知装置(私が「ソナー網」と記してきたもの(太田))が原潜の
音をとらえたため、先島諸島の日本の領海内に入る直前、海上自衛隊へ通報
した。衛星が視認した潜水艦と同一のものかどうかは確認されていない。海
自はこの米軍情報をもとに、哨戒機P-3Cなどを現場海域に派遣し、原潜が潜
行しているとみられる海域に・・ソノブイ・・を集中的に投下。10日午前5時
すぎ、原潜の位置を把握した。」(http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/
20041114AT1E1300H13112004.html。11月14日アクセス)
ただし、この記事のニュースソースは、日本自身が米国のコントロール下
のソナー網(以下、「日本/米国のソナー網」という)を日本周辺海域に張り
巡らせていることを意図的に隠して話のつじつまを合わせようとしているの
で、この話は、「米軍の衛星で発見→台湾/米国のソナー網で追跡→日本/米
国のソナー網で追跡→P-3Cで追尾」または、「米軍の衛星で発見→日本/米国
のソナー網で追跡→P-3Cで追尾」、と読み替えなければなりません。
もとよりニュースソースが、日本/米国のソナー網の存在を隠し通すため
に、米国の関与をあえてでっちあげた可能性も全くないとは言えませんが、
米軍の関与についての報道内容がメディアによって微妙にくい違っており、
日本政府ないし防衛庁の統一想定問答での受け答えだとは思えないだけに、
米軍が関与したことはほぼ間違いないと言っていいでしょう。
もし以上が正しい推論であるとすると、米軍が北朝鮮の不審船について通
報したのは日本を北朝鮮の「脅威」に目覚めさせて米国の対北朝鮮軍事戦略
に組み込むことがねらいであったと思われることにならって言えば、今回の
米軍の通報は日本を中国の「脅威」に目覚めさせて積極的に(台湾防衛等を
念頭に置いた)米国の対中国軍事戦略に組み込むのがねらいであることにな
ります。
もう一つの可能性は、中国の潜水艦による日本の領海侵犯が初めてのケー
スだったことです。(たまたま今回初めて探知された、という可能性は殆ど
ないことは、ソナー網の話でご納得いただけると思います。)
この場合、露見した時の中国政府のダメージが大きすぎることから、中国
政府の意思でやったとは考えにくく、中国政府首脳のあずかりしらないとこ
ろで海軍、あるいは部隊が独断で日本の領海侵犯を行ったか、あるいは潜水
艦の艦長の過失ないし発狂で領海に迷い込んだ、ということにならざるをえ
ません。
第一の可能性の方が真実であったとしても、中国政府と日本政府双方暗黙
の協力の下で、あえて第二の可能性にそったストーリーをでっちあげ、しか
も艦長一人に責任を押しつけ、両国政府ともども責任逃れを図ることになり
そうな予感がします。
◆「海上警備行動」(自衛隊法第82条)発動は妥当であったか ピースデポ
http://www.peacedepot.org/resources/gl/gl002.html
1981年の国会答弁で防衛庁は、「いわゆる有事の事態が近づいたような」状況や「海賊的な行為が頻発する」ような状況でないと「海上警備行動」は発動されないとして、前年のソ連の領海侵犯に対しても同行動が発動されなかった理由を説明し、発動にきわめて慎重な姿勢をみせた。しかし今回はそれとはうって変わって迅速な発令をおこなっている。にもかかわらず、81年の解釈は今も変更されていないというのが野呂田防衛庁長官の説明であり、一般的には理解に苦しむ。
また、「不審船」が現れるという事態は過去にも多数あらわれており、最近では1985年の例がある。このときの「不審船」をめぐる状況は今回とよく似ている。にもかかわらず85年には「海上警備行動」が発動されず今回は発動された理由について、防衛庁の説明は説得力を欠く。前回も今回も海上保安庁が「不審船」を捕捉できなかったことに変わりはないのだが、前回は「海上保安庁で対応できたケース」で今回は「同庁では対応が不可能なケース」というのである。
以下に、81年の国会でのやりとりと、去る3月24日の衆院安保委協議会でのやりとりを紹介する。
▼塩田防衛局長「82条というのは実際にまだ発動したことはございませんけれども、想像される事態といいますのは、いわゆる有事の事態が近づいたような、国際的な緊張が高まったような時点で、いろいろ俗に言う海賊的な行為がある、海上の治安が乱れておる、海上保安庁の警備だけではむずかしい、こういうような事態が想定されて、そういうような場合には自衛隊が所定の手続を経て出動するという趣旨の規定でございまして、一般の平時の場合の海難救助活動でありますとか、いまのケースは領海侵犯のケースでございますが、そういったことは本来海上保安庁の任務として海上保安庁の方でやっておられるわけでございまして、いずれも私は82条に直接該当するケースではなかったというふうに考えておるわけであります。」
▼柳澤「これは長官の方にお答えをいただきます。
あのときは政府が、領海侵犯として受けとめるといってソ連に向かって抗議をしたのですよ。日本の領海が外国の軍隊に侵されたと言ったのです。いまの防衛局長のような答弁がそれで成り立つのですか。そういう答弁が出てくれば、それだったらこの82条を発動するようなことはもうありはせぬじゃないですか。日本の領海に外国の軍艦が入ってきたといって、それで日本の政府自体も、官房長官みずからが領海侵犯と受けとめますといってソ連に向かって抗議までしている。ところが、あのときは防衛庁の方は、いや82条が発動されないから動けないのですということを言っておられたのですから、そこはどういうことになるのですか。」
▼夏目防衛庁長官官房長「昨年のソ連の潜水艦が領海を侵犯した件については、いま御指摘のように82条は当然のことながら出なかったわけでございますけれども、第一義的に、領海侵犯、こういった海上における警察行動については海上保安庁の任務になっております。私どもが自衛隊法82条で規定しておりますところの海上における警備活動というのは、先ほど防衛局長がるる述べたように、有事が近くなって、海上における不審船舶によってわが方の海上交通が著しく阻害されるような場合、あるいは海賊的な行為が頻発するようなことがあってわが方の国民の生命、財産を守る必要があるときに、海上保安庁の手に負えなくなるような事態に、内閣総理大臣の命令を受けて出動するというものでございまして、先般の領海侵犯がたまたまあったからといって、すぐさまそういうものが発動されるものでもありませんし、今回のような事故、すなわち遭難者に対して救助の手を差し伸べるというのは、言うなれば、水におぼれている人間を見て当然のことながら人道的な配慮からそれを救出したというものであって、特段の法律の根拠に基づくものではございません。」
(私のコメント)
このように81年の国会議事録を見てもわかるとおり、日本政府はソ連や中国の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯しても、黙認してきた事がわかります。ところが日本のテレビや新聞などはこの事を指摘していない。日本の領海を侵犯された場合は海上保安庁の仕事であり、海上自衛隊が出動することは1999年の不審船の時までなかった。海上保安庁は対潜水艦の装備は持たないから、第三国の潜水艦は日本の領海をフリーパスで航行できた。
今回なぜ始めて第三国の潜水艦に対して、自衛隊法82条の海上警備行動が発令されたのか。中国政府も急になぜ日本政府が今まで黙認してきたことを取り締まるようになったのか、泡を食っていることだろう。今回の場合も不審船事件の時のように米軍から知らせが入って、黙殺するわけにも行かないから、官邸は中国の原子力潜水艦が領海を出たのを見計らって、いやいや海上警備行動をとったのだ。
米軍は今までこのような第三国の潜水艦や不審船などの情報連絡をしてきたのかどうかはわかりませんが、二度目の海上自衛隊の海上警備行動が発令されたのは、今月始めのアメリカ大統領選挙でブッシュ大統領が再選されたのと関係があるのだろう。今まではたとえ米軍から連絡が海上自衛隊にあったとしても、そこでストップされてきた。
それよりも中国政府の対応のほうが、「知らぬ存ぜぬ」の対応で戸惑いの表情が隠せなかった。今まで黙認してきたのになぜ?ということですが、自衛隊内部の事情によるものだろう。海上自衛隊は54隻の護衛艦と80機のP3Cを持っていますが、領海を侵犯されても「遊んでいた」のですから、削減されても文句は言えない。以下は8月のニュースです。
◆<新防衛大綱>護衛艦や戦車削減、ミサイル防衛に予算配分
http://www.history.gr.jp/news/040802_02.html
今年末の「防衛計画の大綱」(防衛大綱)改定に向けて、防衛庁に設置された「防衛力のあり方検討会議」は1日、主要装備の削減など防衛力整備の中間案をまとめた。海上自衛隊は護衛艦や固定翼哨戒機などを現行から1割、航空自衛隊も1割の主要整備を削減し、陸上自衛隊は95年の現大綱で示した目標数値(防衛大綱別表)ベースから2〜3割を削減する。
これに伴い、同庁は05年度予算概算要求で海自の護衛艦について54年の海自創設以来初めて1隻も予算要求しない方針。
テロ、大量破壊兵器、弾道ミサイルなどに対応するため、冷戦対応型装備からの脱却を図り、ミサイル防衛(MD)導入や機動性を重視した防衛力整備を目指している。
「あり方検討会議」のまとめた中間案は、昨年12月のMD導入の際の閣議決定に沿った形で、陸海空自衛隊の主要整備削減を打ち出している。
MDは約1兆円かかると見込まれ、その分を各自衛隊の装備削減で補うことになる。
中間案によると、海自は護衛艦が現行(04年3月末現在)の54隻から48隻に、固定翼哨戒機は80機から72機に削減し、潜水艦16隻、補給艦5隻は維持する。(後略)
「毎日」04/08/02
(私のコメント)
このようにして見れば、なぜ海上自衛隊が急に張り切りだしたのかが分かるだろう。護衛艦や対潜哨戒機を減らされては自衛隊の飯の食い上げになり職場が減ってしまう。そのために財務省からの予算を減らされないために、「始めて仕事をした」わけだ。時代の流れからすればミサイルなどの近代化を図らなければなりませんが、かといって従来の装備も減らして良いものと悪いものがある。
自衛隊も対テロ用の装備も整えなければならないし、ミサイル戦争に対する装備もする必要があるだろう。また平時のパトロール業務もあるし、敵は一番弱いところを突いて来るとすれば、あらゆる方面の備えは整える必要がある。強いて削減するとすれば対潜哨戒機は80機も必要ないだろうから、減らしたほうがいいだろう。