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先週の党首討論は歯がゆかった。イラクの日本人人質殺害事件を取り上げた岡田克也民主党代表の質問はこうだ。「自衛隊撤退要求を拒否したのはいいが、メッセージに人命を守ろうという心がこもっていない」。この攻め方では首相は永遠に困らないだろう。こんな議論で冒頭の4分の1を空費した組み立てと戦術が理解できない。
緊迫の論点はイラク全土に広がる治安悪化と自衛隊派遣延長の是非である。なぜ、これが最初にこないのか。岡田氏は最後にこれを聞いた。「非戦闘地域の定義は」と迫ると、首相が「自衛隊が活動する地域だ」と開き直り、議場はドッと沸いた。身もふたもないおかしさと笑いきれない違和感は「人生いろいろ」答弁に通じている。
違和感の本質は、自衛隊派遣政策の責任ある主体としての重みと議会に対する誠意に欠け、「言い負かされない、明るくてタフな小泉」の映像イメージを守り抜きたい執念だけが突出しているいびつさにある。岡田氏が乱暴な答弁に面食らったのはわかるが、準備したことをすべて聞こうとするから詰めが甘くなる。サマワで戦闘が行われる可能性を認めさせながら二の矢を継がず、自衛隊の安全確保に関する無策を際立たせることにも失敗した。
以上が、その名も国会審議活性化法(99年)に基づいて導入された党首討論の皮肉な現状である。自衛隊派遣打ち切りは難しいと思うが、非現実的な空論ではない。宣伝と冷笑ではなく、建設的議論を形成するために党首討論を休止し、党首以外も発言できる予算委員会中心の運営に戻したらどうか。(編集局・山田孝男)
毎日新聞 2004年11月15日 0時19分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20041115k0000m070118000c.html