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ブッシュ大統領の再選が確定的なようだ。日本はどのような外交戦略をもつべきか
http://www.asyura2.com/0411/senkyo6/msg/534.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 11 月 03 日 21:13:08:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu82.htm
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「朝から生テレビ」の「ブッシュVSケリー」
ブッシュ大統領の再選が確定的なようだ。

2004年11月3日 水曜日

◆「日本はどのような外交戦略をもつべきか?」

【岡崎久彦】

日米関係で中国問題が一番大きい。
アメリカと中国との頭越し外交を警戒すべきである。
日本は地政学的に見てアメリカと手を結ぶのが一番いい。
アメリカは大きな国だからいろんな外交的選択が出来る。日本にはない。
日本との同盟がアメリカにとって一番良い結果になる形を作るべき。
日米関係を米英関係のようにもって行きたい、西にイギリス東に日本があるのがいい。
日本の独自外交で安全と繁栄の傷をつけてはならない。

【森本敏】

アメリカは政権が変わっても対中政策は変わらない。
アメリカと中国とが価値観を共有できるのか。100%と言うことはありえない。

【重村智計】

中国は人権問題が解決しない限りアメリカとの同盟は出来ない。
その間に日本とアメリカとの関係強化して行くべき。
日本は先端部分の文明にくっついて行くべきだ。

【山本一太】

日本にとってアメリカと中国にパッシングされるのを防ぐのが戦略である。
ケリー政権になったら六者協議との中で日本がパスされることはないか。

【鳥越俊太郎】

日本はアメリカだけの同盟関係を重視していていいのだろうか。
アメリカは日本を利用してトランスフォーメーションの基地にしようとしている。
イランイラク戦争の時、日本だけがイランと関係を保った。
日本の独自外交はアメリカに潰されてきた。
日本はもっと複眼的に外交する事が日本の国益だろう。

【葉千栄】

中国のアメリカとの貿易額は日本より増加して来ており、経済的に止められない。
台湾問題で中国はアメリカに対しロビー活動を続けてきた。
中国はアメリカとの水面下にチャンネルがある。
共和党とも民主党とも第二のチャンネルで交渉している。
ケリーになったら北朝鮮にアメリカ政府高官が訪問するだろう。

【田中宇】

アメリカと中国は政治家どうしが交渉している。日本とアメリカは政治家が交渉していない。
日本の政治家はアメリカに対してただ従えばいいという形でやってきた。
日本はアメリカのネオコンの存在に気付いてなくて、言うと謀略史観だといわれた。
アメリカのボスに従って行くだけの日本のやり方は止めるべきだ。
日本のほうでもアメリカの事を研究すべきだ。

【原口一博】

競争におけるルールの共存が大切である。
アメリカは中国に投資しているから激しい対立はない。
日本の外交はアメリカ一色の見方は止めたほうがいい。


◆■11月の奇襲〜2004米大統領選の「落選保険」■ 佐々木敏
http://www.akashic-record.com/y2004/srprs.html

(略)保守本流は伝統的に「親アラブ・親産油国」だが、88年の米大統領選では現職の父ブッシュ大統領はこの傾向が強すぎてユダヤ系有権者に嫌われ、その影響力の強いリベラル系マスコミを敵にまわして落選した。息子のブッシュ(現大統領)も00年の大統領選ではユダヤ票をあまり取れなかったが、その後親イスラエル路線に切り替え、04年の大統領選にはユダヤ票を固めて臨んでいる。また、99〜04年に東欧諸国10か国が北大西洋条約機構(NATO)に加盟したり、01年の反テロ戦争で米軍がアフガンに進駐したりしたため、伝統的に米軍にはアクセス不可能と見られていた東欧や中央アジアの内陸国への進出が可能になり、保守本流の勢力圏はさらに広がった。
90年代以降の、これらの大きな変化で、非主流派は著しく劣勢になった。
追い詰められた非主流派(米民主党)は、利権のためには手段を選ばぬ「仁義なき戦い」に打って出た。90年代、米民主党のクリントン政権はアジア諸国に対して以下のような策をとったのである。

まず、97年には投機筋を使ってアジア通貨危機を起こして東南アジア諸国を苦しめ、米金融界に刹那的な利益をもたらした。

また、国情が不安定で国家分裂の危険もある中国を、なぜか「戦略的パートナー」と呼んでアジア外交の基軸に据えて中国の軍拡を容認し、逆に永年の同盟国・日本を軽視し、日米同盟の強化、とくに中国の不安定化に日米が共同対処するうえで重要なミサイル防衛構想(MD)を妨害しようとした。(略)

とくにひどかったのは日本経済の弱体化策だ。日米間には巨額の貿易不均衡(日本の対米貿易黒字)があるので、米民主党は「それを是正するには、日本企業の力が(対米)輸出よりも国内投資に向かう必要がある」という口実で、日本に内需拡大を求める外圧をかけ続けた。

それを受けて日本では、道路族、郵政族などの族議員を多数抱える自民党橋本派(野中広務元幹事長)を中心とする勢力が、内需拡大を名目にした「無駄な公共事業」を増やし、故意に日本の財政赤字を悪化させ、金融機関の抱える不良債権の処理(経済構造改革)も遅らせた。(略)

他方、04年の米大統領選の情勢は混沌としており、「内需拡大を求める外圧」という、橋本派の梯子をはずして小泉内閣を誕生させる原動力となった、米共和党のブッシュ現大統領が再選できるかどうか、五分五分の情勢になっている。

もしブッシュが落選しケリーが当選したら、また橋本派の族議員らが息を吹き返して「日本弱体化」を意図した経済政策が始まるのではないか、と筆者は04年9月頃は少し心配していた。

が、たとえケリーが当選しても、もう米民主党と橋本派が結託した「日本弱体化政策」はできないのではないか。
ダイエーに代表されるバブル期の不良債権処理はヤマを越した。また、族議員の「息の根を止める」郵政民営化政策に、04年9月、小泉はいちおう踏み出した。
米保守本流は、たとえブッシュが落選しても、米民主党の「日本弱体化政策」が復活しないように、この9〜10月に小泉内閣に「健全な外圧」をかけて大あわてで、郵政民営化と、ダイエーの不良債権処理の道筋を付けた……筆者にはそう見えるのだ。(略)


(私のコメント)
今回の大統領選挙はどうやらブッシュ大統領が再選されそうな感じだ。最終的にはオハイオ州の最終的な票の確定が出来ないと決定は出来ないかもしれませんが、これだけ現職大統領が接戦になったのは、やはりイラク問題が争点になったのですが、地方においては海外の問題より、キリスト教福音派の宗教組織票が効いているようだ。

議会選挙でも共和党が上院下院とも共和党が勝利した。ケリーが勝つだろうと予想していましたが、やはりまとまった宗教組織票が勝敗を決したようだ。ケリーが勝った州を見るとアメリカの東北部と西海岸に限られている。中西部と南部はブッシュが全州を押さえてきれいに二つに分かれた。

民主党のエドワーズ副大統領候補の州ですら共和党が勝ったのだから、かなり票は固定的である。テレビでも開票速報をまるで自国の大統領のように報じていますが、キリスト教福音派の宗教組織票のことは一言も触れていない。しかしこの事がわからないと、なぜブッシュ大統領が勝てたのかわからない。アメリカはすでにキリスト教原理主義の国と見ていいのだろう。

佐々木敏氏は共和党びいきの人のようですが、日本の自民党とアメリカ共和党のつながりの深さを感じさせることを書いている。小泉首相や武部幹事長が大統領選挙中にもかかわらずブッシュ大統領を応援するような発言をしていましたが、アメリカ大統領選挙の結果が実質的に日本の政治活動にも大きく影響を与えると言うのだろう。

だからクリントン大統領が92年に選ばれて登場した時に日本の自民党はパニック状態になった。アメリカの民主党にはほとんどパイプがなく日米の経済関係がギクシャクし始めたのは当然なのだろう。そして始めて非自民政権も誕生して、村山社会党党首の内閣すら登場した。アメリカの民主党としても日本におけるパートナーを求めていたのだろう。

90年代にクリントン政権の日本におけるパートナーになったのは、自民党内における親中国派だった。実際には橋本派がその受け皿となり野中広務氏が実力を持ち始めた。橋本内閣のもとで日本弱体化させるべく政策が行われたのも、クリントン大統領と橋本首相の連携によるものだ。もし共和党の政権だったら「失われた10年」はなかったかもしれない。

ブッシュ大統領がイラクでもたついても、これほど選挙で強くなったのもユダヤ票とキリスト教福音派の力を借りているからだ。だからこそ共和党といっても保守本流ではなくネオコンが主導権を持つようになった。そのことが日本においても中曽根氏の引退や西武の堤氏の引退など世代交代にも現われている。

アメリカの民主党にとって一番痛いのがユダヤ人の分裂であり、ケリー氏も極めてユダヤ人に近い存在なのですが、ソロス氏のような国際金融派とネオコンのようなシオニストに分かれた事が民主党を弱体化させた。外交においてもブッシュはイギリスのブレアと日本の小泉の支持を取り付けてイラクに侵攻した。その反面アメリカの民主党を支援する国は中国と韓国ぐらいだ。

今日のテレビで「朝から生テレビ」でアメリカの大統領選挙の討論が行われていましたが、司会者から見て右に座っていた岡崎氏や森本氏や山本一太氏などはブッシュが勝ってほっとしていることだろう。これで日本はますますアメリカのトランスフォーメーションの基地化して米英日の三国同盟は強化されてゆくのだろう。岡崎氏はその政策の強力な推進者だ。

岡崎久彦氏が言うように日本は米英と手を組む事が唯一の選択肢なのだろうか。それはアメリカがこれからも変わらない事が前提になっている。しかしイラク戦争に懲りてアメリカは孤立化政策をとった場合、日本やイギリスは見捨てられることになる。これから民主党政権が出来た場合そうなる恐れもある。だから岡崎氏はあまりにもアメリカ中心に見すぎている危険性がある。

さらに田中宇氏が指摘したように、日本のアメリカの研究が偏っており、ネオコンの存在を認識するのに遅れをとったように、アメリカに対する研究がお粗末だ。さらにはアメリカに民主党政権が出来た時の日本の受け皿がない。日本の民主党もアメリカの民主党とはほとんどパイプがない。自民党が共和党と手を組んでいる以上、日本の民主党もアメリカの民主党もいずれは手を組まざるを得ないだろう。


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