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豪州あす総選挙 与野党互角の情勢 対米関係、太平洋安保に影響も
【シンガポール=藤本欣也】オーストラリアで九日、今後三年間の安全保障、外交政策などを占う総選挙が実施される。四期目を狙うハワード首相(六五)の与党・保守連合と、レイサム党首(四三)率いる最大野党・労働党との一騎打ちで、世論調査では保守連合が若干リードしているものの、ほぼ互角の情勢だ。イラク戦争の主要参戦国の米、英、豪で行われる最初の大型選挙で、投票の行方が注目されている。
「フセイン(イラク元大統領)を除去する行動に加わったことが誤りだったとは考えていない。経験に乏しい若い指導者には国政を任せられない」(ハワード首相)
「ハワード氏は偽りの目的によりオーストラリアを戦争に巻き込み、わが国は安全ではなくなった。信頼が地に落ちた指導者は退陣すべきだ」(レイサム労働党党首)
与野党は七日、「イラクに大量破壊兵器はなかった」とする米国の最終報告書が発表されたのを受けて持論を激しく戦わせた。しかし実際にはイラク戦争をめぐる論戦は久しぶりのことで、選挙戦で“イラク”は大きな争点になっていない。
現在、イラクとその周辺に約八百五十人の豪州部隊が駐留しているが、レイサム党首は当初、「労働党が政権をとれば大半をクリスマスまでに撤退させる」と表明。しかし、豪州にとって第二次大戦後の安保の要である米国との関係悪化を懸念する国内世論が予想に反して根強かったことから軌道修正。「イラク撤退」を前面に出さなくなった。
代わりに労働党は、「対米関係だけでなくアジアとの協調や国連外交も重視しなければならない」と主張。与党が、テロ対策として近隣諸国のテロ組織への先制攻撃を容認し、インドネシアなどから反発を招いている点を突いた。さらに、党首の若さを強調して新鮮さをアピールする一方、内政面では高齢者の医療費無料化などを掲げた。
ハワード政権は一九九六年の発足以来、対米関係を最優先する外交路線を歩んできた。米軍再編を進めるブッシュ米政権も、アジア太平洋地域の安保体制において豪州は日本と並ぶ大きな柱と位置付けている。野党が政権を奪取すれば、イラク撤退論議が再び浮上するのは確実で、アジア太平洋の安保体制に影響を及ぼす可能性もある。
九月のジャカルタの豪大使館爆弾テロ事件後、反テロ戦の徹底を訴えるハワード政権が支持を伸ばしたが、最新世論調査では、保守連合50・5%、労働党49・5%と依然伯仲している。投票は即日開票され、九日中に大勢が判明する見通しだ。
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≪豪州総選挙≫ 下院(定数150)の全議席と上院(同76)の40議席の改選が行われる。下院(小選挙区制)の投票方式は、有権者が選挙区の全候補者に優先順位を付ける「優先順位付き投票制」。過半数の票を獲得した候補者がいない場合、下位候補者の票が優先順位に従って他の候補者に振り分けられる。下院の任期は3年。投票は義務付けられている。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/08int002.htm