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シアヌーク国王「退位宣言」 内政めぐり抵抗か カンボジア
【バンコク=岩田智雄】カンボジアのラナリット下院議長は七日、北京に滞在中の実父、シアヌーク国王(八一)が退位を宣言したことを明らかにした。国家元首である国王は終身制が憲法に明記されており、この「退位宣言」だけでは法的根拠が不十分で、退位実現には今後、改憲手続きが必要となる。
国王は「健康上の不安」を理由にこれまでも「退位」の意向をたびたび表明していた。このため「退位」をめぐる真意に疑問も指摘される。ラナリット議長は王位にとどまるよう願うとしている。
ラナリット議長は同日、プノンペンの下院議場で国王から送られた書簡を読み上げて、この「退位宣言」を公表した。下院はこの書簡朗読後、同日の審議日程を打ち切り休会となった。
カンボジア憲法が定めている国王選定評議会は、国王の死去から七日以内に新国王を選出することになっている。王位継承権は、十九世紀のアン・ドゥオン王の血を引く男子全員にあり、該当者は末端まで含めれば数百人ともいわれる。評議員を首相や上下両院議長、宗教指導者ら九人で組織することは憲法で決まっているものの、具体的には法律で定めることになっている。しかし、法律は未整備のままで、国王はたびたび起草を急ぐよう求めていた。
国王が六日夜、ホームページ上で明らかにしたラナリット下院議長とフン・セン首相の連名による書簡によると、国王選定評議員になる資格を持つ両氏は「(国王の実子である)シハモニ殿下に将来の国王になっていただくよう申し出たい。法の起草については、すでに議員に要請している」として、後継にシアヌーク国王がこれまで地位を譲りたいとしていたシハモニ殿下を選ぶ意向を示した。
また国王は、今年一月以来、平壌と北京に滞在しており、この日帰国することになっていたが、ラナリット下院議長が同日になって、帰国の延期を発表した。
カンボジアでは昨年の総選挙から約一年間、連立をめぐって政局が混迷した。国王に政治的権限はないが、もともと権力に意欲があるシアヌーク氏は、積極的に仲介役を買って出て、一時は連立合意の取りまとめに成功した。国王の威信を回復したかのように見えたがその後、合意は解消され、連立協議では完全に蚊帳の外に置かれ、顔をつぶされた形になった。
このため、今回の「退位宣言」も、政局混迷の中で威信を傷つけられたことへの抵抗にすぎないとの見方も根強く、今後の動きが注目される。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/08int003.htm