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http://www.janjan.jp/media/0412/0412031288/1.php
ウクライナ選挙をアチラ側からのぞいてみると 2004/12/07
欧米の大メディアの発表するニュースと、それをそのまま訳しただけの国内の報道を見ていると、世界は相変わらず「良いモン」と「悪モン」の二極対立で成り立っているかのようである。
欧米の利にならない国は独裁国か、テロ国家とされる。反対に、同じことか、もっとひどい事をしていても、欧米の意にかなえば民主化の象徴となる。そんな状況にいわば「言われっぱなし」の側から風穴を開けたのが、イラク戦争におけるアルジャジーラだった。米英が伝えて欲しくないことを、お構いなしにどんどん流す。アラブの立場から、イラクで何が起こっているのかを世界に伝え続けた。
同じことが、エリツィン時代に腐敗の極みを尽くし、西側と手を組んだ新興財閥が好き勝手に操ることのできたロシアについてもいえる様だ。
ロシアを都合よく実質解体させる寸前で待ったをかけたプーチン政権は、しばしば欧米のマスコミから、強権色を強める「悪者」として報道される。当然ロシア側も反撃に出るわけで、欧米に都合の悪いことをせっせと報道している。衛星を使って、ロシアの生のニュースで見るウクライナ選挙の「市民革命」の胡散臭さは、テレビ朝日やNHKなどの報道からは、全く伝わらない。
ウクライナでは決選投票の結果が出るや否や、即座に独立広場を野党候補ユシチェンコ派のオレンジ色の旗が埋め尽くした。そこに集まる支持者たちは、身分証を提示して一日50グリブナの日当を受け取っている。いつでも無料で暖かい食事が提供され、防寒具なども用意されている。ウクライナでごく普通の公務員をしている知人の給料が1カ月500グリブナであることから考えると、この10$相当の日当は破格だといえる。もし報道どおり10万人以上の人が毎日集まっているとすると、その日当、食費などだけでも莫大な金がかかるはずだ。
では、一体誰が、これほどの金を出しているのか?ブッシュ大統領に公式に反対の意を唱えた、あのジョージ・ソロス基金である。ソロスは選挙に先立ってキエフを訪問しており、ユーゴスラビアやグルジアで行ったような「市民革命」の手ほどきのために、ユーゴの経験者を指導者として送り込んでいるという。薫陶よろしく、彼らの革命の手順は、スローガンから旗のデザインにいたるまで、1から10までそっくりだ。まさにフランチャイズ革命である。
グルジアの政変の時、市民はバラの花を手に行進し、「バラの革命」と名づけた。
今回ウクライナのユシチェンコ支持者たちが、政府の建物の前で警護に当たる機動隊の盾にカーネーションをさしているのを見て、私は名状しがたい不快感に襲われた。それは、私たちがイラク戦争に反対するデモをして、人々に風船を配ったりしていた姿と、重なったからである。
欧米の支持した政変のあとのグルジアで、一般市民はいまだに先の見えない極貧の中にいる。ユーゴでは、家を失い、選挙に参加できなかった数十万人のセルビア人がいた。市民運動の姿まで、世界を操ろうとする力に利用されている。戦争でもうけるブッシュとネオコンにつくのか、民主主義をかたって、自分の利のために他国の人々の生活を踏みにじり、世界を意のままに動かそうとするソロスら中道主義者たちに従うのか。
どちらにも与さないで行きたいのなら、今、我々各人が何を是として生きていくのかを考え、求めるべき世界の具体的なビジョンをはっきりと持つことが、急務なのではないだろうか。
(不破理江)