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陸自幹部の改憲案「悪いことじゃない」 小泉首相
・・・喜多 武司・・・
小泉首相は6日昼、陸上自衛隊の幹部が憲法改正案を自民党憲法改正案起草委員長の中谷元・元防衛庁長官に提出していた問題について「よく状況は分かりませんけど、専門家の意見をきくことは悪いことじゃありませんね」と記者団に語り、一定の理解を示した。細田官房長官は同日午前の記者会見で、政府として調査しているとしつつ、「1対1の個人間の依頼であり、それに対する答えだと聞いているので、その限りではあまり問題はないのではないかと思っている」と語った。
一昔まえでは公表は考えられない陸自幹部の憲法改正案が、国民の前にさらけだされた。というか、おれたち国民が権力者によって試されている。国民の反応をみようというので記者クラブをとおして流されたニュースだ。案の定、ほとんど国民は反応を示さなかった。陸自幹部というのは公務員だ。公務員は憲法擁護義務があるんだ。ちゃんと憲法99条に書いてある。そこが日本国民の常識となっていない。なんせ長年の受験戦争では憲法問題なんかほとんど入試には出題されない。若い生き生きとした頭脳をもつ若者に憲法の真髄など勉強されて、権力に刃向かわれたんではかなわないからだ。60年・70年安保で学生パワーには権力側はもうこりごりだ。
憲法と言うのは権力者が勝手なことができないよう規制をする足枷法だ。納税の義務など国民にタガを嵌めている条項もみられるが、ほとんどは権力者よ、勝手なことばかりすんなよ、とおれたち国民が権力者に突きつけている条件なんだ。
ところがどうだ。始めは陸自幹部から中谷・前防衛庁長官に改憲思案を提出した。防衛庁の怖いところは暴力装置をもっている官庁だ、ということだ。いつでも暴力という力で国民をねじ伏せられるんだ。それが憲法違反の改憲思案を中谷・自民党憲法改正案起草委員長に提出したんだ。ここで国民は怒らなくてはいけないところだが、戦後60年に及ぶ国民総フヌケ政策が功を奏して、若干のジャーナリストや法律家からの異議申立ての声だけで萎んでしまった。それをみたコイズミ首相、機には敏な人だから、(こりゃ,国民の反対の声も大きくならないようだし、もう一押しだ)とばかりに上記の発言へと拡大する。
それでも事の重大性を現時点で感じている人間は少数にとどまるのだろうか。戦前もこんな感じで小出しに小出しに為政者の都合のいい方向に社会をもっていったんだろう。とりあえず自分の生活には直接影響を与えないから、大多数の国民は深く考えるでもなく、日常の世事に埋没した。その結果が敗戦時の全国民の徹底的な生活破壊であった。
また今回も国民は黙っているのだろうか。真実を伝えるという本来の仕事を放棄したジャーナリストが多いが、今回も記者クラブで垂れ流された情報を流しつづけるのであろうか。読者諸君、君らだけは、せめて事の重大性を認識してくれ。2004年12月6日のコイズミ首相の発言をよく覚えておくんだ。
2004年12月6日 喜多武司
http://perso.wanadoo.es/takeshi/kaiken041206.html