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「振り込め詐欺」に遭って約245万円を振り込んだ長野県内の被害者が、警察を通じて振込先の銀行口座を凍結した後、口座名義人を相手取る損害賠償請求訴訟を起こし勝訴したとして、原告代理人が20日、記者会見した。
銀行側は凍結中の被害金全額を返還する見通しという。
代理人の山内道生弁護士らによると、今年4月、南安曇郡内の40歳代の男性宅に、警察官を名乗る男から電話があった。男は妻に対し、男性が交通事故を起こしたため、相手の治療費などが必要と説明して245万円余の振り込みを指示した。振り込み後に妻が男性と連絡を取ったところ、詐欺と判明。警察に被害を届け出て、連絡を受けた銀行が現金引き出し前に口座を凍結したという。
代理人は、口座名義人の氏名や住所などの開示を求めたが、銀行側は守秘義務を理由に拒否。このため、男性は、氏名不詳の犯人と銀行を相手取り、長野地裁松本支部に提訴した。
銀行側が民事訴訟法の規定に基づき、訴訟を告知した利害関係者として、かつて東京都港区に住んでいた口座名義人の氏名などを明らかにしたことから、原告側は名義人だけを相手取って訴訟を続けた。
名義人は現住所も、犯人との関係も不明で、1度も出廷せず、同支部は今月9日の判決で、被害金の支払いを命じた。
(2004/12/20/22:19 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041220i214.htm