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「あいつ怪しい」元警察トップに職質
http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-041207-0004.html
国家公安委員長を務めた白川勝彦元衆院議員(59)が、東京・渋谷の路上で警視庁渋谷署員に職務質問を受けていたことが6日、分かった。白川氏の顔を知らない若手警察官4人から突然、体を触られ所持品を見せるよう求められた。拒否したところ、数十分にわたって囲まれ、押し問答の末、同署に移動、幹部がやっと白川氏であることに気付いたという。白川氏は「自由主義社会でこんな違法かつ無礼なやり方は許されない。このままでは警察国家になる」と抗議している。
白川氏によると、トラブルが起きたのは11月11日午前。銀行に用があり、私服で道玄坂を歩いていたところ、突然、渋谷署の若い制服警察官4人に囲まれた。反射的に身構えたが、ほぼ同時にズボンのポケットの上などを次々触られ「ズボンのポケットの中を見せなさい。財布を見せなさい」と言われたという。
4人は、元国家公安委員長とは気付かず高圧的な態度。白川氏は「何でポケットのものや財布を見せねばならないのだ」と拒否したが、4人は取り囲んだまま「怪しいものを持っていないのなら見せなさい」と迫ってきたという。当時、風邪で寝込んでいたため、白川氏の髪はやや乱れ、ひげも少しあったが、「何ら不審な行動をしていなかったし、隠すべき物もなかった。なぜ職務質問したのか逆に聞きたいほどだ」(白川氏)。
白川氏は弁護士であることを告げ「警察官職務執行法では身体検査的に私の体を触ることは許されていない」と主張。警察官側は「許されている」として数十分間、押し問答が続けられた末、白川氏は渋谷署長に抗議するため、警察官とともにタクシーで同署に乗り込んだ。同署で96〜97年に国家公安委員長を務めた経歴を明かしたが、中堅幹部は白川氏と気付かず、その後、副署長が初めて「白川先生」と気付いたという。
自由主義を政治理念とする白川氏は「数十分も私の行動の自由を奪い、体を触るような職務質問は警職法からみて違法だし、自由主義社会で許されるはずがない。このような横暴な職質は日常的に行われている可能性があり、怒って抵抗して公務執行妨害で逮捕される人が出る危険性があり、恐ろしいことだ」と指摘。「私はだれよりも『強い警察』が日本に必要と思っている。ただし、強い警察をつくる道はただ1つ『国民から信頼される警察』になることだ。今回のような職質をしていたら、だれも警察に協力しなくなる。そして警察国家になってしまう恐れがある」と“訓示”した。
渋谷署では「職務質問したのは事実。具体的な内容をあれこれ言うつもりはないが、適法かつ妥当な職務質問だったと思っている」としている。