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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041129k0000e040078000c.html
インターネットに「闇サイト」がまん延し、これを利用した犯罪が横行している。携帯電話や他人名義の銀行口座、偽造運転免許証などが取引され、おれおれ詐欺や架空請求、偽装結婚など犯罪の「道具」として悪用されている。事件の「実行役」が募集され、見知らぬ同士が共謀して詐欺や強盗事件を起こすケースも少なくない。匿名性の高いサイトを利用した犯罪に、捜査当局も手を焼いている。【立山清也、川上晃弘】
「1日5万円は確実です。メール下さい」。こんな勧誘文句でインターネット上で詐欺を持ちかけた男2人と実行役の男が今月10日、警視庁に逮捕された。3人は偽造運転免許証を身分証明書として悪用し、消費者金融から40万円を詐取しようとし現行犯逮捕された。
2人が闇サイト「闇の職業安定所」に求人を掲載、応募したのが実行役の男だった。2人は実行役と直接会って詐取方法を説明。男の顔写真を受け取ると、同じサイトで見つけた偽造団に顔写真を渡して免許証偽造を依頼し約10万円で購入。2人は同様の方法で実行役を募集し、十数件で約500万円の詐欺を繰り返していたとみられる。
愛知県では6月、強盗団が強盗未遂容疑で逮捕され、東京都内でも今月、テレビ局関係者を名乗る男4人が強盗傷害容疑などで逮捕された。いずれも「闇の職業安定所」で募集した男らが、実行役となっていた。
こうした犯罪は、サイトの匿名性を悪用しているのが特徴だ。「飛ばし携帯あり」「口座あります」「養子縁組できる方募集」などと、「道具」や「実行役」を募集。ネットカフェのパソコンや闇サイトで取引された携帯電話を使い、追跡捜査を困難にしている。応募する側も、小遣い稼ぎで口座を転売したり、定職を持つ人が実行役に募集するケースもある。
転売口座の悪用を防止するため、今国会で改正本人確認法が成立する見通しだ。サイトで口座の不正取引の勧誘や広告掲載をした場合でも50万円以下の罰金が科されるが、サイトそのものの規制はできない。警視庁幹部は「一般の人が罪の意識もなく犯罪に手を染める環境になりつつある。ただ『もうかります』と書き込んだだけで摘発したり、サイトを規制することはできない」と話している。
◆規制は難しい
ネット問題に詳しい秋山知文弁護士の話