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消費者金融などから多額の借金をしていた妻を絞殺し、懲役刑で服役している男性(76)と長女が、家庭を崩壊させられたなどとして計約90業者を相手取り、男性と死亡した妻に対する総額1000万円の慰謝料などを求めた訴訟の判決が19日、さいたま地裁であった。
石原直樹裁判長は「限度を著しく逸脱した取り立ては、脅し取ったことと何ら異ならない。取り立て行為で追いつめ、最終的には殺害という形で家庭を崩壊させた」として、43業者に対し計600万円を支払うよう命じた。
判決などによると、被告業者はいずれも、出資法の上限を超える金利で貸し付けをするヤミ金融業者で、当時さいたま市で暮らしていた男性と妻に現金を貸し付け、2002年5月ごろから8月ごろまでの間、昼夜問わず電話をかけ、「詐欺師」などと書いた紙を新聞受けに投げ込むなどの執ような取り立てを行った。
男性は数千万円に膨らんだ借金の返済に窮し、妻と心中未遂を繰り返した末、「殺してやる方が妻の幸せ」と決意し、同年9月に就寝中の妻の首をひもで絞めて殺害、自ら警察に通報した。控訴審で懲役8年の刑が確定、現在は栃木県の黒羽刑務所で服役している。
男性らは昨年5月に提訴。被告業者の一部は和解に応じたが、ほとんどは連絡が取れず、所在が確認できた業者でも、準備書面や答弁書を提出せず、口頭弁論などにも出なかった。
(2004/11/20/00:14 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041119it15.htm