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物証が乏しく、事実認定が難しいとされる痴漢犯罪で、容疑者の手のひらに付着した繊維片など微物の科学鑑定を大阪府警が導入し、「女性の敵」の摘発に大きな効果を上げている。
微物が被害者の着衣などと合致すれば有力な物証となるためで、府警はこれまでに否認事件で計4件の鑑定を実施し、「証拠」を突きつけられた容疑者は全員、犯行を自供したという。
微物鑑定は、殺人事件や交通捜査などでは一般的に行われているが、警察庁によると、痴漢犯罪での採用は全国でも例がないという。
府警が微物鑑定を初めて導入したのは昨年9月。阪急京都線の電車内で女子大生(当時21歳)の下半身を触り、府迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕した大阪府茨木市の会社員(58)が「覚えがない」と否認した。
このため、府警は、会社員の左の手のひらに付着した微物を特殊フィルムで採取し、科学捜査研究所で光を当てて物質の組成を調べる「顕微分光光度計」などを使った鑑定を実施した。その結果、女子大生のズボンの生地と同一の染料を使った繊維片と判明した。
府警によると、頑強に否認を続ける容疑者に微物鑑定を始めたという。これまでに会社員を含む3人が起訴、1人が捜査中で、いずれも鑑定結果が出た後、容疑を認めた。
(2004/10/18/14:49 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041018i406.htm