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臨死体験研究読本―脳内幻覚説を徹底検証 石井 登 (著)、と批評文
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投稿者 XL 日時 2005 年 1 月 05 日 14:23:38:5Sn8OMNzpaIBE
 

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臨死体験研究読本―脳内幻覚説を徹底検証
石井 登 (著)

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書籍データ


単行本: 351 p ; サイズ(cm): 19 x 13

出版社: アルファポリス ; ISBN: 4434025414 ; (2002/11)

おすすめ度: カスタマーレビュー数: 2 レビューを書く

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レビュー

内容(「MARC」データベースより)
脳内幻覚説の限界を暴く! これまでの様々な説、研究を紐ときながら、科学面、宗教面から一つ一つ臨死体験の謎に迫る、臨死体験研究本。

著者 石井登
臨死体験を脳の幻覚とする科学的理論の限界を明らかに 臨死体験者は、なぜ生き方をプラスの方向に激変させるのか、なぜ深い意識変容をとげるのか。この謎を、これまでの膨大なデータをもとにとことん追求し、さらに臨死体験を脳の幻覚とするとする代表的な科学的理論の矛盾と限界を明らかにしました。臨死体験には、脳の見る幻覚以上の意味があることを丁寧に論証し、科学的物質主義を超えた視点から生と死を見直しました。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石井 登
1949年東京生まれ。1978年東洋大学大学院文学研究科博士課程終了。1982年より埼玉県立高等学校教諭。教職のかたわら、専門の現象学のほか、人間性心理学、トランスパーソナル心理学、さらに臨死体験を含む精神世界関連の分野に研究の関心を広げ活動中


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目次

第1章 臨死体験の不思議
第2章 さまざまな意識変容
第3章 宇宙意識の目覚め
第4章 脳が生みだす幻覚なのか―臨死体験の科学的研究(一)
第5章 体外離脱は真実か―臨死体験の科学的研究(二)
第6章 成長と自己超越
第7章 光と悟り
終章 科学の限界を超えて

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カスタマーレビュー
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19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

評価4 久々の臨死体験研究書, 2003/02/04
レビュアー: saizyo_k (プロフィールを見る)   京都市
 一時期ずいぶん翻訳出版されたのが嘘のように臨死体験関連の書物は見かけなくなった。ブームが去ったのだ。特に日本人の書いたものとなると、立花隆『臨死体験』が別格的巨峰としてそびえ立ってはいるものの、ブームの前にもあとにも目立った書物はほとんど出版されていない(臓器移植問題の絡みだと言われている)。

 そんな状況の中で、著者・石井のぼる氏はあえて自らの研究成果を世に問うた。しかも中心となる内容は「唯物論的な立場にたった臨死体験研究書として、いまのところ最も優れた成果を上げている」(加瀬秀明)と言われるスーザン・ブラックモアの研究(『生と死の境界』)に対する批判、ほとんどの研究者が避けて通った人格変容という2大難関である。

 ブラックモア批判の中心とな!!ているのは、体外離脱の科学的検証部分である。そしてそのブラックモアはマイケル・B・セイボムの研究(『「あの世」からの帰還』)を批判している。できればこの3冊を付き合わせて読むのが望ましい。いずれも優れた研究書であることは保証する。

 もうひとつの人格変容は、残念ながらまだ万人、特に懐疑主義者を納得される域には達していない。ただ試みは評価できるし、今後のさらなる研究に期待したい。

 石井氏の筆は、誠実で明晰である。先ほど述べたように、ブラックモアとセイボムと並べて読めばこの点は分かってもらえるだろうと思う。研究もやや弱い部分はあるものの、石井氏が民間人であることを考えれば充分な成果であると言える。


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評価5 臨死体験に興味を持つ人には必読の書, 2002/11/22
レビュアー: きんなら (プロフィールを見る)   東京都 Japan
 日常の中では忘れたふりをしているが、私たちの頭の中から決して離れないものがある。それが「死」である。死すべき運命を逃れる人間は誰一人として存在しない。その厳然とした事実が私たちの心の中に持続低音のように鳴り響き、人生に「苦」の暗い色彩を混入させているのである。私たちは、いつか自分自身の死と向き合わなければならない。

 近年になって「臨死体験」という事象が広く報告されるようになっている。これは瀕死の状態から生還した人々が、超越的な光などの体験をし、意識の変容を体験するというもので、物質還元主義者にとっては困惑させられる現象の一つである。欧米を中心に、膨大な事例が蓄積されており、また、その現象の解釈をめぐって、物質還元主義者とそうでない人々の間に激!!い論争がある。物質還元主義者は、この現象を「脳内幻覚説」として説明し、物質主義に毒された世間では広く受け入れられている。

 石井氏は、インターネット上で研究成果を発表している在野の研究家である。「臨死体験研究読本」は、その研究成果を集大成したものであり、「脳内幻覚説」を批判する立場から広範な事例を参照した上で、さまざまな説を論理的に検証し、「脳内幻覚説」に対する包括的、かつ、詳細な批判を試みている。石井氏は、「臨死体験によってなぜ意識の変容が生じるのかを説明できない」という点が脳内幻覚説の決定的な問題点であるとしているが、私もこれに賛成である。

 人間は単なる肉塊以上のものではなく、心や魂は幻想であり、何の価値もないという考え方が日夜宗教のように喧伝!ているが、このような考え方からは、生きる意味、価値は決して見出すことはできない。臨死体験者の多くが人生に積極的な意味を見出したのは、人間とは決してそうではないとの確信を得られたからである。

 生と死、人生の意味などを探求している読書人に是非一読を勧めたい。


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