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黒澤明監督の名作「椿三十郎」の登場人物だったのですね。
http://www.asyura2.com/0411/idletalk12/msg/576.html
投稿者 縁側の昼寝 日時 2005 年 2 月 05 日 15:49:40: .nwWTHM0nFkw2
 

城代家老睦田さんて、――「椿三十郎」1962・黒澤プロ=東宝――、その中での伊藤雄之助さん扮する役どころです。映画は昔見ましたけれど、登場人物まではすっかり忘れていました。Googleで調べてみました。

加山雄三さんも初々しい若侍でしたし、城代家老睦田の奥様とお嬢様役の入江たか子さん、団 令子さんのとぼけた味も味がありました。

なんだか、筋立てが今回のひと騒動と重なって見えたりして不思議です。

さしずめ、クエスチョンさんは主人公の三船敏郎演ずる所の椿三十郎なのでしょうか。
でもあの方っておっしゃっているお年の割にはヤンチャなところがあるので、同じ黒澤映画でも「七人の侍」の同じく三船演ずる菊千代がピッタリなような気がいたしますわ。


「椿三十郎」のあらすじ。

http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/Tubaki%20Sanjyurou.htm
物語

荒れ果てた神社の社に若い侍が9人集まり、相談事をしていた。
どうやら、城内に贈収賄がはびこっているのを察知した井坂(加山雄三)らが、悪事を一掃しようと決起したらしい。井坂は、伯父の城代家老、睦田(伊藤雄之助)に9人でまとめた意見書を提出し、対応を迫ったのだが、睦田はそれを拒んだのだと言う。

井坂 「伯父は言った。・・・俺がその汚職の黒幕かもしれないぞ・・・人は見かけによらないよ・・・危ない、危ない・・・悪い奴はとんでもないところにいる・・・」 その上、睦田は意見書を破り捨てたのだ。
井坂 「・・・それで俺は伯父に見切りをつけて、大目付の菊井(清水将夫)さんのところへ行った」
寺田 「菊井さんはどうだった?」
井坂 「やっぱり菊井さんは話しがわかる!」 大目付の菊井は井坂の話しを聞いて「この際、若い人たちとともに立ちましょう、あなたの仲間を集めて欲しい」と言うのだった。

全員の顔が希望に燃えた時、社の奥から「フア〜イ」と声がして、一人の薄汚れた浪人(三十郎・三船敏郎)が現れたからその場が殺気だった。
三十郎 「お前等の話しを聞いていると、岡目八目、当人よりも状況が良く解る」 と言い、意見を述べた。
それによると、菊井の方が黒幕ではないかと言うのだ。「悪い奴はとんでもないところにいる、危ない、危ないだぜ」

その時、三十郎が外の異変に気付く。社を遠巻きに多数の侍が迫ってきていた。「そら、見てみな・・・」 若侍たちは血気だったが、三十郎は言った。「俺にまかせな」
「大目付、菊井の手の者だ!全員出よ!・・・」社を取り囲んだ侍が叫んだ時、フラリと出てきたのは三十郎だった。「なんだ、なんだ、人が寝ているのに・・・」 そして、社の中に入ろうとした侍たちをこてんぱんに叩きのめす。
「引け、引け!」 大木のふもとに眼光鋭い男が立っていた。「もう、ここには居るまい、それに、この男を片付けるにはそうとう手間が掛かるぞ」 
男は三十郎に近寄った。「・・・仕官の望みがあるなら俺を訪ねて来い。俺の名は、室戸半兵衛(仲代達矢)」

社の中で9人の若侍が三十郎の前に手をついて頭を下げていた。「お前たちのやることは危なっかしくて見てられねえ!」
ここから、血気盛る若侍たちは、三十郎の指示のもとに活動を開始する。

城代家老の睦田が捕らえられ、夫人(入江たか子)と、娘の千鳥(団令子)も監禁されていた。
三十郎たちは、夫人と千鳥を救出し、見張り役の一人(小林桂樹)を捕らえた。夫人と千鳥はおっとりした上流女で、三十郎はイライラする。
「あなたは、少しギラギラし過ぎます。抜き身みたいに・・・本当にいい刀は鞘に入っているもんですよ」 などと説教するのだった。

夫人と千鳥をかくまった家は若侍の一人の家で、菊井の仲間の黒藤(志村喬)の屋敷の隣だった。捕らえた見張り役は城代家老の監禁先を言わないので押入れの中に閉じ込めた。

黒藤の屋敷の茶室で悪党どもが策を練っていた。黒藤、竹林(藤原釜足)、それに菊井である。そこへ、室戸半兵衛も現れた。どうやらここが悪の相談場所であるらしい。反逆の輩をおびき出すため、偽の囮籠を出す相談であった。
偽の囮籠を追って侍たちが動き出した。しかし、三十郎は気のりしない。町外れまで追ってきた侍たちは、いざ!籠を襲うという時、別の一団が籠を追って来た。「護衛する」と、馬上の武士が叫んだ時、「身命にしろ!」と、多数の侍が現れたのである。
草むらに隠れていた三十郎たちは、ほうほうの体で引き上げた。

「菊井の所へ行って来る」と、三十郎が立ち上がった。「え!?」と若侍たち。「売り込みに行くのよ・・・」 
黒藤の屋敷の門から室戸半兵衛が出てきた。「よー、来たな」半兵衛は三十郎を見ると歓迎した。
半兵衛と三十郎が外出するのを井坂たち若侍の4人が後をつけた。三十郎が敵に寝返るのではと信用できないのである。
半兵衛が「?!」と気付く。やがて塀の陰に潜んだ二人は追って来た4人を気絶させ、縛り上げた。

黒藤の屋敷の庭に縛り上げられた4人の若侍がいた。多数の見張りが周りを囲んでいる。半兵衛が出かけた。三十郎はいらだっていた。「とんだ手間を取らせやがって・・・」 そして、刀を抜くと、4人の縄を切った。「何をする!」 見張りたちが叫ぶ。「見たとおりよ、逃がしてやるのさ・・・」「??」
瞬間から、凄まじいバイオレンスが開始された。数十人に及ぶ見張りたちを手当たり次第に斬り倒す三十郎。まさに多数の暴徒の仕業としか思えないほどの所業である。

半兵衛が戻った時、黒藤の庭には、多数の死体と、縛り上げられうめいている三十郎が転がっていた。「何てざまだ!」半兵衛に縄を解かれた三十郎は頭を掻いた。「面目ねえ、ああ、多くちゃ手が出ねえ・・・しかし、あの青侍の面は覚えた。手土産にして出直すぜ」 三十郎はく黒藤の屋敷を立ち去るのだった。

三十郎の前にひれ伏す9人の若侍。三十郎はあきれ返っていた。
その時、庭にいた千鳥が叫んだ。井坂が外へ出ると、庭を流れる小川に何か白いものがあった。井坂たちが城代家老に提出した血判書の一部だった。小川は隣の黒藤の屋敷から流れてくるのだ。城代家老の睦田が隙を見て小川に流したに違いない。
「伯父は隣の黒藤の屋敷にいる!」全員、色めきたった。喜ぶ侍たちに混ざって、何時の間にか押し入れにいる筈の見張り役までが手を取り合って喜んだ。

三十郎が提案した。黒藤の屋敷に出かけて行き、嘘の情報を流し、集まっている多数の菊井の臣下たちを屋敷の外へ出した隙に城代家老を助けるというもの。
「俺が光明寺の山門の上で寝ていると、お前達が大勢集まっているのを見た・・・こういうのはどうだ?」 そして、救助のタイミングは隣の屋敷から椿の花を小川の流れに流すということに決まった。

黒藤の屋敷へ乗り込んだ三十郎はさっそくデマ情報を流す。「俺が光明寺の山門の上で寝ていると・・・」
その頃、隣の屋敷の押し入れの中から「しまった!」と声がして、見張り役が飛び出した。「光明寺は平屋だ、山門なんか無い!」

しかし、三十郎の嘘はばれず、菊井の臣下たちはあわてて光明寺へ向かった。庭に降りた三十郎は椿の花を摘みだした。その肩にヌッと刃が伸びてきた。「何をしている!」室戸半兵衛の鋭い眼光が光っていた。たちまち三十郎が縛られた。
その時、「しまった!光明寺には山門は無い!」菊井の老家来が叫んだ。半兵衛は三十郎の刀を抜いた。「この血糊はまだ新しい。昨夜の件もお前の仕業だな!」半兵衛の怒りは心頭に達した。

半兵衛が光明寺へ臣下を呼び戻しに去ると、縛られた三十郎の他は、黒藤たち数人の老人が見張りで残っているのみだ。
三十郎はまたまた、老人を愚弄した。「早く合図をしないと、隣に集まった侍たちが助けにくるぞ」 「そういえば、こいつ椿の花を・・・」
「白い椿が中止の合図だ、早くしねえと・・・」と三十郎が急かした。

井坂たちは今か今かと小川の流れを見ていたが、その内に大量の白い椿の花が流れてきた。「まあ、奇麗だこと・・・」夫人と千鳥は呑気なものだ。

戻った半兵衛たちは驚愕した。三十郎は消えており、座敷牢には城代家老の睦田の替わりに黒藤たちが入れられていたのだ。
呆然とする菊井に室戸半兵衛が言った。「もはやこれまでですな」

城では城代家老の睦田の前に若侍たちがかしこまっていた。
睦田 「わしに人望が無かったことがいかんかった。このわしの、間延びした顔にも困ったものだ。昔のことだが、わしが馬に乗ったのを見て、誰かこんなことをいいよった・・・『乗った人より、馬は丸顔・・・』」 夫人はプッと噴出した。

城に姿を現さない三十郎を追って町外れまで来た9人の若侍たちは、そこに三十郎と半兵衛がいるのを見つけた。何やら尋常ではない。

三十郎「どうしてもやるのか」 半兵衛「やる。このままでは腹が納まらん!」 「じゃあ、やろう」
二人は至近距離で向き合っていた。長い長い時間があった。一瞬、半兵衛の手が動いたその時、三十郎の刃が抜きざま半兵衛の胸を破っていた。半兵衛の胸から鮮血が噴出し、そのまま倒れた。三十郎は肩で息をしていた。

その光景を愕然たる思いで見ていた井坂たちに向かって、三十郎は言うのだった。「こいつは俺とそっくりだ。抜き身だ。お前達、ちゃんと鞘に収まってろよ」
映画館主から

黒澤明が「用心棒」の続編として監督した傑作時代劇です。
原作は山本周五郎の「日々平安」で、私も読みましたがコメディタッチのお話でした。実は「用心棒」の前にシナリオはできていたそうですが、「用心棒」のヒットで「続編」的にシナリオを相当書き換えたとのこと。

私は映画としては「用心棒」の方が好きですが、「椿三十郎」の若侍たちと三十郎の絡みも相当気に入っています。夫人の入江たか子も幼年の頃の「化け猫映画」以来で懐かしく、こんなに太ったんじゃ、化け猫になっても飛べんなと思ったものです。

その入江たか子が三船敏郎の三十郎に小言を言う楽しさ。「いい刀はちゃんと鞘に入ってるものですよ」 その台詞はそのまま、ラストで三十郎の口から若侍たちに向かって出てきます。自戒とともに。

三船の敵役に「用心棒」に続いて仲代達矢。鋭い眼光は殺気を感じさせ適役です。三船の奇策に翻弄され、ラストの決闘では胸を斬り裂かれて夥しい血を噴出します。
この決闘の間合いは意表をつくもので、二人は至近距離でたっぷり30秒も無言のまま立ちつづけています。音楽も無し。そして勝負は一瞬の出来事でした。
仲代の胸から噴出す血は、チョコレートシロップと炭酸水の混合液を圧縮ポンプでスタッフが操作したのだそうですが、その迫力は時代劇の語り草になっています。モノクロ画面だから良かったものの、カラー画面ではゲテモノになりかねませんでした。

城代家老の伊藤雄之助も出番は少ないがいい味でした。こういう味のある役者は今、なかなかいません。

  参考文献:ドナルド・リチー著「黒澤明の映画」 キネマ旬報社

黒澤明監督の不朽の名作「七人の侍」の紹介ページ。
http://members3.jcom.home.ne.jp/gorobei/

中でも、「七人のひととなり」を紹介されているところは面白いです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/gorobei/profile.htm

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